合意分割制度の手続き!請求方法と必要書類、按分割合の決め方は?

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年金分割には合意分割と3号分割の2種類あり、それぞれ請求の条件や手続きの流れが異なります。

年金分割の手続きの手順が多いのは、合意分割です。

合意分割は、原則として全ての婚姻期間について年金分割を請求できる反面、按分割合について夫婦間で合意する必要があり、夫婦の協議で合意できない場合、家庭裁判所の手続きで取り決めなければなりません。

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合意分割の手続きの流れ

合意分割の手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 年金事務所に「年金分割のための情報通知書」を請求する
  2. 婚姻期間中の夫婦の厚生年金記録(標準報酬総額)を確認する
  3. 年金分割の按分割合を決める
  4. 年金事務所に合意分割(標準報酬の改定を請求)を請求

年金事務所に「年金分割のための情報通知書」を請求する

年金分割のための情報通知書とは、年金分割の按分割合を決めるために必要な、婚姻期間中の夫婦の厚生年金記録(標準報酬総額)の情報が記載された書面です。

請求先

会社員の場合、住んでいる地域の年金事務所に請求します。

公務員の場合、旧共済年金は厚生年金に一元化されていますが、請求先は共済組合の担当部署です。

請求者

夫または妻(または元夫または妻)です。

請求の必要書類

年金分割のための情報通知書の請求に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 年金分割のための情報提供請求書:年金事務所または日本年金機構のウェブサイトで入手
  • 請求者の国民年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 戸籍謄本:婚姻年月日が分かる資料
  • 事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料
  • 国民年金第3号被保険者加入期間証明書

事実婚(内縁)関係にあった男女でも、その一方が第3号被保険者であった期間に限って3号分割ができますが、事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料を提出する必要があります。

事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料としては、男女が同一世帯で夫(未届)や妻(未届)の記載がある住民票のコピーを提出するのが確実です。

入手できない場合は、事実婚(内縁)関係にある人を扶養していた事実が分かる資料、男女の同居の事実が分かる住民票、男女宛の郵便物などでも認められます。

なお、公務員の場合、あらかじめ共済組合を通して年金事務所に国民年金第3号被保険者加入期間証明書を請求し、年金分割のための情報通知書の請求時に添付資料として提出します。

公務員の年金に関する窓口は共済組合であるところ、共済組合で自分が第3号被保険者であった正確な期間を確認することが難しいため、まずは国民年金第3号被保険者加入期間証明書を入手し、第3号被保険者であった期間を確認する必要があるためです。

婚姻期間中の夫婦の厚生年金記録(標準報酬総額)を確認する

年金分割のための情報通知書が入手できたら、婚姻期間中の夫婦の厚生年金記録(標準報酬総額)を確認します。

年金分割のための情報通知書には、以下の内容が記載されています。

  • 夫婦(または元夫婦)の氏名(対象期間標準報酬総額が多い人が第1号改定者、低い人が第2号改定者
  • 夫婦(または元夫婦)の氏名
  • 夫婦(または元夫婦)の生年月日
  • 夫婦(または元夫婦)の基礎年金番号
  • 情報提供請求日
  • 婚姻期間等
  • 対象期間標準報酬総額(対象期間における夫婦の厚生年金保険料納付記録を現在価値に換算した額の合計額)
  • 按分割合の範囲(第2号改定者に分割される範囲)
  • 対象期間(年金分割の対象となる期間)

年金分割のために確認する必要があるのは赤字部分です。

第1号改定者か第2号改定者か

合意分割(年金分割)をすると、第1号改定者の標準報酬総額が按分割合に応じて第2号改定者へ分割されます。

したがって、自分が第1号改定者になっている(標準報酬総額が婚姻相手より多い)場合、年金分割をすると自分が将来受け取ることができる年金額を減るため、年金分割の手続きを進めるか否か検討しなければなりません。

第2号改定者であれば、次の手続きへ進みます。

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年金分割の按分割合を決める

年金分割のための情報通知書に基づいて、按分割合を決めなければなりません。

按分割合の範囲には上限と下限が設けられており、その範囲内で按分割合を決めます。

上限 2分の1(50%)
下限 分割前の標準報酬総額が少ない人の割合

按分割合は、上限である2分の1(50%)に決めるのが一般的です。

個別事情に応じて2分の1(50%)以外の按分割合とするケースもありますが、夫婦の協力扶助義務は収入に関係なく同じ程度に果たされているという考え方に基づいて、年金事務所でも2分の1(50%)が一般的だと説明されます。

夫婦(または元夫婦)間で按分割害が合意できた場合

年金分割のための情報通知書を夫婦で確認し、婚姻期間中の標準報酬総額などを踏まえて協議で按分割合を決定します。

夫婦(または元夫婦)間で按分割合の合意ができた場合、合意分割を請求するときの資料とするため、①按分割合について夫婦が合意したことと②合意した按分割合を記載した書面を作成し、夫婦が署名押印します。

合意書の書式は、あらかじめ年金事務所で交付してもらいます。

合意書の記載例は、以下のとおりです。

【記載例】

  • 「甲(第1号改定者)と乙(第2号改定者)は、本日、厚生労働大臣に対し対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合を0.5とすることを合意した。」

なお、夫婦(または元夫婦)が一緒に年金事務所へ行って分割の手続きをする場合、合意書の作成は必要ありません。

夫婦(または元夫婦)間で按分割合の合意ができない場合

夫婦(または元夫婦)間で按分割合の合意ができない場合、家庭裁判所の手続きを理容師て按分割合を決めることになります。

年金分割を請求する時期が離婚前か離婚後かによって、利用できる手続が異なります。

離婚前
  • 夫婦関係調整(離婚)調停
  • 離婚訴訟(附帯事項)
離婚後 年金分割の割合を定める審判または調停

家庭裁判所の調停、審判、訴訟の結果、年金分割の按分割合が決定されると、その旨が以下の書類に記載されます。

  • 調停調書の謄本または抄本(離婚調停または年金分割調停が成立した場合)
  • 審判書の謄本または抄本と確定証明書(審判離婚または年金分割の審判がされた場合)
  • 和解調書の謄本または抄本(離婚訴訟が和解で終結した場合)
  • 判決書の謄本または抄本と確定証明書(離婚訴訟が判決で終結した場合)

合意分割の請求では、いずれかの書類を添付する必要があります。

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年金事務所に合意分割(厚生年金記録の改定)を請求

按分割合が決定したら、年金事務所に合意分割を請求します。

手続きの正式な名称は、標準報酬改定の請求です。

請求先

会社員の場合、住んでいる地域の年金事務所です。

公務員の場合は、共済組合の担当部署を通して年金事務所に請求します。

請求者

夫または妻(または元夫または妻)です。

請求の必要書類

  • 標準報酬改定請求書(年金事務所または日本年金機構のウェブサイトで入手)
  • 請求者の国民年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 戸籍謄本:当事者の生存と夫婦の婚姻年月日が確認できる資料
  • 事実婚を証明するもの(事実婚の場合)
  • 事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料
  • 国民年金第3号被保険者加入期間証明書
  • 按分割合が記載された書類

請求結果の通知

標準報酬が改定された後、改定結果が夫婦(または元夫婦)に書面で通知されます。

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【参考】

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