離婚調停とは?期間・流れ・費用、メリット・デメリット、弁護士の要否

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夫婦間で離婚やその条件を話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて解決を目指すことができます。

離婚調停は、「裁判所の手続だから敷居が高い」、「離婚裁判(離婚訴訟)の前哨戦だろう。」、「手続きの期間、流れ、費用などが分からない。」などの理由から敬遠されることもあります。

しかし、制度を理解して適切なタイミングで利用すれば、夫婦が互いに納得できる離婚を目指すことができるものです。

離婚調停とは

離婚調停とは、家庭裁判所の家事調停を利用して、夫婦の離婚や離婚条件について話し合う手続です。

「離婚調停」や「離婚の調停」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「夫婦関係調整(離婚)」で、家庭裁判所へ申し立てるときも同名の申立書を作成することになります。

離婚調停は、家庭裁判所という公的な場で、裁判官と家事調停委員で構成される調停委員会を交えて離婚の話し合いを行います。

夫婦同士では感情的になってしまう内容でも落ち着いて話し合うことができ、必要に応じて調停委員会から助言や提案をもらうこともできます。

夫婦の話合いの手続であるため、家庭裁判所や調停委員会が離婚や離婚条件について強要することはありませんが、夫婦同士の話し合いがまとまらないときは不成立で終了することになります。

調停が不成立で終了すると、離婚をするには離婚裁判(離婚訴訟)を起こさなくてはなりません。

離婚調停を利用するタイミング

離婚調停を利用するタイミングは、各家庭によって異なりますが、一般的には以下のようなタイミングで利用されることが多くなっています。

  • 夫婦だけでは離婚や離婚条件の合意ができない
  • 夫婦だけでは離婚の話し合いができない
  • 相手が離婚の話し合いに応じない

夫婦だけでは離婚や離婚条件の合意ができない

通常、離婚を決意したときは、まず、夫婦で離婚やその条件について話し合い、夫婦間で合意ができた段階で離婚届を市区町村役場に提出することを目指します。

いわゆる協議離婚です。

しかし、協議離婚をするには、①離婚することと②子どもの親権者(子どもがいる場合)を決めなければならず、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料などの条件も夫婦で合意ができている必要があります。

離婚することや条件面で夫婦の合意ができないと協議離婚はできず、離婚調停を検討することになります。

夫婦だけでは離婚の話し合いができない

離婚について夫婦だけで話し合うことが困難なときも、離婚調停を検討することになります。

夫婦だけで話し合いができない状況としては、以下のような状況が考えられます。

  • DV(ドメスティックバイオレンス、家庭内暴力)
  • モラハラ(モラルハラスメント)
  • 精神的に不安定
  • DVなどを理由にシェルターなどに避難している
  • 長期間別居中で相手と連絡がつきにくい
  • 別居して遠方の実家に帰っている

相手が離婚の話し合いに応じない

DVなどの問題がなくても、相手が離婚の話し合いに応じてくれないと、協議離婚することはできません。

夫婦の合意がないまま離婚届を提出すると、有印私文書偽造などの犯罪で起訴されるおそれがあります。

そのため、相手が離婚の話し合いに応じないときも、離婚について調停で解決することを検討することになります。

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離婚調停を経ないと離婚訴訟ができない?

夫婦間の紛争や対立が激しく、話し合いによる解決が望めないケースでは、離婚について最初から離婚訴訟で解決したいと考える夫婦もいます。

しかし、離婚を含む家事事件では、訴訟を提起する前に調停をしなければならないというルールがあります。

調停前置主義といい、どのような事情があり、調停での解決が困難であることが目に見えていても、離婚調停を経ずに離婚訴訟を提起することはできません。

例えば、婚姻相手が行方不明になっているときも、戸籍や住民票をたどって住所を探し、離婚調停を申し立てて不成立で終了した後、離婚訴訟を提起する必要があります。

離婚調停のメリット

離婚調停のメリットは、以下のとおりです。

  • 手続が簡単
  • 費用が安い
  • 相手と顔を合わせる必要がない
  • 離婚条件を決め忘れずに済む
  • 離婚の理由を問われない
  • 調停成立により確定判決と同じ効力が生じる

離婚調停のメリット1:手続が簡単

離婚調停は、定型の申立書書式があり、記載例を見ながら簡単に作成することができます。

申立書書式については家庭裁判所の家事手続案内や窓口でもらうことができる他、裁判所ウェブサイトからダウンロードすることもできます。

申立てには費用や添付書類が必要ですが、郵便局や市区町村役場などですぐ準備できるものばかりです。

午後半日、長く見積もっても1日あれば、役場などで必要な費用や添付書類を集め、家庭裁判所で申立書などを作成して離婚調停の申立てを行うことができます。

訴状・口頭弁論用の準備書面・陳述書・反論書の作成や証拠資料の収集などに膨大な時間や手間がかかる離婚裁判に比べると、手続が格段に簡単です。

なお、離婚調停の申立てを弁護士や司法書士に依頼することもできますが、個人でも半日~1日程度でできる手続に数万~十数万円の料金を請求されます。

離婚調停のメリット2:費用が安い

離婚調停にかかる費用は、以下のとおりです。

  • 収入印紙:1200円分
  • 郵便切手:約400円分(調停期日通知などで使用、調停終了後に残額が返還される)
  • 資料収集にかかる費用:戸籍謄本・戸籍附表(住民票)取得費用、給与明細のコピー代金など
  • 家庭裁判所への交通費

交通費を除くと、離婚調停の申立てにかかる費用は合計3000円程度です。

夫婦の合意ができず、何度も調停期日が開かれたとしても、追加で請求されるのは調停期日通知用の郵便切手や追加資料の提出くらいです。

離婚裁判では、訴訟提起で数万円かかり、その後の手続の中でも膨大な資料作成などで費用、時間、手間がかさみます。

また、離婚裁判では弁護士に依頼せざるを得ないことがあり、その場合に数十万円単位で費用を請求されることを考えると、費用面の負担は格段に低く抑えることができます。

離婚調停のメリット3:相手と顔を合わせる必要がない

家事調停では、調停委員会が、夫婦を交互に調停室へ入室させ、それぞれ個別に主張を聴取した上で、それを相手に伝えるという方法で調停が進行します。

原則、夫婦同席で話し合いを進める運用にはなっていないため、相手と顔を合わせることなく落ち着いて離婚について主張することができます。

調停委員から、夫婦同席で調停を進行することや、調停の最後に夫婦同席で主張確認をすることなどを提案されることはありますが、拒否すれば強要されることはありません。

また、相手からDV被害を受けている、会うと何をされると分からないなど、相手と顔を合わせることのリスクが高い時は、調停の呼び出し時間をずらす、DV被害者を先に帰らせるなどの配慮を求めることもできます。

離婚調停のメリット4:離婚条件を決め忘れずに済む

離婚するときは、子どもの親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割など様々な離婚条件を同時に決めることになります。

協議離婚では、離婚したい気持ちが先に立ち、離婚条件を十分に検討せずに離婚してしまうことがありますが、調停離婚では、調停委員が離婚条件について一つひとつ確認してくれるため、決め忘れる心配がありません。

ただし、夫婦が早く離婚することを最優先したいと希望すると、調停委員もそれに迎合してしまうことがあるため、注意が必要です。

離婚調停のメリット5:離婚の理由を問われない

裁判で離婚するときは、民法に定められた法定離婚事由が存在する必要があります。

しかし、離婚調停は、家庭裁判所の手続ではありますが、夫婦の話し合いによる柔軟な解決ができるようになっており、法定離婚事由がなくても夫婦が合意すれば離婚できます。

申立書には申立ての動機を記載する欄がありますが、動機によって離婚できるか否かが判断されることはありません。

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離婚調停のメリット6:調停成立により確定判決と同じ効力が生じる

調停が成立することにより、調停で決まった内容について確定判決(家事事件では別表第2事件の家事審判)と同じ効力が発生します。

離婚調停が成立すると、裁判所書記官が、調停で夫婦で合意した内容(離婚することや離婚条件)を記載した調停調書を作成します。

この調停調書には、確定判決と同じ「執行力(調停で決まった内容を強制執行ができる効力)」があります。

例えば、調停調書で決まった養育費が支払われないときに、給料などを差し押さえて強制的に支払わせることができます。

協議離婚では、養育費、財産分与、慰謝料などについて夫婦で合意した内容を書面にしておいても、離婚後に合意の内容が守られなかったときにすぐ強制執行をかけることはできません。

協議離婚の合意内容で強制執行をするには、夫婦の合意内容を公証役場で公正証書にしておく必要がありますが、公証役場に出向く手間や数万円単位の費用がかかることから、あまり利用されていません。

離婚調停のデメリット

離婚調停のデメリットは、以下のとおりです。

  • 調停成立までに時間がかかる
  • 調停期日は平日しか入らない
  • 調停委員によって進行が異なる
  • 調停期日への出頭を強制する手段がない
  • 調停が不成立で終了すると何も決まらない

離婚調停のデメリット1:調停成立までに時間がかかる

離婚調停は、時間がかかります。

家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停を申し立てると、2週間~1ヶ月程度で初回期日が記載された調停期日通知書が届きます。

初回期日は、申立てから1ヶ月~1ヶ月半程度先に指定されています。

初回期日で調停が成立することは稀で、2回、3回と期日を重ねることになる上、調停期日が開かれるのは1ヶ月に1回程度(ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始は1ヶ月半以上間隔があくこともあります。)です。

そのため、初回期日で成立したとしても申立てから1ヶ月程度はかかり、期日を重ねるにつれて1ヶ月単位で期間が延びていきます。

離婚するかどうかの対立がある、複数の離婚条件で対立しているなどの場合は、何度も期日を重ねなければ解決に至らないことが多くなっています。

また、子どもの親権や面会交流で対立しているときは、期日間に家庭裁判所調査官による調査という手続が入り、次回期日が1ヶ月半~2ヶ月後に指定されることもあります。

離婚調停のデメリット2:調停期日は平日しか入らない

離婚調停は、家庭裁判所の調停室で行われ、裁判官や調停委員で構成される調停委員会が主催するものであり、平日の日中にしか期日が入りません。

通常、調停期日が開かれるのは、平日の午前9時30分~正午または午後1時30分から午後4時までで、特別な事情がない限り終了時刻になると打ち切られ、次回期日が指定されることになります。

自宅や会社から家庭裁判所まで距離があるときは、移動の時間を想定して通常より遅めの時間を希望することもできます。

しかし、家庭裁判所や相手の都合によっては希望を聞き入れてもらえないことがあり、また、遅めに始まっても終了時刻は変わらないため、調停で話し合う時間が短くなります。

1ヶ月に1回程度とは言え、平日の日中に仕事を休んで調停に出頭することは負担が大きく、調停のデメリットの一つと言えます。

離婚調停のデメリット3:調停委員によって進行が異なる

家事調停を何度も経験すると、調停委員によって調停進行が異なることが分かります。

夫婦の主張を十分に聞いた上で調停委員会としての調停案を示す調停委員もいれば、夫婦の主張を聞いたまま相手に伝えて夫婦に考えさせようとする調停委員もいます。

中には、夫婦の一方の主張を誤ってもう一方に伝えたり、男女1人ずつの調停委員が異なる助言をしてきたりすることもあります。

調停委員を選ぶ権利はなく、調停委員の変更を希望しても認められることはほとんどない一方で、家庭裁判所や調停委員の都合により、調停委員が変更されることはあります。

離婚調停のデメリット4:調停期日への出頭を強制する手段がない

調停は、調停委員会を交えて夫婦で話し合う場であり、調停期日に夫婦が揃って出頭しないと何も進みません。

しかし、調停期日への出頭を強制する手段はなく、相手が調停に出頭しないときは、次回期日を指定し、期日間に調停を申し立てた人から出頭を求めるよう促されます。

調停期日への欠席が続くと、家庭裁判所が出頭勧告という手続で相手に出頭を促してくれることもありますが、あくまで「勧告」で出頭を強制することはできません。

家庭裁判所の出頭勧告でも相手が出頭しないときは、調停を取り下げるか、不成立で終了させることになります。

離婚調停のデメリット5:調停が不成立で終了すると何も決まらない

離婚調停では、夫婦の主張を少しずつすり合わせ、合意ができるように調整して調停成立を目指します。

調停が成立すると、夫婦が合意できた内容が全て調停調書が作成されることになります。

しかし、夫婦の合意ができないと、調停は不成立で終了します。

調停が不成立で終了すると、調停開始前と同じ状態、つまり、離婚について何も決まっていない状態に戻ります。

例えば、離婚すること、子どもの親権、財産分与については夫婦の合意ができ、養育費や慰謝料で折り合いがつかず調停が不成立になった場合、養育費や慰謝料だけでなく、離婚すること、子どもの親権、財産分与についても何も決まりません。

夫婦で合意ができた内容だけ取り決めて成立させることもできますが、離婚後に紛争の火種を残すことになるため、調停委員会から慎重な検討を促されることがあります。

離婚調停の申立て方法

離婚調停は、家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。

申立てを行う調停

夫婦関係調整(離婚)調停です。

夫婦関係の改善を求める夫婦関係調整(円満)調停もあるため、間違えないようにしてください。

申立人

夫または妻です。

親子やその他の親族であっても、夫婦の離婚について代わりに申し立てることはできません。

申立先(管轄)

原則、相手方(離婚したい人)の住所地を管轄する家庭裁判所が申立先となります。

ただし、夫婦の合意があれば、夫婦が希望した裁判所で調停を行うこともできます(合意管轄)。

申立てに必要な書類

  • 夫婦関係調整(離婚)申立書(原本とコピーを1部ずつ)
  • 申立添付書類(申立事情説明書など)
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 申立人の印鑑(認印)
  • 年金分割のための情報通知書(年金分割を主張する場合)

原則、申立書は家庭裁判所から相手方に送付されるため、コピーの提出を求められます。

なお、申立書や申立添付書類の記載について、相手方に秘匿したい内容があるときは、秘匿事項に関する書面を提出することになります。

申立てにかかる費用

  • 収入印紙:1200円分
  • 郵便切手:約400円分(調停期日通知などで使用、調停終了後に残額が返還される)
  • 資料収集にかかる費用:戸籍謄本・戸籍附表(住民票)取得費用、給与明細のコピー代金など

上記の費用は、夫婦関係調整(離婚)だけを申し立てた場合の費用です。

婚姻費用分担、財産分与、慰謝料、面会交流、養育費などの調停を別途申し立てる場合、調停の件数分の収入印紙代がかかります。

申立てを弁護士や司法書士に依頼すると、数万円からの費用が発生します。

相手方と顔を合わせることによるリスクが高い場合

DV被害を受けている、シェルターなどに避難している、保護命令が出ている、相手方がすぐ感情的になって粗暴な言動に及ぶリスクがあるな度の場合、申立て時に申告しておきましょう。

家庭裁判所は、事案に応じて、呼び出し時間をずらす、申立人を先に帰宅させる、裁判所敷地内では職員が付き添う、調停期日を夫婦で別期日にするなどの対応をしてくれます。

離婚調停の流れと期間

離婚調停を申し立てた後の流れと期間について見ていきましょう。

調停期日の日程調整

通常、家庭裁判所の窓口で離婚調停の申立てをしたときに、調停の初回期日の日程調整も行います。

ただし、すぐに日程が調整できない場合は、後日、家庭裁判所から連絡が入ることもあります。

調停期日の通知

離婚調停を申し立ててから2週間~1ヶ月程度すると、初回の調停期日が記載された調停期日通知書が申立人と相手方に郵送さてきます。

相手方宛の封筒には申立書と照会書が同封されており、申立書の内容を確認した上で照会書を家庭裁判所へ郵送することになります。

初回期日は、申立てから1ヶ月~1ヶ月半後に指定されます。

ただし、盆正月など長期休暇をはさむと、1ヶ月半よりも後に指定されることもあります。

初回期日に準備していくこと

初回期日に持参する物は、以下のとおりです。

  • 調停期日通知書
  • 身分証明書
  • 認め印
  • 筆記用具、メモ帳
  • 予定表(仕事のシフト表など)

初めて調停に参加するときは、とても緊張し、自分の主張をうまく言葉にして調停委員に伝えられなかったり、調停委員の話が十分に頭に入らなかったりするものです。

そのため、事前に主張を整理して書きだしておくと、調停委員に自分の主張を伝えやすくなります。

また、調停中は必要に応じてメモをとるようにすると、調停期日を重ねても調停の経過や到達点を確認することができます。

初回期日

調停期日通知書に記載された日時に家庭裁判所へ出頭し、家事の窓口に調停期日通知書を見せると、待合室に案内されます。

申立人の聴取

調停開始時刻になると、まず、調停委員が申立人待合室まで呼びに来るので、同行して調停室に入室します。

調停委員から聴取される内容は、以下のとおりです。

  • 調停を申し立てた理由
  • 離婚を主張する理由と復縁の可能性
  • 離婚条件(子どもの親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割など)
  • 現在の生活状況
  • 子どもの状態

聴取時間は約30分です。

聴取が終わると、申立人待合室で待機するよう指示されるので、待合室へ戻ります。

DV事案などでは、廊下などで相手方と鉢合わせないように調停委員が同行してくれることもあります。

相手方の聴取

調停委員は、相手方待合室へ行って相手方を調停室へ入室させ、申立人から聴取した内容と同じ内容を相手方からも聴取します。

また、申立人から聴取した内容を相手方に伝え、相手方の主張を聴取します。

聴取時間は申立人と同じく約30分です。

申立人と相手方の聴取を交互に繰り返す

再度、調停委員が呼びに来るので、調停室に入り、相手方の主張を聞いて、それに対する主張をします。

その後は、再び相手方、申立人というように交互に調停室に入室し、30分ずつ互いに主張を繰り返します。

期日の終了

調停委員は、申立人と相手方から2,3回ずつ話を聞くか、調停終了時刻(午前は正午頃、午後は午後4時30分頃)になると、その期日における到達点を確認した上で、次回期日を決めて、調停を終了させます。

次回期日は申立人、相手方、調停委員会の予定と、調停室の空き状況を踏まえて調整されます。

調停委員から、給与明細のコピーの提出、別居親と子どもの面会交流の実施など、次回期日までの課題を出されることもあります。

なお、期日の到達点の確認については、夫婦同席で行われることが増えていますが、同席を拒否すれば別々に対応してもらうことができます。

第2回期日以降

第2回期日以降は、前回の調停の到達点を踏まえ、話し合いが行われます。

原則、調停委員が申立人と相手方から交互に主張を聴取し、主張を整理したり、調停委員会としての案を提示したりしながら調停を進行します。

親権や面会交流など子どもに関する対立が激しい場合には、家庭裁判所調査官が調停に同席し、意見を述べることがあります。

また、調停期日間に、家庭裁判所調査官が子どもの意見や監護常況について調査を行うことがあり、その場合は調停期日内で調査についての説明が行われます。

調停の終了

離婚調停は、主に申立ての取下げ、調停成立、調停不成立によって終了します。

相手方が出頭しない場合

調停に相手方が出頭しないときは、まず、裁判所書記官が相手方に電話をかけて出頭を促します。

相手方が電話に出て出頭する意思を示した場合、近い日に次回期日を決めます。

相手方が電話に出ない、電話に出たが出頭を拒否した場合は、期日間に申立人から相手方へ出頭を促すよう求められます。

相手方が複数の期日に不出頭だった場合は、家庭裁判所が出頭勧告という手続で出頭を求めることがあります。

調停への出頭を強制する手段はないため、申立人の促しや家庭裁判所の出頭勧告を経ても相手方が出頭しない場合、申立ての取下げを促されるか、調停が不成立で終了することになります。

調停の取下げ、調停成立、調停不成立

調停が終了する主なパターンは、調停の取下げ、調停成立、調停不成立です。

申立ての取下げ

離婚調停は、申立人が取り下げることにより終了します。

裁判所書記官の指示に従って取下書に記載すれば手続が終了します。

調停成立

調停で夫婦の合意がまとまると、調停成立の手続を行います。

調停室に、裁判官、男女1人ずつの調停委員、裁判所書記官、申立人、相手方が集まり、裁判官が夫婦で合意した内容を確認します。

読み上げた内容に間違いがなければ、裁判官が調停が成立したことを申立人と相手方に伝えます。

調停成立後、相手方は帰宅できますが、申立人は、裁判所書記官から調停成立後の手続について説明を受け、申立て時に提出した郵便切手の返還を受けることになります。

後日、家庭裁判所から調停調書が完成したという連絡が入るので、窓口で調停調書を受け取った上で、市区町村役場で離婚届と一緒に提出します。

調停調書を郵送してもらうこともできますが、離婚届の提出期限が調停成立から10日以内と定められており、機嫌を過ぎると過料を科される可能性があるため、直接窓口に取りに行くことが多くなっています。

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調停不成立

離婚やその条件について夫婦の合意がまとまらない場合、調停は不成立で終了します。

申立人や相手方が「これ以上話し合っても意味がない。」と判断して調停を不成立とするよう求めることもできます。

一方で、調停委員会が、相手方の不出頭、夫婦が互いに譲歩して調停を成立させようとする意欲が見られないなどの理由で「調停が成立する見込みがない。」と判断して調停を不成立にすることもあります。

調停不成立になると、調停手続は終了します。

離婚したい場合は、改めて家庭裁判所に離婚訴訟を起こす必要があります。

調停に代わる審判(審判離婚)

調停に代わる審判とは、調停での夫婦の話し合いの結果に基づいて、家庭裁判所が離婚を判断することです。

家庭裁判所が審判離婚をするのは、「夫婦が離婚することに合意し、離婚条件も概ね合意できている」一方で、以下のような事情で調停が成立させられない場合です。

  • 手続など細かい条件面などで折り合いがつかない
  • 夫婦の一方の見栄や体裁が合意の妨げになっている
  • 遠隔地に住む夫婦の一方が調停に出頭できない

家庭裁判所が調停に代わる審判をして審判が確定すると、離婚が成立します。

しかし、審判の告知から2週間以内に申立人または相手方から異議申立てがされると、審判の効力は失われます。

異議申立てで審判の効力が失われると、調停手続に戻り、調停不成立で終了します。

離婚調停に弁護士は必要か?

離婚調停は、家庭裁判所という公的な場で、調停委員会という第三者を交え、夫婦が離婚やその条件に付いて話し合いを行う機会です。

離婚調停に参加した夫婦が、調停委員会に主張を伝え、調停委員会から助言や提案を受けながら、夫婦が合意できる内容を探るのが本来の調停のあり方で、弁護士がいなくても申立てから調停成立まで辿り着けるような制度が整備されています。

そのため、弁護士がいないと離婚調停が進められないということはありません。

確かに、離婚調停で弁護士に依頼すれば、調停にかかる時間や手間を弁護士に肩代わりさせることができ、法律の専門家に任せているという安心感も得られます。

しかし、思ったように離婚調停を進められるかどうかは弁護士の力量やケースにより、弁護士に依頼したから必ず希望した内容で調停が成立するわけではありません。

譲歩ばかりを求められた挙句に不本意な内容で離婚調停をまとめられ、離婚後には何十万円という高額な弁護士費用の支払いだけが残るケースが後を絶ちません。

また、離婚調停で離婚させるよりも離婚訴訟までもつれこんだ方が高額な弁護士費用を請求することができます。

そのため、最初から離婚訴訟を目指し、調停を「裁判の前哨戦」や「訴訟提起のための通り道」と考えて、依頼を受けて費用を受け取っているにも関わらず、調停で解決するための調整や働きかけを行わない弁護士も少なくありません。

稀ですが、夫婦が調停での解決を目指していたにも関わらず、弁護士が火種をまき散らして紛争を激化させ、調停を不成立で終わらせてしまうケースも見られます。

離婚調停を弁護士に依頼するか否か迷っているときは、この記事で解説した離婚調停の内容を振り返り、本当に依頼が必要かどうか検討してください。

弁護士に任せられるわけではない

弁護士に依頼すれば、離婚を有利に進めることができると思うかもしれません。

しかし、離婚に至る事情は夫婦によって異なり、離婚時に対立することも様々なので、夫婦の置かれた状況や争点に応じた臨機応変な対応が必要になります。

離婚調停や離婚裁判の依頼を何百件もこなしてきた弁護士ならともかく、さほど経験のない弁護士に依頼した場合、夫婦にとってより良い方向に調停を進めてくれるとは限りません。

弁護士報酬目当てで離婚裁判を前提に調停を進める、離婚調停への理解が不十分で夫婦の事情を踏まえず教科書的な進行をする、調停委員との折り合いが悪く調停が難航するなど、不適切な対応をされることも珍しくありません。

そのため、弁護士に依頼したとしても、弁護士と密に連絡を取り合い、思うような進行になっていない場合は修正を求める必要があります。

「弁護士に任せておけば大丈夫だろう。」というのは、少なくとも離婚調停に関しては当てはまりません。

ウェブサイトで情報収集するリスク

インターネットやスマートフォンの普及により、離婚調停についてウェブサイトで情報収集する人が増えています。

確かに、ネット上には離婚、離婚調停、弁護士など知りたい情報が無数に存在しますが、必ずしも正しい情報ばかりが掲載されているわけではありません。

例えば、「離婚」や「離婚調停」でネット検索して上位表示されるウェブサイトには、必ずと言っていいほど「離婚調停で弁護士に依頼すべき」、「離婚調停で弁護士に依頼するメリット」などの文言が並んでいます。

しかし、運営者や運営会社を確認すると、弁護士や弁護士法人、アフィリエイトサイトを運営する会社などが運営していることが確認できます。

弁護士や弁護士法人が運営しているウェブサイトは、当然ですが、離婚調停で弁護士に依頼するメリットに偏重した記載が目立ちます。

弁護士関係の広告が掲載されているウェブサイトは、弁護士や弁護士法人などと提携しており、弁護士検索や弁護士関係の広告で収入を得ているため、離婚調停で弁護士に依頼するメリットを強調した記事を掲載しています。

また、いずれも弁護士検索ができるようになっていますが、検索で表示された弁護士の経歴を別のサイトなどで確認すると、離婚を含む家事事件の経験がない弁護士も少なからず含まれています。

ネットで離婚調停や弁護士を情報収集するときは、①弁護士や弁護士法人が運営するウェブサイトや②弁護士関係の広告が掲載されているウェブサイトに注意してください。

また、特定のウェブサイトで得た情報を鵜呑みにせず、別のサイトや裁判所ウェブサイトなどで確認するようにすることも大切です。

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