離婚に伴う国民年金の切り替え手続き(扶養から外れた場合)

国民年金
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離婚後はたくさんの手続きをしなければなりませんが、忘れてはならない手続きの一つが国民年金です。

国民年金の切り替え手続きが必要なケース

離婚後に国民年金の手続きが必要になるのは、以下の条件を満たす場合です。

  • 婚姻中に配偶者の扶養に入り、第3号被保険者であった
  • 離婚後に扶養から外れ、他の社会保険に加入しない

婚姻中に配偶者の扶養に入っていた人のうち第3号被保険者です。

国民年金の加入者は、職業などによって3種類に分類されています。

第1号被保険者 自営業者、学生、無職の人など
第2号被保険者 社会保険に加入して厚生年金を納付している会社員や公務員など
第3号被保険者 第2号被保険者の扶養家族である配偶者

婚姻中に配偶者の扶養に入っていても、第1号被保険者かつ離婚後に転職しない場合は、離婚後に国民年金の手続きをする必要はありません。

婚姻中も離婚後も第1号被保険者のままだからです。

しかし、婚姻中に配偶者の扶養に入っていて第3号被保険者であった場合、離婚に伴って扶養から外れることになります。

扶養から外れてすぐに就職し、勤務先の社会保険に加入すれば問題はありませんが、扶養から外れた後も国民年金に加入し続ける場合は第1号被保険者になるため、第3号被保険者から第1号被保険者への切り替えが必要になります。

婚姻→配偶者の扶養に入る(第3号被保険者)→離婚に伴い扶養から外れる(第3号被保険者→第1号被保険者)→国民年金の切り替え

離婚後に国民年金を切り替える手続き

離婚後に国民年金を切り替える方法について解説していきます。

手続きの名称

「国民年金被保険者の種別変更の手続き(第3号被保険者から第1号被保険者へ)」ですが、市区町村役場によって名称が異なりこともあります。

担当窓口で「配偶者の扶養から外れたので、種別変更の手続きがしたい。」と言えば、受付てもらうことができます。

手続きをする場所

住んでいる地域の年金事務所または市区町村役場です。

市区町村役場で手続する場合、国民年金担当課(名称は市区町村によって異なる)が窓口となります。

離婚後に経済的に困窮して国民年金保険料の免除を申請する場合は、市区町村役場で種別変更と免除申請の手続きを同時にすることができます。

また、国民年金の被保険者の種別変更には、戸籍に関する情報(離婚年月日など)や所得に関する情報が必要になりますが、市区町村役場は戸籍や所得の情報を持っているため、年金事務所よりも円滑に手続きを済ませやすいでしょう。

国民年金保険料の免除については、関連記事で詳しく解説しています。

離婚後の所得が低く、国民年金保険料の支払いが難しい場合は、読んでみてください。

関連記事

母子家庭は年金保険料が免除?要件と全額免除の可否、追納の方法は?

必要書類

国民年金の切り替えに必要なのは、以下の書類などです。

  • 国民年金被保険者関係届書
  • 資格喪失証明書
  • 年金手帳
  • 本人確認書類
  • 印鑑(認印)

国民年金被保険者関係届出書(申出書)

国民年金の切り替えを届け出るために必要な書面です。

年金事務所または市区町村役場の担当窓口で交付してもらえますし、日本年金機構のウェブサイト(以下のリンク)でもダウンロードすることができます。

PDF形式なので、プリントアウトして必要事項を書き込み、押印してください。

プリントアウトする用紙はA4です。

他のサイズでプリントアウトすると受理されないことがあるため、注意してください。

資格喪失証明書

資格喪失証明書とは、退職したり扶養から外れたりした人が国民健康保険に加入するときに、「社会保険の資格を喪失した日」または「被扶養者でなくなった日」を証明するために必要な書類です。

婚姻中に配偶者の健康保険に被扶養者として加入していた場合、配偶者の勤務先から発行してもらう必要がありますが、原則として、配偶者に頼んで勤務先に依頼してもらわなければなりません。

しかし実務上、「元配偶者が資格喪失証明書を送付してくれなくて困っている」というケースは少なくありません。

そのため、離婚前から「扶養を外した後は資格喪失証明書を郵送してほしい」と配偶者に伝えておくか、夫婦の離婚協議や離婚調停で「離婚後は資格喪失証明書を郵送すること」を取り決めておくことが大切です。

実際に資格喪失証明書を受け取ることができない事態に陥った場合、以下の方法を試してください。

  • 中立の立場の第三者から、元配偶者に連絡して送付するよう頼んでもらう
  • 元配偶者に「渡さないなら勤務先に送付を求める」と言う
  • 元配偶者の勤務先に送付するよう頼む
  • 市区町村役場の国民健康保険課窓口に相談する

年金手帳

年金手帳は、基礎年金番号を確認するために必要です。

年金手帳が見つけらない場合は、マイナンバーでも代用可能です。

マイナンバーを証明する資料としては、マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード、あるいはマイナンバー記載の住民票と本人確認書類があります。

本人確認書類

手続きをするときは、窓口で以下のような顔写真付きの本人確認書類を提示する必要があります。

  • 運転免許証
  • 住民基本台帳カード
  • パスポート
  • マイナンバーカードなど
  • 身体障碍者手帳
  • 療育手帳
  • 精神障害者手帳
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書など

顔写真付きの本人確認書類がない場合、健康保険証、年金手帳、介護保険証、預貯金口座通帳、生活保護受給証明証、社員証、学生証などの本人確認書類を2点以上提示しなければなりません。

印鑑(認印)

国民年金被保険者関係届書の記載に不備不足があった場合の訂正用に認印を持っていきましょう。

国民年金の切り替え手続きの流れ

国民年金の切り替え手続きは、原則として、以下の流れで進みます。

  1. 離婚届を提出する(協議離婚の場合)
  2. 元配偶者の扶養から外れる
  3. 元配偶者から資格喪失証明書を受け取る
  4. 国民年金の切り替え手続き
  5. 第3号被保険者から第1号被保険者へ切り替えられる

1.離婚届を提出する

協議離婚の場合、離婚届が市区町村役場で受理されることで離婚が成立します。

しかし、その他の方法で離婚した場合、離婚の成立時期が異なるため、注意が必要です。

離婚の方法 離婚成立
協議離婚 離婚届受理時
調停離婚 調停成立時
審判離婚 審判確定時
裁判離婚 判決離婚 判決確定時
認諾離婚 請求の認諾時
和解離婚 和解成立時

協議離婚以外の場合も離婚届を提出しますが、提出前に離婚が成立しており、離婚届の提出は戸籍を変動させるための報告的届出に過ぎません。

離婚成立日については、関連記事で詳しく説明しています。

関連記事

離婚成立日は協議離婚・裁判離婚・裁判離婚(判決、和解、認諾)で違う

元配偶者の扶養から外れる

離婚が成立すると、元配偶者の扶養から外れます。

なお、離婚前でも配偶者が勤務先の社会保険担当部署で扶養を外す手続きをすれば、扶養から外れることになります。

したがって、扶養を外す時期は必ず離婚後とは限らず、離婚前になることもあります。

元配偶者から資格喪失証明書を受け取る

元配偶者の扶養から外れる手続きが完了すると、同人の勤務先から資格喪失証明書が送付されてきます。

送付されない場合については、上に記載した4つの方法を試してみてください。

国民年金の切り替え手続き

必要書類を揃えて市区町村役場の国民年金担当課または年金事務所に持参します。

第3号被保険者から第1号被保険者へ切り替えられる

切り替えが完了すると、第1号被保険者として月々の国民年金保険料を支払うことになります。

手続きの期限

手続きの期限は、「扶養から外れた日」または「離婚した日(離婚成立日)」のいずれか早い方の日から14日以内です。

実務上、「離婚した日から14日」と覚えている人が多いですが、離婚前に扶養から外れた場合は「扶養から外れた日から14日以内」です。

郵送による届け出

国民年金の切り替え手続きは、郵送による届け出が認められています。

郵送先 住んでいる地域の年金事務所または日本年金機構事務センター
必要書類
  • 国民年金被保険者関係届書(申出書)
  • 資格喪失証明書
  • 年金手帳のコピー(マイナンバーカードのコピーで代用可能)
  • 本人確認書類のコピー(運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど)

手続きを進めるには年金基礎番号またはマイナンバーが分かれば良いので、マイナンバーカードのコピーでも問題ありません。

郵送による届け出の注意点

届出書の記載に不備があったり、提出書類に不足があったりした場合、送付した書類が返送され、訂正した上で再び送り返さなければなりません。

そのため、切り替え手続きに余計な日数・手間・費用がかかってしまいます。

代理人による届け出

国民年金の切り替えは、本人以外の親族が代理で届出することも認められています。

代理できる人
  • 世帯主
  • 住民票で本人と同一世帯であることが証明できる人
届出先 住んでいる地域の年金事務所または市区町村役場
必要書類
  • 国民年金被保険者関係届書
  • 資格喪失証明書
  • 年金手帳
  • 代理人の本人確認書類
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本人確認書類については、本人が届出する場合と同じく、顔写真付きのものは1点、顔写真付きのものがない場合は2点を提示しなければなりません。

 

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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