引っ越した場合の児童手当の手続!受給者が単身・海外赴任する場合は?

児童手当を受給している人(受給者)が引越しをする場合、引き続き児童手当を受給するには、引っ越し後の地域の市区町村役場で手続きをする必要があります。

また、受給者が単身赴任や海外赴任をする場合も、役場での手続きが必要です。

この記事では、受給者が引っ越した場合の児童手当の手続きについて解説します。

引っ越した場合の児童手当の手続き

児童手当は、受給者が住民登録している(住民票がある)市区町村から支給されます。

そのため、「住民登録している市区町村の中で引っ越す場合」と「他の市区町村に引っ越す場合」で、児童手当の手続きが違います。

引っ越し先必要な手続き
引っ越し前引っ越し後
同じ市区町村

なし

  • 引っ越し後に転居届を提出

※子育て支援担当課に「児童手当・特別給付氏名・住所変更届」を提出する必要がある地域もあり

提出先:住民登録している(住民票がある)市区町村役場

他の市区町村
  • 転出届を提出
  • 児童手当受給事由消滅届を提出(引っ越しの15日前~当日)
  • 転入届を提出
  • 児童手当認定請求書を提出(15日以内)
提出先:引っ越し前の地域の市区町村役場提出先:引っ越し後の地域の市区町村役場

同じ市区町村内で引っ越す場合

住民登録している(住民票がある)地域の市区町村内で引っ越す場合、引っ越し前にする手続きはありません。

引っ越し後は、役場の担当窓口で転居届の手続きをすれば、役場の担当者が住所変更の手続きをしてくれるので、児童手当に関する手続きは不要です。

ただし、子育て支援担当課への届け出が必要な地域もあります。

その場合は、子育て支援担当課に児童手当・特例給付氏名・住所変更届を提出することになります。

届け出の要否については、転居届を提出するときに窓口の担当者に確認してください。

他の市区町村に引っ越す場合

住民登録している(住民票がある)地域以外に引っ越す場合は、以下の手順で引っ越しの前と後に手続きをします。

引っ越し前引っ越し前の地域の市区町村役場で

1.転出届を提出

2.児童手当受給事由消滅届

引っ越し後引っ越し後の地域の市区町村役場で

3.転入届を提出

4.児童手当認定請求書を提出

1.転出届を提出

他の市区町村へ引っ越す場合、転出届を提出する必要があります。

届出人
  • 本人
  • 世帯主
  • 代理人(委任状が必要)

※家族でも、別世帯の人が届け出する場合は委任状が必要

届出先引っ越し前の地域の市区町村役場
届出期間引っ越しの当日まで

※引っ越しをした日から14日以内でも受け付けてもらえるところが多い

必要書類
  • 住民異動届(転出届):役場で入手
  • 本人確認書類:運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど
  • 認印:本人が署名する場合は不要
  • 国民健康保険被保険者証:加入者のみ
  • 委任状:代理人が提出する場合のみ

届け出が受理されると、転出証明書が発行されます。

転出証明書は、引っ越し後の転入届に必要な書類なので、なくさないようにしてください。

2.児童手当受給事由消滅届を提出

転出届が受理されると、転出予定日(転出届に記載した日)をもって、現住所地における児童手当の受給資格がなくなります。

そのため、児童手当の担当課の窓口で、児童手当受給事由消滅届を提出し、児童手当の受給資格をなくす手続きを行う必要があります。

届出人児童手当の受給者
届出先引っ越し前の地域の市区町村役場
届出期間引っ越し日の15日前から当日
必要書類
  • 児童手当・特例給付受給事由消滅届:役場で入手
  • 本人確認書類:運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど
  • 認印:本人が署名する場合は不要

転出届の届け出をすれば、自動的に児童手当の受給資格を消滅させる取り扱いの市区町村役場も多いので、事前に確認しておきましょう。

この場合、児童手当受給事由消滅届を作成して提出する必要はありません。

なお、届の書式をネット上に掲載している自治体もありますが、古い書式がそのまま掲載されている地域もあるので、役場で入手するのが無難です。

2.5.住民税課税(非課税)証明書を入手しておく

転出届と児童手当受給事由消滅届を行うときに、住民税課税(非課税)証明書を入手しておくことをおすすめします。

住民税課税(非課税)証明書は、引っ越し先で児童手当を受給するための手続きで必要になるからです。

児童手当給資格消滅届提出の際、所得課税証明書を発行してもらうのを忘れないようにしましょう。

引っ越し前に入手しておかないと、引っ越し後に窓口または郵送で請求することになるので、手間がかかります。

3.転入届を提出

新しい地域に引っ越しをしたら、市区町村役場で転入届を提出します。

届出人
  • 本人
  • 世帯主
  • 代理人(委任状が必要)

※家族でも、別世帯の人が届け出する場合は委任状が必要

届出先引っ越し後に住む地域の市区町村役場
届出期間引っ越し日から14日以内

※引っ越し前の手続きは不可

必要書類
  • 住民異動届(転入届)
  • 転出証明書
  • 本人確認書類:運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど
  • 認印:本人が署名する場合は不要
  • 通知カードまたはマイナンバーカード:転入者全員分
  • 年金手帳:国民年金第1号被保険者のみ
  • 委任状:代理人が届け出る場合のみ

届け出が受理されると、その地域に住民登録されます。

4.児童手当認定請求書の提出

転入届の手続きが済んだら、児童手当の担当課で、児童手当認定請求書の手続きを行います。

請求者子供の養育者

※夫婦の場合は、原則として、収入が高い人

請求先引っ越し先の地域の市区町村役場
請求期間引っ越し日から15日以内
必要書類
  • 児童手当・特例給付認定請求書:役場で入手
  • 請求者名義の口座の通帳またはキャッシュカード
  • 請求者と配偶者のマイナンバー確認書類:通知カード、個人番号カードなど
  • 印鑑
  • 住民税課税(非課税)証明書:引っ越し前に住んでいた地域で発行されたもの
  • 請求者の本人確認書類:運転免許証、パスポートなど
  • 請求者の健康保険被保険者証のコピーまたは年金加入証明書:厚生年金に加入している場合のみ

引っ越し前後の児童手当の取り扱い

児童手当には、以下のようなルールがあります。

ルール1児童手当は、転出届の提出日(住所を変更した日)を含む月まで支給する
ルール2児童手当は、請求のあった月の翌月から支給する

したがって、転出届を提出した日を含む月までの児童手当は「引っ越し前の市区町村」から支給され、引っ越し後に請求した月の翌月以降の児童手当は「引っ越し後の市区町村」から支給されます。

ここで問題になるのが、引っ越した月と新たに児童手当を請求した月が異なる場合です。

例えば、6月20日に引っ越し、7月1日に児童手当認定請求書を引っ越し先の市区町村役場に提出したとします。

この場合、6月分の児童手当は、ルール1に基づいて引っ越し前の市区町村から支払われ、8月以降の児童手当はルール2に基づいて引っ越し後の市区町村から支払われます。

では、7月分はどうなるかというと、引っ越し日から15日以内に児童手当認定請求書を提出すれば、申請が引っ越しの翌月になった場合でも、前月分(申請した月)から児童手当が支給される仕組み(15日特例)が適用されます。

引っ越し前後の児童手当が支給される時期

児童手当が支給される時期は、通常の支給月と同じです。

支給月支給対象月
2月11月~1月分
6月2月~5月分
10月6月~9月分

例えば、1月10日に引っ越した場合、11月~1月分は2月に引っ越し前の市区町村から支給され、2月~5月分は6月に引っ越し後の市区町村から支給されます。

受給者が単身赴任・海外赴任する場合の児童手当の手続き

受給者(児童手当を受給している人)が単身赴任または海外赴任する場合、どのような手続きが必要でしょうか。

受給者が単身赴任する場合

受給者が、自宅がある地域とは異なる市区町村へ単身赴任をした(住民票を動かした)場合、引っ越し先の市区町村から児童手当が支給されます

したがって、児童手当を受給するには、他の市区町村へ転居した場合と同じ手続きが必要になります。

【自宅のある地域の市区町村役場】

1.転出届を提出する

2.児童手当受給事由消滅届を提出する

【単身赴任先の市区町村役場】

3.転入届を提出する

4.児童手当認定請求書を提出する

転出届の提出によって自動的に受給資格が失われる地域もあるので、手続きをするときに確認してください。

1.~3.の手続きは、「引っ越した場合の児童手当の手続き>他の市区町村に引っ越す場合」の項で解説したのと同じです。

4.の手続きについては、単身赴任をして子供と別居することになるので、「児童手当・特別給付別居監護申立書」などを追加で提出する必要があります。

届出人単身赴任をした人(児童手当を受給している人)
届出先単身赴任先の市区町村役場
届出期間引っ越し日から15日以内
必要書類
  • 児童手当認定請求書:役場で入手
  • 請求者名義の口座の通帳またはキャッシュカード
  • 請求者と配偶者のマイナンバー確認書類:通知カード、個人番号カードなど
  • 印鑑
  • 住民税課税(非課税)証明書:引っ越し前に住んでいた地域で発行されたもの
  • 請求者の本人確認書類:運転免許証、パスポートなど
  • 請求者の健康保険被保険者証のコピーまたは年金加入証明書:厚生年金に加入している場合のみ
  • 児童手当・特別給付別居監護申立書
  • 子供のマイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード:請求者と子供が別居している場合のみ
  • 子供の住民票:請求者と子供が別居している場合のみ

赤字部分が単身赴任の場合に追加で提出する書類

受給者が海外赴任する場合

児童手当は、日本国内に住む子供(0歳~15歳)を養育する人に対して、住民登録している市区町村から支給される手当です。

したがって、受給者が海外へ単身赴任する(住民票を残さない)場合、児童手当の受給者を変更しなければなりません。

児童手当の受給者の変更は、以下の手順を踏みます。

  1. 国外転出届を提出する
  2. 児童手当・特別給付受給事由消滅届を提出
  3. 児童手当・特例給付認定請求書を提出する

1.国外転出届を提出する

届出人
  • 本人
  • 世帯主
  • 代理人(委任状が必要)

※家族でも、別世帯の人が届け出する場合は委任状が必要

届出先海外赴任前に住んでいた地域の市区町村役場
届出期間引っ越しの当日まで
必要書類
  • 住民異動届(転出届):役場で入手
  • 本人確認書類:運転免許証、パスポート、マイナンバーカード(個人番号カード)など
  • 認印:本人が署名する場合は不要
  • 国民健康保険被保険者証:加入者のみ
  • 通知カードまたはマイナンバーカード(個人番号カード)
  • 委任状:代理人が届け出る場合のみ

2.児童手当・特別給付受給事由消滅届を提出する

「引っ越した場合の児童手当の手続き>他の市区町村に引っ越す場合」で解説したのと同じ手続きです。

この手続きによって、海外赴任する人への児童手当の支給が停止されます。

3.児童手当・特例給付受給認定請求書を提出する

子供と同居する人を受給者として児童手当を受給するために、児童手当・特例給付受給認定請求書を提出します。

請求者
  • 子供と同居して養育する人
  • 配偶者
請求先子供の住所地の市区町村役場
請求期間これまでの受給者が国外転出届を提出した日の翌日から15日以内
必要書類
  • 児童手当・特例給付認定請求書
  • 請求者名義の口座の通帳またはキャッシュカード
  • 請求者と配偶者のマイナンバー確認書類
  • 認印
  • 住民税課税(非課税)証明書
  • 請求者の本人確認書類
  • 請求者の健康保険被保険者証のコピーまたは年金加入証明書
  • 委任状:配偶者が請求する場合

請求が受理され、請求者に受給資格があると認められた場合、請求した月の翌月分から児童手当が支給されます。

請求期間の「15日以内」というのは、児童手当・特例給付受給認定請求書を提出する期限です。

必要書類が全て揃っていなくても、窓口で請求書を提出しておけば、足りない書類は後で追完しても問題ありません。

請求が遅れると支給できる児童手当が減ってしまうので、早めに手続きをするようにしてください。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
また、マイナンバー、国民年金、税金、養子縁組、青年後見など、日常生活の中で利用する制度や手続きを分かりやすく解説する記事も掲載しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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