戸籍届出書の記載事項証明書とは?取り方は?法務局に請求すると無料?

協議離婚無効確認調停の申立てでは「離婚届の記載事項証明書」、婚姻無効確認調停の申立てでは「婚姻届の記載事項証明書」の提出を求められます。

これらは戸籍届出書の記載事項証明書という書類で、重要な個人情報を含むため、交付請求には特別な事由が必要とされます。

戸籍届出書の記載事項証明書とは

戸籍届出書記載事項証明書とは、戸籍に関する届出の内容を証明する書面です。

届出書記載事項証明書と呼ばれたり、戸籍届出書の名称をつけて「離婚届の記載事項証明書」と呼ばれたりします。

根拠条文は、戸籍法第48条第1項です。

届出人は、届出の受理又は不受理の証明書を請求することができる。

(戸籍法第48条第1項)

交付請求できる主な戸籍届出書の記載事項証明書は、以下のとおりです。

  • 婚姻届の記載事項証明書
  • 離婚届の記載事項証明書
  • 出生届の記載事項証明書
  • 死亡届の記載事項証明書など

戸籍届出書の記載事項証明書の様式

戸籍届出書の記載事項証明書は、個別の書式があるわけではありません。

提出済みの戸籍に関する届出書のコピーの余白に、「相違ないことを証明する」旨の記載と請求先の市区町村長の印鑑が押されたものが交付されます。

例えば、離婚届の記載事項証明書の交付を請求すると、提出した離婚届のコピーに上記記載と押印がされたものが交付されることになります。

戸籍届出書の記載事項証明書の用途

婚姻や離婚関係の手続きで提出を求められるのは、以下のような場合です。

婚姻届の記載事項証明書
  • 婚姻無効確認調停
  • 婚姻無効確認訴訟
離婚届の記載事項証明書
  • 協議離婚無効確認調停
  • 協議離婚無効確認訴訟

協議離婚無効確認調停など、戸籍届出書を提出した後に届け出内容を訂正するための手続きでは、原則として、記載事項証明書の提出が必要となります。

戸籍届出書の記載事項証明書の交付請求

戸籍届出書の記載事項証明書は、高度な個人情報であるため、原則として非公開で、法律などで定められた特別の理由がある場合に限って交付請求できます。

利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。

(戸籍法第48条第2項)

請求者(交付請求ができる人)

交付請求ができるのは、特別な事由があると認められる利害関係人です。

特別な事由とは、以下のような事由です。

法令により届出書の記載事項証明書の提出が義務付けられている
  • 年金(国民、更生、共済遺族など)の請求手続き
  • 簡易生命保険(契約日が2007年9月30日以前で、死亡保険金額が100万円以上のもの)など
離婚など身分行為の無効確認の裁判で、裁判所に提出する必要がある
  • 婚姻無効確認調停・訴訟
  • 協議離婚無効確認調停・訴訟
  • 帰化申請

利害関係人とは、届出をした本人やその親族などであり、財産上の利害関係人は含まれません。

  • 届出をした本人
  • 請求する記載事項証明書に記載された人
  • 法令等に定めのある目的(遺族年金や簡易保険の受取り等)に使用する親族
  • 代理人(本人から委任を受けた人)

請求先

本籍地の市区町村役場、または、本籍地の市区町村を管轄する法務局、地方法務局の戸籍課または支局です。

戸籍の届出書は、届出をした市区町村役場で一定期間保管され、その後は本籍地の市区町村役場を管轄する法務局へ移管されます。

そのため、届出直後であれば本籍地の市区町村役場に請求することができますが、移管された後は請求先が法務局の窓口となります。

市区町村役場に保管される期間は、市区町村役場や届出の内容によって数週間~1年間程度と差があるため、請求前に電話確認しておく必要があります。

なお、戸籍の届出書は、戸籍記載後、本籍地の市区町村役場を管轄する法務局や地方法務局で27年間保存されることになっています。

必要書類

  • 戸籍届出書の記載事項証明書の請求書
  • 利害関係があることが確認できる書類(親族関係が分かる戸籍謄本など)
  • 請求者本人であることが確認できる書類(運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど)
  • 特別な事由があることを確認できる書類(事件受理証明書、遺族年金請求書、簡易保険証書など)

【代理申請の場合】

委任状

請求書や委任状は、地方法務局ウェブサイトからダウンロードできる場合があります。

特別な事由があることを確認できる書類は、請求内容によって提出を求められるものが異なりますが、婚姻または協議離婚の無効確認訴訟・調停申立ての添付資料とする場合、家庭裁判所が発行する事件受理証明書を提出するのが一般的です。

申立てが先か交付請求が先か

すでに書いたとおり、婚姻無効確認では婚姻届の記載事項証明書、協議離婚無効確認では離婚届の記載事項証明書を提出しなければなりまんが、記載事項証明書の請求時には事件受理証明書を提出しなければならず、どちらを先にするかという問題があります。

無効確認事件の申立ては記載事項証明書の取得する前から受理してもらえるため、実務上は、以下の順番で手続を行います。

  1. 無効確認事件の申立て
  2. 記載事項証明書の交付請求
  3. 記載事項証明書を追加提出

交付請求にかかる費用

請求先によって異なります。

市区町村役場 1通につき350円
法務局 無料

請求方法

窓口請求または郵送請求です。

郵送請求する場合、必要書類と返信用封筒(請求者の現住所を記載し、切手を貼り付けたもの)を封筒に入れて請求先へ送付します。

市区町村役場へ請求する場合、必要な通数分の定額小為替証書(1通につき350円)も同封する必要があります。

現金や切手で手数料を支払うことはできないため、注意してください。

協議離婚無効確認調停

戸籍届出書の記載事項証明書の提出を求められる離婚関連の手続として、協議離婚無効確認調停に触れておきます。

協議離婚無効確認調停とは、夫婦の両方または一方に離婚意思がない状態で離婚届が提出・受理されて離婚が成立した場合に、その離婚が無効であることを主張し、協議離婚の記載のある戸籍を訂正するための手続きです。

協議離婚が有効に成立するには、夫婦の離婚意思(実質的要件)と離婚届の受理(形式的要件)の両方を満たす必要があります。

しかし、市区町村役場に提出した離婚届が受理されると、夫婦の離婚意思がなくても無効な離婚が成立します。

形式的要件
実質的要件
離婚の成立 成立 成立 不成立 ―――
有効・無効 有効 無効 ――― ―――

夫婦の離婚意思がないため無効な状態ですが、戸籍には協議離婚した旨が記載され、元夫婦の一方が戸籍から出て旧姓に戻ります。

無効な離婚の状態を解消するには、市区町村役場に無効を訴えるのではなく、家庭裁判所に協議離婚無効確認調停を申し立てる必要があり、申立ての添付資料として必要になるのが離婚届の記載事項証明書です。

特殊調停事件(合意に相当する審判)

協議離婚無効確認調停は家事調停事件のうち「特殊調停事件」に分類される事件です。

特殊調停事件とは、身分関係の形成や存否確認に関する事項(離婚と離縁を除く)を取り扱う調停事件です。

特殊調停事件は、調停期日において、当事者間に問題を審判で解決する合意があることと、問題の原因となる事実に争いがないことを確認した上で、家庭裁判所が必要な事実の調査を行い、合意に相当する審判で判断を下します。

つまり、通常の調停と違って夫婦(または元夫婦)の合意のみでは成立せず、合意に基づいて審判で決定されるのです。

調停ではありますが、最終的に家庭裁判所が審判をするため、調停段階から客観的な証拠を示す必要があり、離婚届の記載事項証明書もそのための資料となります。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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