見当識障害とは?認知症の見当識障害の症状と対応・リハビリは?

見当識障害 認知症

見当識障害は、認知症の中核症状の一つです。

しかし、見当識障害と言われても、具体的にどのような障害なのかイメージがつきにくいものです。

また、どのような症状があり、対応やリハビリをどうするのかについてもあまり知られていません。

この記事では、見当識障害の症状、見当識障害による二次症状、対応・リハビリについて解説します。

見当識障害とは

見当識とは、自分の状態や、自分が置かれている状況などを認識することです。

例えば、自分の生年月日、住所、職業、家族構成、時間、今日の年月日や曜日、季節、場所などを認識することが、見当識です。

見当識が正しく保たれていることで、私たちは社会の中で他人と円滑に意思疎通し、仕事や家事などをこなすことができています。

見当識障害とは、これらの見当識が正しく認識されない状態のことです。

失見当識とも呼ばれます。

見当識障害が起こると、他人との意思疎通がうまくいかなくなり、仕事や家事など日常生活の様々な場面で支障が生じます。

見当識障害の症状

見当識障害の主な症状は、時間の見当識障害、場所の見当識障害、人の見当識障害です。

時間の見当識障害

認知症を発症すると、まず、時間の見当識が障害されることが多く、年月日、季節、曜日、時間などの認識が乏しくなります。

「今がいつか(何年何月何日か)。」、「季節は何か。」などと質問しても答えることができず、誤ったことを答えたり、答えをはぐらかしたりします。

また、時間が分からなくて遅刻を繰り返す、季節の認識が障害されて季節外れの服を着て外出する、曜日の認識がなくゴミの回収日を間違えるなどの症状が現れます。

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場所の見当識障害

時間の見当識障害に次いで現れるのが、場所の見当識障害です。

場所の見当識が障害されると、自分のいる場所、自宅、通い慣れた場所などが分からなくなります。

今いる場所を聞かれても分からず、誤答するか答えをごまかそうとします。

また、自宅などへの行き方が分からず迷子になる、市役所を病院と勘違いするなど場所を正しく認識できなくなるなど、日常生活にも支障が出ます。

家の中でも間取りが分からなくなり、寝室とトイレを間違えたり、トイレの場所が分からずさまよって失禁したりすることがあります。

人の見当識障害

認知症の症状が進行すると、時間や場所だけでなく人の見当識も障害されます。

家族、親戚、知人、友人、主治医、看護士などを正しく認識できなくなり、家族に向かって「あなたは誰?」と尋ねたり、孫をきょうだいと勘違いしたりします。

また、鏡に映った自分を自分だと認識できないこともあります。

アルツハイマー型認知症では、人の見当識は、時間や場所の見当識に比べて長く保たれていますが、症状が進むにつれて徐々に障害されていきます。

レビー小体型認知症では、時間や場所の見当識と同じくらいの時期から人の見当識も障害されます。

見当識障害による二次症状

認知症による見当識障害は、時間、場所、人などを忘れるだけでなく、徘徊、脱水、ケガ、対人関係の悪化など様々な二次障害をもたらします。

徘徊

見当識障害による二次症状の代表的なものが、徘徊です。

場所の見当識が障害されると、「今、どこにいるか。」が認識できなくなるため、少し散歩に出ただけでも目的地に辿り着けないままさまよい歩きます。

本人は、何らかの目的を持って徘徊しているため、自宅へ戻ろうとは考えずひたすら歩き回り、行方不明になってしまうこともあります。

脱水

時間(季節)の見当識が障害されると、夏場でも服を大量に着こんだり、蒸し暑い部屋の中でエアコンもつけずに過ごしたりして、脱水症状を起こすことがあります。

一方で、冬場に短パンやTシャツで外出して風邪をひいて体調を崩してしまうこともあります。

ケガ

見当識が障害されると、ケガも増える傾向にあります。

例えば、徘徊中に転倒する、交通事故に巻き込まれる、家の中の間取りが分からなくなって階段から転倒するなどが考えられます。

対人関係の悪化

見当識が障害されると、他人と話がかみ合わなくなり、仕事や家事など生活全般に支障が出るようになります。

その結果、周囲の人から敬遠されたり、話がかみ合わずけんかになったりし、対人関係が悪化しやすいものです。

家族であっても、人の見当識が障害された本人から「あなたは誰?」などと言われるうちに、サポートする意欲をなくし、些細なことで口論になってしまうこともあります。

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見当識障害の対応・リハビリ

見当識障害への対応・リハビリの方法は、障害されている見当識によって異なります。

障害されている見当識対応・リハビリ
時間カレンダー、時計
場所散歩、持ち物に名前・住所・緊急連絡先を書く、GPS
些細な変化でも丁寧に教える、リアリティ・オリエンテーション

 

カレンダー

時間の見当識障害への対応としては、毎日目にする場所に大きなカレンダーを貼りつけておき、「今日の日付け」を毎朝確認するとともに、チェックをつけていく方法が効果的です。

また、今日の日付を年月も含めて口に出して言ってもらうと、視覚情報のみの場合より記憶に残りやすくなります。

時計

時間の見当識障害への対応には、時計も有効です。

朝食、朝の散歩、昼食、お昼寝、体操、夕食、食後のテレビ、就寝など、一日のサイクルの各場面で時計を確認し、「今は朝の10時だから散歩の時間ですね。」、「もう夜の9時だから寝る準備をしましょうか。」などと時間を意識させることで、時間の見当識障害の進行を遅らせる効果があるとされています。

なお、認知症の人は、アナログ式の時計が読みにくい傾向があるため、アナログ式とデジタル式の両方を示し、見やすい方を選んであげましょう。

散歩

見当識障害が進行すると、他人と話がかみ合わなくなり、外出すると徘徊して帰宅できなくなるなど、日常生活に大きな影響が出るようになります。

そのため、本人は自宅に引きこもりがちになり、家族も本人を外に出したくないと思うことがあります。

しかし、引きこもりの状態では脳への刺激が乏しく、認知症の症状の進行を早める可能性があるため、一緒に外出して適度な運動や気分転換をさせてあげましょう。

持ち物に名前、住所、緊急連絡先を書く

本人が一人で外出して徘徊を始めたときのために、本人の持ち物に名前、住所、緊急連絡先は書いておきましょう。

カバンなどの持ち物は必ず持って出るとは限らないので、服やズボンの裏、靴の内側などに書いておきます。

GPS

徘徊して帰宅できなくなった本人を見つけ出すために有効なのが、GPSです。

ただし、本人の人権を考慮する必要があり、慎重な対応が求められます。

些細な変化でも丁寧に伝える

認知症の人は、転居、入院、施設入所など、日常生活を送る環境が大きく変わると混乱してしまいます。

また、家具の位置を変えた、新しい家電を買ったなど些細な変化でも違和感を感じることもあります。

そのため、本人の周りの変化や置かれた状況を丁寧に説明し、今いる場所が安全であることを伝えてあげましょう。

リアリティ・オリエンテーション

リアリティ・オリエンテーションとは、認知症による見当識障害の非薬物療法(リハビリテーション療法)の一つです。

現実見当識訓練とも呼ばれます。

りありてぃは、名前、住所、生年月日、年齢、年月日、場所、人や物の名前などを繰り返し質問して本人に答えてもらい、見当識障害の進行を遅らせます。

初期の見当識障害には効果がありますが、症状が進行するにつれて実姉が難しくなっていきます。

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