初めての離婚調停の準備!調停期日の持ち物や服装から主張の整理まで!
- 調停離婚
最終更新日: 2019.03.5
初めての離婚調停は、申立人も相手方も緊張します。
調停期日前から、「何の準備をすれば良いのか。」、「服装や持ち物は何が必要なのか。」、「調停中は子どもを預かってくれるのか。」などと様々な不安や心配も抱きがちです。
しかし、家庭裁判所という公の場で行われる手続きとはいえ、基本は調停委員という第三者を介した夫婦の話し合いであり、一般人でも問題なく手続きが進められるよう配慮されています。
調停期日までに主張整理や持ち物など最低限の準備をしておけば、過剰に不安や心配を抱く必要はありません。
目次
初めての離婚調停期日までに準備すること一覧
まず、離婚調停の初回(第1回)期日までに準備することを一覧形式で概観しておきましょう。
準備 | 内容 |
主張整理 |
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子どもの預け先 | 家庭裁判所には託児施設がないため、事前に、調停期日当日に子どもを預かってくれる家族や親せき、一時保育先などを確保しておく必要がある |
持ち物 |
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服装 |
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日時・場所 | 調停期日通知書の内容を再確認する |
交通手段 | 自宅から調停が行われる家庭裁判所までの交通手段を確認する |
初めての調停だからといって身構える必要はありませんが、時間を見つけて少しずつ事前準備を進めることは大切です。
以下、個々の準備について詳しく解説します。
初めての離婚調停の準備:主張整理
離婚調停で調停委員から必ず聞かれるのが、離婚やそれに伴う条件面についての主張です。
調停期日は、1回あたり2~3時間程度で、その間に申立人と相手方が概ね30分交代で調停室に入室し、調停委員に自分の主張を伝えることの繰り返しで進行します。
事前に主張を整理しておかないと、初めての緊張も相まって上手に主張を伝えられず、主張を述べるだけで初回期日が終わるということになりかねません。
そのため、事前に離婚やそれに伴う条件面の主張を自分なりに整理してまとめておくことが大切です。
離婚することについて
離婚を希望するのか、夫婦関係の円満修復を希望するのかは必ず決め、その理由を具体的に言葉で説明できるよう整理しておきます。
理由については、離婚を望むにせよ望まないにせよ、婚姻の経緯から夫婦関係が悪化した経緯や離婚を決意した事情まで詳しく聴取されるため、時系列で説明できるようにしておきましょう。
事情が複雑で上手に説明する自信がない場合は、婚姻中の主なエピソードを書き出して調停期日に持参する方法もあります。
調停委員から必ず聞かれる内容は、以下のとおりです。
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これらの質問に具体的に答えられるようにしておきましょう。
なお、夫婦関係を見直すための冷却期間を望むのであれば、婚姻費用や面会交流を決めて「当分の間、別居する。」という内容で調停を成立させる選択肢もあります。
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離婚に伴う条件について
離婚に伴う条件も、できるだけ具体的に決めておくことが大切です。
離婚条件 | 決めておく内容 |
親権 |
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養育費 |
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面会交流 |
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財産分与 |
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慰謝料 |
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年金分割 |
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初めての離婚調停の準備:子どもの預け先
家庭裁判所には託児施設がなく、試行的面会交流を行うプレイルームを待合室として使用することもできません。
子どもの同席は禁止されていませんが、たとえ子どもが押さなくても父母の紛争の話を聞かせるのは望ましくありませんし、授乳やオムツ交換、動き回る子どもへの対応など負われて、落ち着いて主張するのは想像以上に難しいものです。
また、小学生以降になると待合室で待機させるよう求められることが増えます。
そのため、子どもが家庭裁判所という見知らぬ場所で、他の当事者と一緒に不安な時間を過ごすことになります。
家庭裁判所には、非行少年や認知症患者など様々な人が出入りするため、短時間とはいえ子どもを一人で過ごさせるのは望ましいことではありません。
離婚調停の第1回期日を知らせる調停期日通知書が届いたら、家族や親戚に調停期日に子どもを預かるよう頼むか、一時保育先などを確保しておきましょう。
調停は午前または午後の半日ですが、移動時間を含めると1日がかりになることもあるため、少し長めに預かりを頼んでおくと安心です。
初めての離婚調停の準備:持ち物
初めて離婚調停に参加する人が不安や心配を抱きやすいのが、持ち物です。
調停期日通知書には、調停期日通知書、身分証明書、認印を持参するよう記載されており、基本的にはこの3つがあれば問題はありません。
しかし、調停期日で「あると便利な物」は多いため、必要に応じて準備しておきましょう。
調停期日通知書
調停期日通知書は、離婚調停の申立てから2週間前後で申立人と相手方に郵送されます。
調停期日通知書には、事件番号、当事者名、事件名、調停期日の日時などが記載されています。
調停の初回(第1回)期日に出頭すると、担当窓口の職員から調停期日通知書の提示を求められる(本人確認と事件番号確認が目的)ため、必ず持参してください。
身分証明書
担当窓口では調停期日通知書の提示が本人確認の代わりになりますが、調停期日では身分証明書の提示を求められます。
調停期日の冒頭に提示すると、調停委員が記録と照合して本人確認を行います。
離婚調停申立書など裁判所に出した書類のコピー
申立書など申立て時に作成して提出した書面(相手方は、調停期日通知書と一緒に届いた書面)を持参します。
必要書類ではありませんが、調停委員からは申立書などの内容を確認されますし、手元に情報があった方が事情を説明しやすくなります。
特に、初回(第1回)期日は、調停の雰囲気に緊張して上手に話せないことがあるため、申立書などがあると説明すべき内容が分かって安心できるはずです。
筆記用具
調停期日では録音や録画が禁止されていますが、メモをとることは認められています。
調停委員から聞いた内容(離婚やそれに伴う条件に関する相手の主張、調停委員会の調停案、次回期日までの宿題など)を全て記憶するのは難しいため、必要な部分はメモをとっておくことが大切です。
なお、本来はあってはならないことですが、期日が変わると調停委員が前回期日の内容を忘れているケースが散見されます。
メモをとっておくことで、調停委員の記憶違いをただすことにも役立ちます。
手帳(スケジュール管理用)
離婚調停の第2回期日以降は、調停期日の最後に夫婦、調停委員、裁判官の予定と調停室の空き状況を踏まえて決定します。
そのため、スケジュールが記載された手帳を持参しておく必要があります。
仕事の勤務体制がシフト制の場合は、シフト表も持参しておくと便利です。
調停期日にシフトの予定が分からない場合は、いくつか候補日を挙げておき、後日、調停期日を確定させることもできます。
スマホがあれば代用可能です。
印鑑(認印)
調停期日で必ず使用するわけではありません。
しかし、各種申請をする、婚姻費用分担調停などを追加で申し立てる、書類を受領する、取下げ書を提出するなどの場合には必要になるため、持参しておきましょう。
自分名義の銀行口座の情報(銀行名、支店名、預金種別、口座番号など)
養育費、財産分与、慰謝料、その他金銭給付を取り決めて調停を成立させる場合、調停条項に金銭の振込先銀行口座を記載します。
初回期日で成立する見込みがない場合は必要ありませんが、念のために持参しておくと安心です。
通帳を持参することもできますが、安全面を考慮するとメモを持参した方が良いでしょう。
初めての離婚調停の準備:服装
持ち物と同じく、初めて離婚調停に出頭する人が悩むのが、服装です。
結論からいうと、普段着で問題ありません。
外出して恥ずかしくない格好であれば、スーツや正装でなくても何も言われません。
全身ピンクのスーツ、Tシャツに短パンとクロックスなど、家庭裁判所という場にそぐわない格好をしていると目立ちますが、それが原因で不利に取り扱われることはありません。
髪形や髪色も問われません。
ただし、高価なアクセサリーやバッグなどを持参すると、調停委員にバイアスがかかるおそれがあります。
つまり、「高価な物をたくさん所持しているのだから、生活には困っていないだろう。」、「養育費や財産分与について相手に強く働きかけなくても大丈夫だろう。」などという印象を持たれ、経済的困窮を訴えて金銭給付を主張しても、信ぴょう性を疑われることがあるのです。
初めての離婚調停の準備:日時・場所の確認
調停期日は、平日の午前または午後に指定されます。
午前 | 9:30または10:00~ |
午後 | 13:30または14:00~ |
調停期日が近づいたら、今一度、調停期日通知書で日時を確認し、移動時間も踏まえて自宅を出る時間を決めます。
出頭する場所は、調停が行われる家庭裁判所の担当窓口で、通常は申立てをした窓口と同じです。
調停室は、調停期日通知書には記載されていません。
期日に出頭すると窓口担当職員に待合室へ案内され、そこで待っていると調停委員が呼びに来て一緒に調停室へ入ります。
DV(ドメスティックバイオ連)やモラハラ(モラルハラスメント)など相手と遭遇したくない事情がある場合、事前に家庭裁判所へ伝えておくことで、出頭時間の調整や移動中の警備などの配慮をしてもらうことができます。
初めての離婚調停の準備:交通手段の確認
家庭裁判所の本庁は、官庁街など比較的便利な場所にありますが、支部の場合は、公共交通機関が少ない不便な場所にあることも珍しくありません。
あらかじめ交通手段を確認し、必要に応じて自家用車やタクシーを使うことも検討します。
公共交通機関を利用する場合、最寄り駅から家庭裁判所まで距離があることも多く、迷わないようにグーグルマップを利用したり、余裕を持って自宅を出たりすることが大切です。