離婚の弁護士費用の相場!調停と裁判は別料金!法テラスの立替えは危険?

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離婚を弁護士に依頼する場合、注意しなければならないのが弁護士費用です。

「離婚 弁護士費用 相場」などのキーワードで検索すると、弁護士または弁護士事務所のウェブサイトや弁護士斡旋で利益を得ているサイトが上位表示されますが、そこに記載された情報を鵜呑みにして費用を試算するのは危険です。

これらのサイトに掲載された内容は、「顧客を獲得するために提示した弁護士費用」、つまり「最低限、この程度の費用はかかります。」という金額であることが多いからです。

また、プロスポーツ選手や有名人などでない限り、離婚時に相手から得られる財産分与や慰謝料の金額は限られているため、得た金額より弁護士費用が高くなることも珍しくなく、離婚後に弁護士費用の返済に追われて生活が困窮するケースも後を絶ちません。

離婚紛争で弁護士を雇うか否かは個人の判断ですが、弁護士を雇ったことを離婚後に後悔しないよう、弁護士費用について正しい知識を持っておくことは大切です。

弁護士費用は調停と裁判で別料金

離婚紛争で弁護士を依頼する場合に大前提として知っておくべきなのが、「弁護士費用は調停と裁判で別」ということです。

離婚したいと思ったら、まずは夫婦間で離婚について話し合い、それが困難な場合は離婚調停で夫婦間の合意形成を目指し、調停でも解決できない場合に離婚裁判を起こすというのが、一般的な離婚手続の流れです。

こうした流れが社会的認識されているため、離婚の調停と裁判が一連の流れで行われる同じ手続きだと思われがちですが、家庭裁判所の手続き上は別の手続きです。

離婚調停(夫婦関係調整(離婚)) 一般調停事件
離婚裁判(離婚訴訟) 人事訴訟事件

離婚調停が不成立で終了すると、家庭裁判所の手続きは一旦終了します。

裁判で争ってでも離婚したい場合、改めて管轄の家庭裁判所に訴状を提出して離婚裁判を起こさなければならないのです。

弁護士費用は調停と裁判で別料金

弁護士への依頼は、基本的に事件単位で行うことになります。

したがって、調停と裁判の両方で弁護士を雇う場合、それぞれの手続きで弁護士費用が発生します。

調停と離婚で一括料金を設定している弁護士事務所もありますが、例外だと考えてください。

調停と裁判で別の弁護士を雇う場合

調停と裁判で別の弁護士を雇う場合、各手続について個別に弁護士費用が発生します。

離婚する夫婦にとっては一連の手続きであっても、裁判から雇われた弁護士にとっては新規顧客なので、当然です。

調停と裁判で同じ弁護士を雇う場合

調停と裁判で同じ弁護士を雇う場合も、原則として各手続について全ての弁護士費用が発生します。

弁護士事務所の方針により裁判の着手金が無料になることはありますが、すでに書いたとおり例外です。

離婚条件によっても弁護士費用が変動する

弁護士費用のうち成功報酬は、親権が得られたか否か、金銭請求(養育費、財産分与、慰謝料など)で得られた金額によって弁護士に支払う金額が変動します。

弁護士の広告や相談時の説明では、離婚のみ請求した場合の料金が掲載または説明される可能性があるため、注意してください。

離婚の弁護士費用の種類と相場

離婚を弁護士に依頼する場合にかかる費用の種類と相場を確認しておきましょう。

弁護士費用の種類 相場
相談費用 5,000~1万円/30分
着手金 20~50万円
実費 10万円~
日当
  • 1万円/1時間
  • 5万円/半日
  • 10万円/1日
報酬金
  • 基本報酬:20~50万円
  • 親権:10~30万円
  • 養育費:1年間の養育費総額の10~20%
  • 財産分与:得た金額の10~20%
  • 慰謝料:得た金額の10~20%

相談費用

相談費用とは、弁護士を雇う前に、離婚について相談するためにかかる費用です。

通常は、弁護士事務所を訪問して離婚について弁護士に相談した上で、依頼するか否かを決めますが、相談だけでも30分につき5000~1万円という費用がかかります。

離婚紛争は、夫婦不和の原因から離婚条件まで話題が多い上、話すうちに相手への怒りの感情が湧いて話が逸れることも珍しくありません。

そのため、事前に相談する内容を絞っておかないと、相談時間が長引いたり、2回、3回と相談したりすることになり、相談費用だけで相当な金額がかかってしまいます。

なお、初回の相談を無料にしている弁護士事務所もありますが、よほどの大手でない限り「無料にしないと集客できない」事務所である可能性があるため、相談はするにしても依頼するか否かは慎重に検討してください。

着手金

着手金とは、弁護士に依頼した場合にまず発生する、依頼した仕事を遂行させるための費用です。

20~50万円が一般的な相場ですが、依頼内容や事務所の方針などによって大きく異なります。

原則として、依頼した時点で支払わなくてはならず、一度支払うと返還されることはありません。

依頼した直後に協議離婚できることになって依頼をキャンセルするなど、弁護士が具体的な仕事に着手していなかったとしても、支払った後は返還されません。

離婚裁判の場合

離婚裁判で弁護士を依頼する場合、金銭請求の額に応じて着手金を請求されることがあります。

例えば、財産請求額が300万円未満なら請求額の8%、請求額が300万円以上なら請求額の5%などと料金設定されていることがあるのです。

実費

実費とは、弁護士が依頼者のためにした手続きで実際にかかった費用のことです。

離婚調停申立てや訴訟の提起に必要な収入印紙や郵便切手、戸籍謄本や住民票の取得費用、記録の謄写(コピー)費用、交通費など、依頼内容を実現するために実際にかかった費用を請求されます。

原則として、依頼をした時点で着手金と一緒に10万円程度を支払い、不足したら追加で支払います。

ただし、10万円以上請求されることもあるため、依頼時にかかる費用がいくらになるのか事前に確認してください。

実費のごまかしに注意

なお、稀ではありますが、契約終了後に余っているはずの実費が返金されなかったり、返金されても領収書が示されなかったりするケースが確認されています。

弁護士による不正は、報道される機会こそ限られていますが、成年後見人や財産管理人など他人の財産を預かる仕事に就いた弁護士を中心として日常的に起こっています。

弁護士も人であり、高い職業倫理を植え付けられてもなお金に目がくらんで不正に及ぶ人も一定数いるため、信用しすぎないことが大切です。

弁護士による不正や不正まがいの行動を予防するには、依頼前に実費の用途を事前申告するよう約束させる方法が有効です。

弁護士が難色を示すようなら要注意です。

日当

日当とは、弁護士を時間的に拘束した場合に発生する費用です。

弁護士を調停期日や裁判期日に出席させた、遠方に出張させたなど、拘束時間に応じて日当を支払わなければなりません。

弁護士の日当は1日で10万円、半日で5万円、時間単位なら1時間につき1万円が相場です。

日当と聞いて、パートやアルバイトの時給や肉体労働の日給をイメージする人は多いですが、桁が違います。

注意したいのは、手続きが進まなくても弁護士を働かせたら日当を支払わなければならないということです。

例えば、調停期日に弁護士を出席させたが相手方が不出頭だった場合、遠方の家庭裁判所で行われる裁判期日に弁護士を出張させたが台風の影響で電車が止まって期日が中止された場合などでも、拘束時間に応じて日当が発生します。

成功報酬金

成功報酬金とは、離婚紛争が解決した場合に支払う費用です。

原則として、調停が成立した場合または裁判が認諾、和解、判決のいずれかの方法により終了した場合に成功報酬金を支払います。

しかし、必ずしも依頼人が望んだかたちで調停や裁判が終了するとは限りません。

例えば、弁護士に依頼する時点では相当額の財産分与や慰謝料を請求していたのに、離婚紛争の解決のために請求を諦めて調停を成立させた場合、依頼人の希望に沿った解決とは言えませんが、調停は成立しているため、弁護士からは成功報酬金を請求されます。

たとえ、弁護士から「あなたが譲歩しないと解決できないよ。」と言われて譲歩したとしても、調停成立後は「私は助言しただけで、譲歩すると決めたのはあなたでしょ。」と言われ、成功報酬金の支払いを求められます。

弁護士費用の支払いに関しては、依頼人と弁護士の間で紛争が起きやすいものですが、特に成功報酬金の支払いに関するトラブルは頻発しています。

したがって、依頼前に「成功報奨金を支払う条件」を弁護士と決めておく必要があります。

離婚裁判では得た金額によって支払金額が変動する

離婚裁判で金銭請求をした場合、裁判の結果として得た金銭の額に応じて成功報酬金が変動します。

目安となる金額は、養育費が1年間の養育費総額の10~20%、財産分与が得た金額の10~20%、慰謝料が得た金額の10~20%程度です。

弁護士に依頼して離婚した場合にかかる費用

弁護士に依頼して離婚した場合の費用について、目安となる金額を確認しておきましょう。

離婚調停で弁護士を雇って調停が成立した場合

まず、離婚調停で弁護士を雇い、調停が成立して離婚が成立した場合です。

弁護士に依頼した場合の金額だけを提示しても実感がわかない可能性があるため、弁護士を雇わず離婚調停を行った場合にかかる金額も示しておきます。

依頼しなかった場合 依頼した場合
  • 申立て費用:0円
  • 収入印紙代:1,200円
  • 郵便切手代:500円
  • 戸籍謄本取得費用:450円
  • 住民票取得費用:300円
  • 相談費用:5,000円
  • 着手金:30万円
  • 実費:10万円
  • 日当:15万円(5期日に出席)
  • 成功報酬金:40万円(基本20万円+親権10万円+金銭請求10万円)
合計:2,450円 合計95万5,000円
差額:95万2,550円(95万5,000円-2,450円)

離婚調停のみの申立てで、相談費用、着手金、実費、日当、成功報酬金はいずれも一般的な金額の範囲内で仮定しています。

成功報酬のうち金銭請求については抑えめの金額としており、最低限の費用だと考えてください。

離婚調停で弁護士を雇い、調停不成立後に引き続き弁護士を雇って離婚裁判を起こした場合

離婚調停時から弁護士を雇ったものの調停が不成立で終了し、同じ弁護士を雇ったまま離婚裁判を起こした場合です。

調停のみ 調停+裁判
  • 相談費用:5,000円
  • 着手金:30万円
  • 実費:10万円
  • 日当:15万円(5期日に出席)
  • 成功報酬金:40万円(基本20万円+親権10万円+金銭請求10万円)
【調停時】

  • 相談費用:5,000円
  • 着手金:30万円
  • 実費:10万円
  • 日当:15万円(5期日に出席)

※不成立のため成功報酬金はなし

【裁判時】

  • 着手金:30万円
  • 実費:10万円
  • 日当:30万円(10期日に出席)
  • 成功報酬金:60万円(基本30万円+親権10万円+金銭請求20万円)
合計:95万5,000円  合計:185万円
差額:90万5,000円(185万円-95万5,000円)

離婚裁判のみ弁護士に依頼した場合

離婚調停は自力で手続をして臨んだものの不成立で終了し、弁護士に依頼して離婚裁判を起こした場合です。

自力で行った調停費用も含めて試算しています。

調停(自力)+裁判(弁護士あり)
【調停時】

  • 申立て費用:0円
  • 収入印紙代:1,200円
  • 郵便切手代:500円
  • 戸籍謄本取得費用:450円
  • 住民票取得費用:300円

【裁判時】

  • 着手金:30万円
  • 実費:10万円
  • 日当:30万円(10期日に出席)
  • 成功報酬金:60万円(基本30万円+親権10万円+金銭請求20万円)
合計:130万2,450円

弁護士費用を支払う時期

弁護士費用を支払う時期は、費用の種類によって3つに分類することができます。

弁護士費用の種類 支払時期
相談費用 相談終了後
着手金、実費(日当) 依頼契約時
実費、日当、成功報酬金 契約終了後

相談費用については、相談修了後にその都度支払うのが原則です。

着手金と当面の実費は、弁護士に依頼する契約をした時点で支払います。

着手金が30万円、実費が10万円だとすると、合計40万円は依頼時に準備しておかなくてはなりません。

契約が終了した後は、成功報酬金に加え、実費の不足分や弁護士の日当を支払うことになります。

契約終了後に支払う金額は多額であるため、分割で支払うのが一般的です。

法テラスの弁護士費用立て替え制度に要注意

法テラスとは、国民が抱える法律問題の相談を受けつけ、制度説明、関係機関紹介、弁護士費用の立替えなどを行う機関です。

法テラスは、日本司法支援センターの愛称です。

全国各地に事務所が設置され、主に以下の業務を行っています。

  • 法律による紛争解決制度や法律職の仕事に関する情報提供
  • 民事法律扶助(無料法律相談や弁護士などの費用の立て替えなど)
  • 司法過疎地域で弁護士などに法律事務を実施させる
  • 国選弁護人の指名、国選付添人や国選被害者参加弁護士の選定
  • 被害者配慮制度の援助など

自治体の無料法律相談で弁護士を雇う費用がないことを相談すると、法テラスの民事法律扶助(弁護士費用の立て替え)の利用を勧められることがあります。

また、冒頭に書いた弁護士などが作成したサイトにも弁護士費用の立て替えが利用できると記載されています。

確かに、資力などの要件を満たせば、法テラスの弁護士費用の立て替え制度を利用することができますし、法テラスに相談しても立て替え制度について情報提供されるでしょう。

しかし、あくまで弁護士費用の立て替えであり、費用を肩代わりしてくれるわけではありません。

離婚後は経済的に困窮する家庭が多いところ、数十万から数百万円の弁護士費用を何年間も支払い続けなければならないのです。

離婚後に安定した収入が得られる見込みがあるなら利用を検討する価値はありますが、弁護士などに勧められたからといって安易に利用すると、弁護士費用の返済のせいで離婚後の生活が立ち行かなくなるおそれがあります。

なお、立て替えというと聞こえは良いですが、「借金をしてでも顧客になる人が増える」という弁護士の食い扶持を確保するための側面もあります。

立て替え制度を利用してから後悔しても、誰も助けてくれません。

弁護士を雇うか否かと同様、個人が判断することではありますが、慎重に検討してください。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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