国民年金の免除:特例免除申請書の書き方を記入例を示して解説

失業や退職をした場合、失業等による特例免除によって国民年金保険料の免除を受けることができます。

特例免除の申請には、通常の免除申請でも使用する「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を使いますが、記入する項目や添付書類が異なるので、注意が必要です。

この記事では、「失業等による特例免除」を申請する場合の国民年金保険料免除・納付猶予申請書の書き方について、記入例を示しながら解説します。

国民年金保険料免除・納付猶予申請書の書き方と記入例

国民年金保険料免除・納付猶予申請書の様式は、以下のとおりです。

国民年金保険料免除納付猶予申請書 様式

出典:日本年金機構

年金事務所または市区町村役場の国民年金担当窓口で交付してもらうか、日本年金機構のウェブサイトでダウンロードして入手します。

以下、①申請者欄②基本情報欄③申請内容欄に分けて解説していきます。

①申請者欄

国民年金保険料免除納付猶予申請書 申請者欄

最初は、①申請者欄です。

申請年月日

市区町村役場の窓口で申請する場合、申請する年月日を記入します。

一方で、郵送で直接年金事務所に申請する場合は、郵送する日の年月日を記入することになります。

申請書が年金事務所に届く予定の日を記入すると、誤記扱いになってしまうので注意してください。

住所

住民票に表示されている住所を省略せずに記入します。

住民票上の住所と実際に住んでいる住所が異なる場合でも、住民票上の住所を書くようにしてください。

氏名

失業等による特例免除を申請する人の氏名を記入します。

②基本情報欄

国民年金保険料免除納付猶予申請書 基本情報欄

②基本情報欄には、個人番号、被保険者・配偶者・世帯主の氏名・生年月日、電話番号などを記入します。

①個人番号(または基礎年金番号)

10桁の基礎年金番号を記入します。

基礎年金番号は、以下の書類などで確認することができます。

  • 青色の年金手帳
  • 基礎年金番号通知書
  • 国民年金保険料の納付書・領収書
  • 年金証書など

オレンジ色や茶色の年金手帳には基礎年金番号が記載されていないので、注意してください。

また、基礎年金番号の代わりにマイナンバー(個人番号)を記入することもできます。

マイナンバーは、以下の書類などで確認することができます。

  • マイナンバー個人番号カード
  • マイナンバー通知カード
  • マイナンバーが表示された住民票など

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マイナンバーがわからない!すぐ知りたい時の個人番号確認方法5つ

②電話番号

自宅またはスマホ・携帯電話の電話番号を記入します。

申請に不備不足があった場合、担当職員から電話連絡があるので、日中に連絡がつく電話番号を記入しておきましょう。

③被保険者氏名

申請者本人の氏名を記入します。

④被保険者生年月日

申請者の生年月日を記入します。

和暦については、昭和または平成を〇で囲みます。

⑤配偶者氏名

申請者が結婚している場合、配偶者の氏名を記入します。

独身の場合は空欄にしておきます。

⑥配偶者生年月日

配偶者氏名と同じく、結婚していれば配偶者の生年月日を記入しますが、独身なら空欄にしておきます。

⑦世帯主氏名

申請者本人以外が世帯主の場合のみ、世帯主の氏名を記入します。

申請者=世帯主の場合は、空欄にしておきます。

⑧特記事項

申請者、配偶者、世帯主の住所が、特例免除を申請する年の1月1日時点の住所と申請時の住所が異なる場合、1月1日時点で住民登録していた(住民票があった)住所を記入します。

失業等による特例免除の審査は、前年所得に基づいて行われるので、1月1日時点で申請先の市区町村とは異なる地域に居住していた場合、旧住所の情報が必要になるのです。

また、失業等による特例免除の審査では、申請者の所得は0円として審査する一方で、世帯主と配偶者の所得が考慮されるので、世帯主と配偶者の旧住所も記入しなければなりません

③申請内容欄

国民年金保険料免除納付猶予申請書 申請内容欄

③申請内容欄には、免除等区分、申請期間、税申告の有無、前年所得、特例認定区分、継続希望区分などを記入します。

⑨免除等区分

失業等による特例免除には、4種類の免除区分と納付猶予の区分があり、希望する区分を記入するのが「免除等区分」欄です。

しかし、免除の区分は世帯所得などによって決まり、申請者の希望が審査に影響を及ぼすことはないので、基本的には記入する必要はありません。

⑩申請期間

申請を希望する年度を記入します。

平成または令和に〇をつけ、希望する年度を数字で記入してください。

失業等による特例免除は、失業や退職をした年だけでなく、その前後の年度の保険料を免除することもできます。

詳しくは関連記事で解説しているので、関心がある人は読んでみてください。

関連記事

国民年金の失業等による特例免除:手続きの申請方法と受給額への影響

⑪税申告の有無

申請年度に住民税の申告や確定申告をしている場合は「有」、していない場合は「無」に〇をつけます。

被保険者(申請者)、配偶者、世帯主ごとに当てはまる方に〇をつけてください。

税申告の有無が分からない場合は、不明に〇をつけることになりますが、確認を求められることがあります。

なお、無職で収入がない場合でも、住民税の申告はしておく必要があります。

無職の人が住民税の申告をするメリットと方法については、関連記事で詳しく解説しています。

関連記事

住民税の申告:無職で収入がない人の申告書の書き方を記入例付きで解説

⑫前年所得

申請者、配偶者、世帯主の前年1年間(1月1日から12月31日まで)の所得について、「1.なし」、「2.あり(57万円以下)」、「3.あり(57万円超)」の3つのうち当てはまる番号に〇をつけます。

例えば、令和元年度の特例免除を申請する場合、「平成30年(1月1日から12月31日まで)の所得」が前年所得です。

前年所得の確認方法は、会社員と自営業者で異なります。

仕事前年所得の確認方法
会社員源泉徴収票の給与所得控除後の金額
自営業確定申告書の所得金額合計の金額

【会社員:源泉徴収票の給与所得控除後の金額】

源泉徴収票 給与所得控除後の金額

【自営業者:所得金額 合計】

確定申告書
「3.あり(57万円超)」に〇をつけた場合、右側の「16歳以上19歳未満の扶養親族(あり・なし)」にも〇をつけます。

扶養親族と表記されていますが、16歳以上19歳未満の子供を扶養している場合のみ「あり」に〇をつけることになります。

⑬特例認定区分

被保険者、配偶者、世帯主のうち、失業した人について「1.失業」に〇をつけます。

その右側の失業年月日(失業した日)には、「平成」または「令和」に〇をつけ、年月日を和暦で記入します。

失業年月日は、離職した当日ではなく「離職した日の翌日」です。

例えば、令和元年7月31日に退職(失業)した場合、離職した日は8月1日となります。

退職した日を記入するケースが非常に多いので、注意してください。

また、失業前に雇用保険に加入していた場合は、失業年月日の右側の「雇用保険加入あり・なし」欄の「あり」に〇をつけ、未加入の場合は「なし」に〇をつけます。

雇用保険加入「あり」に〇をつけた場合、雇用保険受給資格者証のコピーまたは離職票のコピーの添付が必要です。

⑭継続希望

空欄のままにしてきます。

失業等による特例免除は、毎年度ごとに申請する必要があるので、継続希望の有無に関わらず毎年申請しなければならないからです。

⑮備考

原則として、空欄のままにしておきます。

例外的に、年度の一定期間のみ特例免除を希望する場合、希望期間を記入することがあります。

具体的な書き方は市区町村によって異なるので、空欄のまま窓口へ提出し、事情を説明して書き方を教えてもらいましょう。

失業等による特例免除の申請に必要な書類

失業等による特例免除の申請に必要なのは、以下の書類です。

  • 申請書:市区町村の窓口または日本年金機構のウェブサイトで入手
  • 年金手帳またはマイナンバーカード:基礎年金番号または個人番号が必要
  • 雇用保険受給資格者証のコピー、または、雇用保険被保険者離職票等のコピー
  • 印鑑:認印

【雇用保険未加入の場合】

離職証明書:離職した勤務先で発行してもらう

失業等による特例免除の申請期間

離職した日の翌日(退職日)を含む月の前月から、退職した年の翌々年の6月までです。

例えば、令和元年6月1日に退職した場合、令和元年5月分から令和3年6月分までが申請期間となります。

ただし、失業等による特例免除の年度は7月から翌年6月までなので、年度ごとに申請する必要があります。

過去分の保険料も免除してもらえる

過去分の保険料については、2年1ヶ月分まで遡って申請することができます。

退職・失業した年申請期間
平成30年(1~12月)令和2年6月まで
平成29年(1~12月)令和元年6月まで
平成28年(1~12月)平成30年6月まで
平成27年(1~12月)平成29年6月まで
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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
また、マイナンバー、国民年金、税金、養子縁組、青年後見など、日常生活の中で利用する制度や手続きを分かりやすく解説する記事も掲載しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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