児童扶養手当は5年で半額になる?減額されない要件と手続きを解説
- シングルマザー
最終更新日: 2019.07.2
児童扶養手当を受給している人は、毎年8月に現況届を提出し、受給要件を満たせば8月以降も引き続き児童扶養手当を受給することができますが、一定期間が経過すると要件が厳しくなり、支給額が半額まで減額されることがあります。
この記事では、児童扶養手当が減額される時期と理由、減額措置をされないための条件と手続の方法について解説します。
目次
児童扶養手当が減額される時期と理由
児童扶養手当が減額される時期と理由から確認していきます。
児童扶養手当が減額される時期
児童扶養手当の減額については、児童扶養手当法第13条の3第1項に規定されています。
1 受給資格者に対する手当は、支給開始月の初日から起算して5年又は手当の支給要件に該当するに至つた日の属する月の初日から起算して7年を経過したとき(第6条第1項の規定による認定の請求をした日において3歳未満の児童を監護する受給資格者にあつては、当該児童が3歳に達した日の属する月の翌月の初日から起算して5年を経過したとき)は、政令で定めるところにより、その一部を支給しない。ただし、当該支給しない額は、その経過した日の属する月の翌月に当該受給資格者に支払うべき手当の額の2分の1に相当する額を超えることができない。
2 受給資格者が、前項に規定する期間を経過した後において、身体上の障害がある場合その他の政令で定める事由に該当する場合には、当該受給資格者については、厚生労働省令で定めるところにより、その該当している期間は、同項の規定を適用しない。
(児童扶養手当法第13条の3第1項)
条文に書かれている児童扶養手当の減額の要件をまとめると、以下のとおりとなります。
減額の時期 | ①支給開始月の初日から5年が経過した |
②支給要件を満たした月の初日から7年が経過した | |
③【認定請求をしたときに子供が3歳未満だった場合】 子供が3歳になった月の翌月から5年が経過した | |
減額の範囲 | 支給額の2分の1以下(半額まで) |
児童扶養手当が減額されるのは、①、②、③のうちいずれかに当てはまった月の翌月分の手当からです。
条文に「当該受給資格者に支払うべき手当の額の2分の1に相当する額を超えることができない。」と書かれているとおり、児童扶養手当は半額に減額されます。
減額の時期①:支給開始月の初日から5年が経過した
【例】
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児童扶養手当の支給開始月(初めて児童扶養手当の支給が開始された月)は、原則として、手当の認定請求をした月の翌月です。
例えば、7月1日に認定請求した場合、8月分から支給されることになります。
ただし、児童扶養手当の支給月は4月、8月、12月の年3回で、それぞれ前月までの4ヶ月分が支給されます(2019年11月からは奇数月に2ヶ月分ずつ支給するように変更)。
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支給停止期間の取り扱い
支給開始月の初日からの5年間には、児童扶養手当の支給が停止されていた期間も含まれます。
所得要件を超えるなどして支給停止期間があったとしても、5年間の始まりは支給開始月です。
減額の時期②:支給要件を満たした月の初日から7年が経過した
【例】
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児童扶養手当の支給要件を満たした月とは、配偶者との離婚や死別をしたとき、裁判所から保護命令を受けたときなどです。
減額の時期③:子供が3歳になった月の翌月から5年が経過した
【例】
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児童扶養手当の認定請求をしたときに子供が3歳未満だった場合、減額措置のカウントは子供が3歳になった月の翌月からスタートします。
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児童扶養手当が減額される理由
児童扶養手当は、「家庭の生活の安定と自立の促進」によって子供の心身の健やかな成長に寄与すること」を目的として支給される手当です。
自立の促進という目的があるので、働けるのに働かないなどの事情がある場合には減額されることになるのです。
ただし、全ての受給者が減額されるわけではなく、一定の条件を満たせば、5年または7年が経過した後も引き続き満額を受給し続けることができます。
児童扶養手当の減額措置を受けない要件と手続き
受給者が以下の要件を満たしている場合、児童扶養手当は半額に減額されません。
※いずれも児童扶養手当の受給資格は満たしている前提 |
いずれかの要件に当てはまる場合は、減額措置が始まるまでに、市区町村役場に届け出をする必要があります。
届出人 | 受給者 |
届出先 | 児童扶養手当を支給している市区町村の担当課 |
届出期間 | 減額措置が開始される前 |
必要書類 |
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減額措置が開始される1~2ヶ月前になると、市区町村役場から支給額が半額になるという通知と「児童扶養手当一部支給停止適用除外事由届出書」が届くので、通知に従って手続きをしてください。
手当の支給額が2分の1に減額されない要件を確認できる書類は、要件ごとに異なります。
就業している
※いずれか1つ |
自立するための活動をしている(求職活動など)
※いずれか1つ |
身体上または精神上の障害がある
※いずれか1つ |
負傷または疾病などで就業が難しい
※いずれか1つ |
子供または親族の障害などがあり、介護のために就業が難しい
※いずれか1つ |
民生委員が自宅を訪問し、介護状況を確認して証明する方法が一般的ですが、障害者手帳などの提出を求められることも多くなっています。
児童扶養手当一部支給停止適用除外事由届出書は現況届にも添付する
減額措置を受けないために提出する「児童扶養手当一部支給停止適用除外事由届出書」は、毎年8月、現況届の提出時にも作成することになります。
減額されない要件を満たすことを確認できる書類を添付して、現況届と一緒に提出します。
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