離婚を子どもに伝える時期と方法は?会えると伝える時の留意点は?

離婚を子どもに伝える

離婚を子どもに伝える場合、離婚が子どもに与える影響を理解し、適切な時期と方法を確認した上で伝えなければなりません。

離婚が子どもに与える影響

親の離婚が子どもに与える主な影響は、以下のとおりです。

生活の変化
  • 親の一方と離別
  • 離婚に伴う転居や転校
  • 生活水準の低下
見捨てられ不安 離婚に伴う親の一方との離別を見捨てられたと受け止め、さらに同居する親からも見捨てられるのではないかという不安を抱く
自己肯定感の低下 自分のルーツである親の一方に見捨てられたと感じ、「自分は価値があり、他人から大切にされる存在である」という感覚が持ちにくくなる
他人への不信感 最も身近で信頼できる存在であった父母の一方と離別し、他人を信頼できなくなる
精神不安定 親の離婚やそれに伴う環境の変化などの影響で精神の安定が崩れる
片親疎外(片親引き離し症候群)
  • 片親引き離し症候群:監護親、非監護親の悪口や誹謗中傷を繰り返して非監護親を拒否するよう洗脳し、子どもが面会交流実施を阻んでいる状態
  • 片親疎外:監護親の影響により、正当な理由なく子どもが非監護親との交流を拒否している状態
学業成績低下 親の離婚による心の傷の影響で、学業に集中できなくなる
反社会的行動、非社会的行動
  • 反社会的行動:暴力、物の破壊、落書き、万引きなど
  • 非社会的行動:引きこもり、不登校など
過熟現象 離婚などで親が落ち込む姿を見た子どもが年齢相応以上の役割を果たそうとする状態
将来への影響 未婚の母率、犯罪率、失業率、貧困率が高まるという調査結果がある
身体反応 夜泣き、発疹、発熱、嘔吐、赤ちゃん返りなど

通常は、これらの影響が複数同時に現れます。

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離婚を子どもに伝える理由

「親の離婚を知った子どもが受ける影響の深刻さを考慮すると、離婚したことを子どもに伝えるべきではない。」という意見があります。

しかし、子どもが離婚を理解できる場合は、離婚することを子どもに伝えるべきです。

子どもは、自分には何の責任もないにも関わらず、父母の一方と別々に暮らすことになる上、転居や転校を余儀なくされ、住み慣れた地域や親しい友人などから引き離されることになり、想像を絶するほどの影響を受けます。

そのため、自分たちの都合で子どもを傷つける立場として、子どもには離婚することや事情を分かりやすく伝える責任があります。

また、親がきちんと説明しないと、子どもは「自分のせいで親が離婚するのではないか。」と自分を責めたり、「肝心なことを何も話してくれない。」と親に対する不信感を強めたりすることになります。

子どもの不安や心配を取り除くためにも離婚を子どもに伝えることが大切です。

離婚を子どもに伝える時期

離婚を子どもに伝える場合、与える影響をできるだけ少なくするために、時期も慎重に検討しなければなりません。

一般的には、受験、体育祭や文化祭、定期試験シーズンなどの前は避け、環境や氏の変化による影響が少ない卒業後から入学前に離婚を伝える家庭が多いものです。

しかし、こうした時期でも子どもが悩み事を抱えていたり、体調不良で寝込んでいたりするなど心身が万全でない場合は、時期をずらすようにしてください。

また、子どもが複数いる場合は、きょうだい全員にベストなタイミングはなかなかないため、親の離婚で最も影響を受けそうな子どもが落ち着いている時期に話すようにします。

なお、児童虐待、DV、モラハラなど婚姻生活を継続すること自体が子どもに悪影響を及ぼしている場合、一刻も早く離婚を伝え、離婚に向けた行動を起こすことが大切です。

離婚を子どもに伝える方法

子どもが離婚を理解できると判断した場合は、親が離婚することを伝えてください。

夫婦が一緒に説明する

離婚を子どもに伝える場合、原則として、夫婦が一緒に説明することが大切です。

通常、離婚に対する夫婦の認識が完全に一致することはありませんし、程度の差はありますが、子どもへの説明時に自分の気持ちや感情が混じってしまうものです。

そのため、夫婦の一方のみの説明では、子どもは「もう一方の親はどう思っているのだろう。」という疑問を抱きますし、夫婦が別々に説明すると、双方の説明の違いに戸惑い「本当はどっちなんだろう。」と思ってしまいます。

そして、「もう一方の親は復縁を望んでいて、まだやり直せるのではないか。」、「親の言い分が違うが、どちらの味方をすればいいのだろうか。」などと考え、親の離婚と向き合う前の段階で疲弊してしまいます。

夫婦が一緒に説明することで、しんどいことですが子どもが親の離婚を現実として受け止めざるを得なくなり、親の離婚と向き合うスタートラインに立つことになります。

なお、DVやモラハラ等の事情で夫婦の同席が難しい場合は、まず夫婦の一方が子どもに説明し、その後、もう一方も何らかの方法で説明する機会を設けてください。

その際は、子どもの不安や心配を軽減するために、夫婦の説明が大筋で一致するよう調整することが欠かせません。

嘘やごまかしはNG

「離婚 子どもに伝える」と検索して表示されるサイトの中には、嘘をつくことを推奨するサイトがあります。

子どもの傷つきを考慮して離婚当時は「遠くへ行った」と嘘をつき、子どもが大きくなってから真実を伝えるということですが、感覚を疑います。

子どもは、親が思うよりも親の言動や態度を観察して関係性の悪さを敏感に察知しており、下手な嘘をついても簡単に見抜きます。

もし離婚時には嘘を信じ込んだとしても、離婚後の監護親との生活や非監護親との面会交流の中で嘘に気づきます。

そして、信じていた親に嘘をつかれたことで傷つき、他人への不信感を強めてしまい、親子関係がギクシャクするだけでなく、非行や問題行動などの問題行動を繰り返して発散するようになる恐れがあります。

親の勝手な都合に巻き込むのですから、一人の人間として真実を伝えてください。

離婚を子どもに説明することは、親の責任です。

たとえ自分に非がある場合でも、原則として、包み隠さず子どもに説明する必要があります。

子どもは悪くないことを言葉で伝える

子どもは、親の離婚の一番の被害者です。

しかし、年齢が低いほど親の離婚の原因が自分にあると思い込む傾向があることが分かっています。

例えば、「僕が良い子にしないから、親が離婚するんだ。何てダメな子どもなんだ。」と自己評価を低下させたり、「僕が良い子にすれば、親が復縁してくれるかもしれない。」と思って過剰に良い子を演じたりする子供は多いものです。

したがって、子どもに離婚を説明するときは、「離婚はお父さんとお母さんの問題であること」と「子どもは何も悪くないこと」を、はっきりと言葉で伝える必要があります。

「子どものせいではない。」、「お父さんとお母さんが悪い。」などとあいまいに伝えただけでは伝わらないことがあるため、子どもが悪くないと言語化することが大切です。

配偶者の悪口を言わない

通常、離婚を決意するほど関係が悪化した配偶者に対して強い不満や憤りを抱いているものです。

しかし、配偶者に対するネガティブな感情を子どもに吐き出すのは絶対に避けてください。

子どもにとっては父も母も大切な親であって自分のルーツなので、配偶者に対する不満を聴かせると自分が批判されたように感じてしまいます。

また、思春期前後になると、「自分のことを棚上げして。」などと、悪口を言った親に対して反感を抱く子どももいます。

面会交流ができることを伝える

子どもは、離婚によって親の一方と離れ離れになることを知ると見捨てられたと感じ、自分の半分を失ったような大きな喪失感を抱きます。

また、子どもの健全な成長のためには、離婚後も両親がそろって子どもに関わることが重要な意味を持つという研究結果もあります。

そのため、離婚による影響を最低限に抑え、子どもの健全な成長を促すためには、子どもと非監護親との面会交流を確保し、子どもに「離婚しても、一緒に暮らさない親とも会うことができる。」旨を伝えてあげる必要があります。

ただし、面会交流の伝え方については父母間で調整する必要があります。

子どもの希望どおりに面会交流を認める合意ができていれば「自由に会うことができる」と伝えて差し支えありませんが、面会交流の合意ができていない場合や一定の制限を設ける場合は、伝え方を慎重に検討しなければなりません。

自由に会えないのに自由に会えると伝えてしまうと、かえって子どもを傷つけることになります。

稀に、面会交流についての合意がないにも関わらず子どもに「自由に会える」と伝え、「子どもに自由に会えると伝えたから、会わさないと子どもを傷つけることになるぞ。」と監護親を脅す非監護親がいます。

しかし、面会交流は監護親の協力なしには実現しないところ、こうした方法では監護親が感情を害し、面会交流の調整を困難にしてしまうだけです。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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