離婚調停を申し立てられた相手方が調停第1回期日までに準備すること

離婚調停 相手方 準備

「ある日突然、見知らぬ住所と差出人の名前が書かれた茶封筒が自宅のポストに届き、中を開けてみると「調停期日通知書」などが入っていて、離婚調停を申し立てられたことを初めて知った。」という相手方は多いものです。

そして、離婚調停が申し立てられたことに不満や怒りを抱きながら、すでに第1回調停期日が指定され、期限までに返送を求める「進行に関する照会回答書」まで届いている状況に焦り、動揺したまま慌ただしく準備をしてしまいがちです。

しかし、離婚調停は、夫婦の離婚という人生の一大事を取り扱う裁判所の手続きであり、冷静さを欠いた状態で安易に行動すべきではありません。

「進行に関する照会書」1枚にしても、何となく記載して返送してしまうと、後になって後悔することになりかねません。

以下、調停期日通知書を受け取ってから調停期日までの各段階において相手方が考えたり行動したりする内容について解説します。

調停期日通知書を受け取った段階

家庭裁判所から相手方へ郵送される調停期日通知書が入った封筒には、以下の書類も同封されています。

  • 調停期日通知書
  • 申立書のコピー
  • 進行に関する照会回答書
  • 離婚調停の説明文書
  • 家庭裁判所の地図

まずは、届いた書類をよく読んで確認し、今後の動きについて検討してください。

調停に出頭するか否か

離婚調停は、出席したくない場合には欠席できます。

「事件の関係人が正当な理由なく出頭しないときは、家庭裁判所は、5万円以下の過料に処する。(家事事件手続法第258条、家事事件手続法第51条準用)」と規定されていますが、離婚調停に欠席した当事者が過料に処されることはほぼありません。

事前に欠席の連絡をしてもしなくても同じです。

出頭勧告を受ける、申立人の主張を前提に調停が進行する、離婚訴訟に影響することがあるなど欠席によるデメリットはありますが、欠席という選択があることは覚えておくべきです。

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指定された調停期日に出頭できるか否か

離婚調停に出頭すると決めた場合、指定された調停期日に出頭できるか否かを検討します。

離婚調停の第1回期日は、担当の裁判官や調停委員などの都合で家庭裁判所が指定し、相手方には指定済みの期日が通知されます。

そのため、調停期日通知書に記載された第1回期日に出頭しないまたは出頭できない場合、通知書に記載された担当裁判所書記官の電話番号に電話をかけ、期日の変更を求めることができます。

期日変更を求めるには、「出張中である。」、「どうしても出席が必要な会議がある。」、「子どもの運動会がある。」などの事情を説明しなければなりません。

ただし、変更を希望しても必ず認められるとは限りませんし、「勝手に指定された期日には出頭したくない。」など自分勝手な都合を主張しても認められません。

主張を整理する

調停期日に出頭する場合、離婚やそれに伴う諸条件について、自分の主張を整理しておく必要があります。

最低限、以下の項目については具体的に決めておきましょう。

  • 離婚するか否か
  • 子どもの親権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割

離婚調停の1期日は2~3時間程度ですが、申立人と相手方が交代で調停委員と話をするため、1人の持ち時間は1時間~1時間30分程度です。

事前に主張整理をしておかないと、時間内に主張を伝えきれなかったり、慌てて伝えて誤った理解をされたりする恐れがあります。

また、調停委員から必ず聞かれる項目についても、話す内容をまとめておくと効率良く調停を進めることができます。

  • 婚姻の経緯
  • 夫婦関係が悪化した経緯
  • 離婚を決意した事情
  • 夫婦関係の修復希望の有無
  • 現在の生活状況(同居か別居か、子どもの監護は誰がしているか、就労や生活費など)
  • 子どもの親権など離婚に伴う条件の主張

進行に関する照会書を返送する段階

自分の中で主張を整理したら、進行に関する照会書について検討します。

進行に関する照会書を返送するか否か

進行に関する照会書とは、家庭裁判所が調停進行の参考とするために、当事者に作成と提出を求める書面です。

申立人も申立て時に同じような書面を作成して提出しており、家庭裁判所は申立人と相手方の照会回答書を確認して調停進行を検討します。

申立書などと違って「原則として、相手の目には触れない」書面であり、記載内容が申立人が知られることはありませんが、調停期日の中で調停委員から記載内容について確認されることがあります。

進行に関する照会回答書には返送期限が設定されていますが、返送しなくても罰則などはありません。

したがって、自分の主張を期日前に調停委員へ伝えておく機会を失うというデメリットはありますが、返送するか否かを選択する余地はあります。

進行に関する照会書に記載する内容

進行に関する照会回答書の書式は各家庭裁判所によって微妙に異なりますが、通常は、以下のような項目が設けられています。

  • 調停での協議が円滑に進むか
  • 申立人の暴力やつきまといの状況
  • 裁判所からの連絡先
  • 治療中の病気
  • 裁判所への要望
  • 初回調停期日の出頭の可否

調停委員会が読んで調停進行の参考にする書面である以上、適当に記載すると望まない方向に調停が進行するなど不利益を被ることになりかねません。

そのため、返送する場合は、以下の点を意識して慎重に記載内容を検討しなければなりません。

  • 事実を記載する
  • 相手への不平不満は書かない
  • 秘匿を希望する事項はその旨を明記する

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進行に関する照会回答書とは?提出しないデメリットは?

調停期日に向けて準備する段階

主張を整理し、進行に関する照会回答書も返送した後は、第1回期日に向けて準備を開始します。

調停期日の持ち物

調停期日に何を持っていけばいいかは、調停未経験者が不安を抱きやすいところです。

調停期日通知書に記載されている持ち物は、調停期日通知書、身分証明書、認印の3つです。

この3つがあれば調停進行に支障が生じることはありませんが、他にも準備しておきたい物があります。

持ち物 持参する理由
調停期日通知書 出頭時に担当窓口の職員から提示を求められる
身分証明書 調停期日で調停委員から提示を求められる
認印 各種申請、申立て、取り下げなどに使用
裁判所に提出した書類のコピー 調停委員から書面に基づいて質問されることがある
筆記用具 調停室は、録音録画は禁止だがメモは認められるため、相手の主張、調停案、次回期日までの課題などをメモする
手帳 次回期日指定時のスケジュール確認に必要
自分名義の銀行口座情報 養育費、財産分与、慰謝料などの金銭給付を取り決める場合、調停調書に記載する必要がある

安全面を考慮し、通帳ではなく情報を書き記したメモを持参するのが基本

出頭時の服装や髪形

原則として、服装は普段着で問題なく、髪形や髪色なども普段どおりでかまいません。

スーツを着用して出頭することもできますが、普段着の場合と対応や評価が変わることはありません。

通常、調停室内は「冬は寒く、夏は暑い」ことが多いため、そのことを意識して着ていく衣類を決めると良いでしょう。

なお、高価すぎる衣服やアクセサリーなどの着用については、注意が必要です。

調停委員の中には、当事者の身なりを見て「高価な物を所持しているから生活に困っていないはずだ。」などと判断し、金銭面の主張を真剣に取り合わなくなる人がいます。

日時・場所

調停期日が近づいてきたら、調停期日通知書で日時や場所を再確認し、交通手段を確保しておきます。

調停期日は、平日の午前または午後に指定されます。

午前 9:30または10:00~
午後 13:30または14:00~

出頭場所も調停期日通知書に記載されているので、確認しておきます。

調停室は記載されていませんが、調停期日に出頭すると窓口担当職員から待合室での待機を指示され、待機していると調停委員が呼びに来ます。

交通手段

離婚調停が行われる家庭裁判所までの移動手段も確保しておく必要があります。

不便な場所にある場合、タクシーや自家用車の使用も検討しなければなりません。

特に、支部で調停が行われる場合、公共交通機関がないまたは本数が少ないことがあるため、注意してください。

子どもの預け先

家庭裁判所には託児施設がないため、子どもを監護している場合、調停期日中に子どもを預ける場所も決めておかなければなりません。

なお、乳幼児の子どもの同伴は必ずしも禁止されていませんが、子どもへの影響を考えると、夫婦の紛争に関する話を聞かせるのは望ましいことではありません。

また、授乳やオムツ交換、ジッとしていられない子どもへの対応に追われ、調停に集中することも困難です。

小学生以降になると、大人の同伴者と同じく待合室での待機を求められるようになりますが、非行少年などが出入りする場所に一人で待機させるのはリスクがあります。

したがって、家族や親戚に頼んだり、一時保育先を確保したりすることが大切です。

預け先には、調停期日と行き帰りの時間を含めた時間の預かりを依頼しておきましょう。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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