離婚と心の傷!離婚する夫婦が発症しやすい心理的な病気は?

離婚 心の傷 心理的な病気

離婚は、一昔前に比べるとタブー視されなくなってきましたが、それでも、その後の人生を決める大きな選択であることは変わりません。

そのため通常は、離婚する夫婦の「心」には大きな負担がかかります。

離婚紛争が長引くほど、離婚する相手との関係がこじれるほど、大きく重いストレスが心にのしかかってきます。

性格、精神的な強さ、周囲のサポートの有無などよって個人差はありますが、離婚紛争中は、婚姻相手との離婚問題を抱えている間は感情の起伏が激しくなる、物事を悪く考えて落ち込みやすくなる、疲れやすいなどの症状が現れるものです。

そして、心に重いストレスを抱えた状態が継続し、ストレスに心が耐えきれなくなると、うつ病など心理的な病気を発症することがあります。

一方で、婚姻中に相手から受けた暴力(DV、ドメスティックハラスメント)、モラハラ(モラルハラスメント)などが原因で心理的病気を発症する人もいます。

また、離婚するまでは気持ちを強く持って頑張っていた人が、離婚して一息ついた途端に精神的に不安定になり、心理的な病気を発症するケースも珍しくありません。

離婚による心の傷は「気づきにくく、気づいても放置しやすく、治りにくい」

離婚による心の傷の特徴は、「気づきにくく、気づいても放置しやすく、治りにくい」ことです。

心の傷は気づきにくい

離婚による心の傷は、身体的な病気・ケガ・障害と異なり、外傷も発熱などの症状が見られないことが多く、外からは確認することが難しいものです。

軽度のうちは心に傷を負った本人も自覚できていないことが多く、身体の異常と比較すると気付きにくい傾向があります。

心の傷は放置しやすい

「あれ、私、もしかして気持ちが落ち込んでいるかな。」、「離婚のことで参っているな。」などと心の傷を自覚しても、身体の異常のようにすぐ動けなくなったり、強い痛みを感じたりしません。

そのため、「大したことはないだろう。」、「放っておけばそのうち治るだろう。」などと考えて心の傷に目を向けず、放置してしまいがちです。

離婚紛争中の夫婦の場合、離婚問題を抱えながら家事育児や仕事をこなさなければならないため、「子育ても仕事もあるのに、落ち込んでいる暇なんてない。」という理由で心の傷と向き合えない人もいます。

心の傷は治りにくい

身体的な病気・ケガ・障害の場合、軽症であれば放っておいても治りますし、治療が必要な場合でも「原因」を取り除くことで症状が改善することが多いものです。

しかし、心の傷は、軽度で自然消滅するものもありますが、多くの場合、放置することで傷が大きくなり、重症化してしまいます。

そして、重症化するほど治療が難しくなり、回復までにかかる時間も長くなる上、慢性化して社会生活を送ることが難しくなることもあります。

心の傷の治療が難しいのは、原因がはっきり見えないためです。

離婚による心の傷という大まかな原因は分かっていても、それが婚姻相手の言動によるものなのか、離婚にためらいがあるからなのか、離婚後の生活に不安があるためなのかなどが分かりにくく、本人がはっきり自覚していないことも珍しくありません。

そのため、まずは心の傷を特定し、それを本人が自覚して向き合うところから始めなければなりません。

離婚による心の傷を癒す方法

離婚による心の傷を癒すには、休むこと、一人で抱え込まず周囲に相談すること、必要に応じて専門家の治療を受けることが大切です。

休むこと

心の傷を癒す一番の方法は、とにかく休むことです。

例えば、土日に実家へ帰ってゴロゴロする、休暇を取得して一日中寝て過ごす、仕事終わりに好きな映画を観に行く、疲れない範囲で運動をするなど、心と身体を休ませてあげましょう。

「身体を休ませる意味はあるのか。」と思うかもしれませんが、身体と心は連動しているため、身体を休ませてあげると心もリラックスすることができるのです。

一人で抱え込まないこと

離婚問題に直面すると、「どうして離婚の話し合いがうまくいかないんだろう。」、「離婚後の生活にかかる費用をどうしよう。」、「片親になって子どもが学校でいじめられたらどうしよう。」などと一人で悩みがちです。

悩むことは大切なことですが、一人で悩んだまま答えを出すことができず、ストレスを溜め込んだ状態が継続すると、心理的な病気を発症するリスクが高くなります。

そのため、離婚に関する問題を一人で抱え込まず、家族や周囲の信頼できる人に相談することが大切です。

相談したからといって必ず悩みの答えが得られるとは限りませんが、相談することで自分の気持ちや考えを整理することができます。

また、話すことはそれ自体が気持ちを落ち着けることができる効果があるため、相談と言いつつ愚痴を聞いてもらうだけでも構いません。

身近に相談できる相手がいない場合、自治体などが実施している生活相談などを利用することもできます。

心療内科や精神科の受診を検討する

心の傷は早期発見と早期治療が大切です。

周囲の人に話をしても気持ちが落ち着かず、日に日に気持ちの落ち込みが激しくなるなどして日常生活に支障が出てしまう場合は、心療内科や精神科を受診することも検討してください。

心療内科や精神科にネガティブなイメージを抱いているかもしれませんが、心の傷を癒すためのサポートをしてくれる場所の一つであることは間違いありません。

心の傷は放置すると重症化し、治療することが困難になります。

心の傷を自覚し、自力で解決することが難しいと思った段階で心療内科や精神科を受診すれば、早期に回復して離婚問題やその後の生活に前向きに対応できるようになるはずです。

心の傷が深いときは離婚を急がない

婚姻相手の言動など離婚問題でストレスが溜まってくると、「離婚してしまえば楽になるはずだから、早く離婚しよう。」と考える人が一定数います。

特に、心に深い傷を負い、精神的に不安定になって物事を冷静に判断することが難しい状態で、安易に離婚してしまいがちです。

しかし、精神が不安定な状態でした離婚は、離婚後に後悔したり、離婚後に紛争の火種を残したりすることが多いものです。

例えば、「離婚を優先し、親権者を相手にした。」、「不貞されたのに、慰謝料を請求しない約束をした。」、「財産分与をしないまま離婚した。」などのケースが頻発しています。

心の傷が深く、離婚について冷静に判断することが難しいときは、離婚を急ぐよりもまず心の傷を癒すことを優先してください。

離婚問題を抱える夫婦が発症しやすい心理的な病気

離婚問題を抱える夫婦が発症しやすい心理的な病気は、以下のとおりです。

病名 特徴
うつ病 気分の落ち込み、喜びや興味関心が減衰するなどの症状が継続し、日常生活に支障をきたす状態
統合失調症 幻覚、妄想、まとまりのない会話などの症状を特徴とする、脳など神経系が障害される慢性疾患
パニック障害 パニック発作、予期不安、広場恐怖の症状を特徴とする病気
心的外傷後ストレス障害(PTSD) 命が脅かされる出来事に強い精神的ショックを受けたことで、不安、不眠、原因刺激の回避や追体験などの症状が現れる病気

いずれの病気も、重症化すると社会生活を送ることが困難になるリスクが高いものです。

また、心理的な病気と診断されなくても、うつ症状や婚姻相手からの暴力やモラハラの記憶などに悩まされる人は少なくありません。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

この著者の最新の記事

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る