離婚調停のデメリットは?紛争解決までの時間や終わり方など7つ

離婚調停 デメリット

離婚を決意した場合、協議離婚で離婚を目指すのか、調停離婚や裁判離婚まで視野に入れるのかを検討することになりますが、いずれにしても、各方法のメリットとデメリットについて理解しておく必要があります。

特にデメリットについては、手続きを始めてから「こんなはずではなかった。」と思わないで済むよう、十分に確認しておきたいところです。

この記事では、離婚調停のデメリットについて解説します。

離婚調停のデメリット:紛争解決までに時間がかかる

離婚調停のデメリットは、調停の申立てから紛争解決までに時間がかかることです。

最高裁判所が公表する「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」では、夫婦関係調整調停事件における終局区分別の平均審理期間の推移が示されています。

裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第7回)(平成29年7月21日公表)

出典:裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第7回)(平成29年7月21日公表)

この統計を見ると、「あれ、半年程度で調停が成立するのか。」と思うかもしれません。

しかし、調停が成立したケースの中には、子どもの面会交流や財産分与など調停の長期化の原因となる条件を取り決めずに成立させたケースや、当面別居する内容で成立したケース、子どもがいないケース(子どもの親権や面会交流、養育費を決める必要がない)が含まれ、これらのケースが審理期間を押し下げていると考えられます。

通常、離婚調停では、第1回期日が申立ての1ヶ月から1ヶ月半後に指定され、その後も1ヶ月に1度のペースで調停期日が指定されますし、夏季休廷、年末年始、ゴールデンウィークなどは期日が入りません。

当事者の都合で指定された期日が変更されることもありますし、当事者が欠席して調停が空転することもあります。

また、離婚だけでなく、子どもの親権、面会交流、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割など争点が多いこともあり、調停申立てから成立までに1年程度かかることも珍しくありません。

離婚調停のデメリット:相手方が欠席すると手続きが進まない

離婚調停を含む調停手続きは、相手方に調停への出席を強制する方法がありません。

家事事件手続法では、正当な理由なく調停に欠席した場合に過料に処す(家事事件手続法第258条(家事事件手続法第51条準用))という規定がありますが、実際に過料に処されたケースはほぼなく、欠席を抑制する効果は発揮されていません。

相手方の欠席が続く場合、裁判官の命令を受けた家庭裁判所調査官が書面や電話で出頭勧告(相手方に調停のメリットを伝えたり、相手方の主張を確認したりして出頭を促す手続き)を行いますが、あくまで「勧告」であり、出席を強制することはできません。

出頭勧告を経ても相手方が調停を欠席し続ける場合、調停で話し合いようがないため、調停委員会が申立人に取下げを促し、応じない場合は調停を不成立で終了させます。

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離婚調停のデメリット:仕事に支障が出る

離婚調停の調停期日が指定されるのは、家庭裁判所が開庁している平日の日中です。

そのため、指定された調停期日に出頭するには仕事を休む必要があります。

調停期日は午前または午後の半日ですが、1期日につき2~3時間程度はかかるため、移動時間も含めると半日は休まなければなりません。

第1回期日は問題なく休めたとしても、月1回またはそれ以上のペースで調停期日が指定されて定期的に休暇を取得していると、周囲の冷たい視線にさらされますし、評価にも影響しかねません。

子どもがいて看病や行事のために休みを取得している場合、有給が底をつくこともあります。

また、「離婚調停に出てきます。」とは言いにくく、適当な嘘をついて休暇を取得して後ろめたさを感じる人も少なくありません。

離婚調停のデメリット:家事育児に支障が出る

赤ちゃんを育てている場合は、調停期日の間だけ預けなくてはならず、近くに頼れる家族や親族がいなければベビーシッターや一時預かりを利用しなければなりませんが、急に預かりを依頼しても受け入れてもらえないことが多いものです。

子どもが幼稚園に通っている場合も大変です。

調停期日は午前であれば午前9時~正午頃ですが、幼稚園の登園時間は午後9時前後なので、子どもを登園させた後に急いで家庭裁判所まで行かなければなりません。

午後からの期日は午後1時30分~午後4時30分頃ですが、幼稚園の降園時間は午後2時~3時頃なので、家族や親族に迎えを頼むか、臨時で保育を頼まなければなりません。

子どもが小学校に進学していても、低学年のうちは鍵を預けるのに不安がありますし、一人で留守番をすることができない子どもも少なくないため、家族や親族に頼むか臨時で学童保育に預けることになります。

専業主婦として家事をこなしている場合も、調停期日は1日の予定が大きく崩れることになりますし、気分が落ち込んで思うように家事ができないこともあります。

離婚調停のデメリット:精神的な負担が大きい

調停は、原則として、調停委員を介して話し合いを進めるため、直に相手と会ったり話したりすることはありません。

しかし、夫婦関係が悪化した原因や離婚を決意した理由を話すことで過去のつらいエピソードが想起されますし、調停委員から相手の嘘や心ない発言を聞かされて傷つくこともあります。

また、調停委員が相手の肩を持っている、話を理解してくれないなどと感じてストレスを溜め込むことも珍しくありません。

しかも、こうした精神的負担を調停で吐き出すことは難しい上、家に帰ると子どもの前では平静を装わなくてはならないため、相当な精神的負担がかかります。

離婚調停のデメリット:調停委員の当たりはずれがある

調停委員は、「弁護士となる資格を有する者、民事若しくは家事の紛争の解決に有用な専門的知識経験を有する者又は社会生活の上で豊富な知識経験を有する者で、人格識見の高い年齢40年以上70年未満のもの」の中から、最高裁判所が任命します(民事調停委員及び家事調停委員規則第1条)。

しかし、実際に調停に参加すると、肩書は立派でも人格識見が高いとは到底言えないような調停委員に遭遇することがあります。

例えば、当事者の話も相調停委員の意見も聞かず独断と偏見で調停をまとめようとする人、男尊女卑の考え方を隠そうともしない人、当事者の主張を正確に覚えていられない人など、様々な調停委員がいます。

家庭裁判所は、調停委員の力量向上のために各種研修を企画・実施していますが、人格や能力に根差した問題を抱える調停委員をなくすには至っていないのが実情です。

事件によっては裁判官が調停委員の問題を把握し、自ら調停に同席して進行したり、調停委員を指導したりするケースもありますが、多くのケースでは調停委員が問題のある言動や態度を繰り返し、当事者が翻弄されることになります。

調停委員は忌避できないため、裁判所書記官に相談する、総務課に苦情を言うなどの対応をしてもなお調停委員の言動や態度が改善されない場合は、調停の取下げ以外に手の打ちようがありません。

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何も決まらずに終わることがある

調停は、当事者の合意を前提としています。

裁判所が判断するのではなく、当事者同士が話し合って自主的な紛争解決を目指すことができるのが調停のメリットです。

しかし、離婚調停の場合、当事者同士の話し合いがまとまらないと、何も決まらないまま調停が不成立で終了します。

たとえ期日を重ねて合意まであと一歩というところまで辿り着いたとしても、当事者の一方が翻意すれば、それまでの話し合いは無駄になってしまいます。

申立人の場合は、調停の進行に不満があれば取り下げて調停を終了させることも可能です。

このように、長い時間と手間をかけても何も決まらずに終了し、離婚訴訟で決着を見るというケースも少なからずあります。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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