年金分割のための情報通知書とは?取得方法と必要書類は?調停で必要?

年金分割のための情報通知書 取得方法

離婚時の年金分割(合意分割)を希望する場合、まず、年金分割のための情報通知書を取得しなければなりません。

年金分割のための情報通知書には、年金分割の対象である標準報酬総額などが記載されています。

合意分割の按分割合について夫婦(または元夫婦)間で協議するときに確認しますし、夫婦間で合意ができず、家庭裁判所の手続きを利用する場合、申立て時に添付を求められます。

年金分割のための情報通知書とは

年金分割のための情報通知書とは、離婚時の年金分割(合意分割)の按分割合を決定するために必要な情報が記載された書面です。

年金分割のための情報通知書には、年金分割の対象期間、その期間の標準報酬総額、按分割合の範囲などが記載されており、誰が誰に年金分割をするのかが一目でわかります。

年金分割のための情報通知書が必要な場面

情報通知書が必要になる場面は、離婚前と離婚後で異なります。

離婚前
  • 夫婦関係調整(離婚)調停の申立て
  • 離婚訴訟の提起

※いずれも年金分割の按分割合の決定を主張する場合のみ

離婚後
  • 年金分割調停または審判の申立て

なお、夫婦で協議して合意分割の按分割合を決める場合も、情報通知書を確認することになります。

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年金分割のための情報通知書の取得方法

年金分割のための情報通知書は、夫婦(または元夫婦)の請求により、年金事務所が発行します。

請求先

企業の会社員などの場合、請求先は住んでいる地域の年金事務所や年金相談センターです。

公務員の場合、国家公務員であれば国家公務員共済組合や共済組合連合会本部に、地方公務員であれば共済組合、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会が請求先です。

2015年10月1日に厚生年金と旧共済年金が厚生年金に一元化されましたが、公務員の請求先は共済組合のままなので、注意してください。

請求者

離婚前の夫または妻(または離婚後の元夫または妻)です。

夫婦(または元夫婦)が一緒に請求することもできます。

請求の必要書類

年金分割のための情報通知書を請求するための必要書類は、以下のとおりです。

  • 年金分割のための情報提供請求書
  • 請求者の国民年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 戸籍謄本
  • 事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料
  • 国民年金第3号被保険者加入期間証明書

年金分割のための情報提供請求書

年金事務所など情報通知書の請求窓口で交付してもらえる他、日本年金機構のウェブサイトでダウンロードすることもできます。

記載例を参考にすれば作成できますが、書き方が分からないところは空欄のまま請求窓口に持参し、何を書けばいいか教えてもらいましょう。

戸籍謄本

夫婦(または元夫婦)の戸籍謄本を提出します。

離婚前
  • 請求時の戸籍謄本
離婚後
  • 元夫婦それぞれの請求時の戸籍謄本
  • 婚姻期間が分かる戸籍謄本(離婚時の戸籍謄本)

離婚後に提出戸籍謄本については、請求時の戸籍謄本に婚姻や離婚の年月日が記載すれば1通で足りますが、記載がない場合は離婚時の戸籍謄本も提出しなければなりません。

なお、戸籍謄本(全部事項証明書)の原本を提出する必要があり、提出後は返却されません。

事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料

事実婚(内縁)期間がある場合は、事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料を提出する必要があります。

提出する資料としては、以下の書類が考えられます。

  • 同一世帯で夫(未届)や妻(未届)の記載がある住民票のコピー
  • 事実婚(内縁)関係にある人を扶養していた事実が分かる資料
  • 事実婚(内縁)関係にあった時期に同居していた事実が分かる住民票
  • 事実婚(内縁)関係にあった時期の郵便物

国民年金第3号被保険者加入期間証明書

公務員の年金関係窓口は共済組合ですが、共済組合で自分が第3号被保険者であった正確な期間を確認するのは困難です。

そのため、共済組合に年金事務所に国民年金第3号被保険者加入期間証明書(第3号被保険者であった期間などが記載された書類)を請求し、共済組合が年金事務所に同書面を請求して発行してもらい、請求者に交付します。

そして、請求者は、国民年金第3号被保険者加入期間証明書で加入期間を確認して請求書を作成し、請求時には請求書と一緒に証明書を提出することになります。

請求から交付までの期間

年金分割のための情報通知書の請求をしてから通知書が郵送されてくるまでの期間は、約1週間です。

婚姻期間中に国家公務員や地方公務員、私立学校教員であった期間がある場合は時間がかかり、請求から約1ヶ月後に郵送されてきます。

年金分割のための情報通知書の送付先

注意したいのが、送付先です。

年金分割のための情報通知書の送付先は、夫婦(または元夫婦)が一緒に請求したか否か、請求するのが離婚前か離婚後かによって異なります。

請求時期 請求者 送付先
離婚前 夫または妻 夫または妻
夫及び妻 夫及び妻
離婚後 元夫または元妻 元夫及び元妻
元夫及び元妻

離婚後に元夫婦の一方が年金分割のための情報通知書を請求した場合、請求した元夫または元妻だけでなく、請求していない元夫または元妻にも送付されてしまうのです。

一方で、離婚前であれば、請求者にだけ情報通知書が届くため、婚姻相手に知られず年金情報を確認し、年金分割を請求するか否か検討することができます。

そのため、年金分割を請求する時期に関わらず、年金分割のための情報通知書は離婚前に請求して取得しておくことが望ましいでしょう。

窓口受取りや送付先の指定

離婚前に婚姻相手と同居を継続している段階で、婚姻相手に知られることなく年金分割のための情報通知書を取得したい場合、窓口受取りや送付先を指定する方法があります。

これらの方法を利用するには、請求時に窓口受取りまたは情報通知書の送付先を指定しておく必要があります。

年金分割のための情報通知書の記載事項

年金分割のための情報通知書には、以下の事項が記載されています。

  • 夫婦(または元夫婦)の氏名(第1号改定者と第2号改定者)
  • 夫婦(または元夫婦)の氏名
  • 夫婦(または元夫婦)の生年月日
  • 夫婦(または元夫婦)の基礎年金番号
  • 情報提供請求日
  • 婚姻期間等
  • 対象期間標準報酬総額
  • 按分割合の範囲(第2号改定者に分割される範囲)
  • 対象期間(年金分割の対象となる期間)

第1号改定者と第2号改定者

情報通知書には、第1号改定者と第2号改定者という単語が登場します。

第1号改定者とは情報通知書の対象期間標準報酬総額が多い人、第2号改定者は低い人のことです。

つまり、標準報酬総額を相手に分割するのが第1号改定者、分割を受けるのが第2号改定者です。

対象期間標準報酬総額

対象期間標準報酬総額とは、情報通知書記載の年金分割の対象期間における夫婦の標準報酬(厚生年金保険料納付記録)を、現在価値に換算した額の合計額です。

年金分割は、この対象期間標準報酬総額を改定(分割)する手続です。

按分割合の範囲

按分割合の範囲と歯、元夫婦(第1号改定者と第2号改定者)の対象期間標準報酬総額を分割した場合に、第2号改定者に分割することができる範囲(分割割合の上限と下限)です。

上限 2分の1(50%)
下限 分割前の標準報酬総額が少ない人の割合

第1号改定者が不当に多い分割を請求されないように上限が、第2号改定者がただでさえ少ない標準報酬をさらに分割されないように下限が設定されています。

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