離婚後の子供の戸籍と姓!子どもの戸籍と氏を母親と同じにする方法

離婚後の子供の戸籍と姓

婚姻時に相手の戸籍に入って姓(氏)を改めた父または母は、離婚すると婚姻中の戸籍から出て、姓も原則として旧姓(婚姻前の氏)に戻ります。

しかし、父母が離婚しても子どもの戸籍に変動はありません。

そのため、離婚時に婚姻中の戸籍から出て旧姓に戻った人が子どもの親権者になった場合、子どもと同居して監護養育しているにも関わらず、子どもと戸籍が別になり、婚氏続称の届出をしなければ姓も子どもと異なることになります。

子どもと親権者(同居親)の戸籍と姓を同じにするには、家庭裁判所の「子の氏の変更許可」の審判を経て、市区町村役場に「入籍届」を提出する必要があります。

離婚後に子どもの戸籍と姓を同居親と同じにする手順

離婚後に子どもを同居親と同じ戸籍に入れ、姓を同じにするには、以下の手順を踏む必要があります。

  1. 離婚が確定するのを待つ
  2. 父母の離婚が記載された戸籍謄本(全部事項証明書)を取得する
  3. 家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の審判を申し立てる
  4. 市区町村役場に「入籍届」を提出する

離婚が確定するのを待つ

離婚の方法には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4種類があり、さらに裁判離婚は認諾離婚、和解離婚、判決離婚の3つに分類されます。

協議離婚は、離婚届を提出する方法による離婚です。

調停離婚は、家庭裁判所の調停で離婚する方法で、調停で夫婦が合意した内容に基づいて審判する場合、審判離婚となります。

裁判離婚は、原告の請求を被告が全面的に認めることで離婚となる認諾離婚、和解して離婚となる和解離婚、判決により離婚となる判決離婚があります。

離婚方法によって、離婚が確定する時期が異なります。

離婚の種類 確定時期
協議離婚 市区町村役場で離婚届が受理された時点
調停離婚 調停が成立した時点
審判離婚 審判が確定した時点

(審判結果告知日の翌日から2週間)

裁判離婚 和解離婚 和解内容が証書に記載された時点
認諾離婚 認諾内容が調書に記載された時点
判決離婚 判決が確定した時点

協議離婚以外の方法で離婚した場合、市区町村役場に離婚届と離婚を証明する資料(調停調書、判決書など)を提出する必要があります。

市区町村役場で届出が受理されるには、離婚が確定している必要があり、どのような事情があっても確定前に受理されることはありません。

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父母の離婚が記載された戸籍謄本(全部事項証明書)を取得する

離婚確定後に市区町村役場へ離婚届を提出して受理された後は、戸籍謄本を取得します。

次のステップである「子の氏の変更許可」の審判の申立てに必要な戸籍謄本は、以下のとおりです。

  • 子どもの戸籍謄本:1通(父母の離婚や親権者の記載があるもの)
  • 子どもを入籍させる予定の戸籍謄本:1通(離婚の記載があるもの)

なお、本籍地から離れた地域で居住していて、子どもの入籍届を本籍地以外の市区町村役場に提出する予定がある場合、戸籍謄本は2通取得しておきます。

1通は「子の氏の変更許可」の審判の申立てで家庭裁判所に提出し、もう1通は「入籍届」で市区町村役場に提出する必要があるためです。

2回に分けて取得することもできますが、時間と手間と費用が余分にかかってしまいます。

離婚届提出後すぐには取得できない

離婚届が受理された後、離婚したことが戸籍謄本に反映されるには1週間~10日程度かかります。

特に、本籍地以外の市区町村役場に離婚届を提出した場合、提出先から本籍地に連絡する手間がかかるため、本籍地に提出した場合よりも日数がかかる傾向があります。

また、本籍地以外から戸籍謄本を取り寄せる場合、郵送で請求する必要があるため、請求書を郵送して返送されるまでの日数も余分にかかります。

「子の氏の変更許可の審判」を申し立てるのに期限はありませんが、手続を急ぎたい場合は、本籍地の市区町村役場へ離婚届を提出し、同役場で戸籍謄本を取得してください。

家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の審判を申し立てる

子の姓(氏)を変更するには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の審判を申し立て、子の姓を変更することを認めてもらう必要があります。

「子の氏の辺境許可」の審判は、子どもが15歳以上であれば子ども本人が申立て、15歳未満であれば親権者や未成年後見人が本人を代理して、子どもの住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。

ただし、子どもが15歳以上であっても、基本的には親権者などが手続を手伝うことが多いでしょう。

姓の変更を希望する子どもが複数いて、それぞれ住所が異なる場合、子どもの1人の住所地を管轄する家庭裁判所にまとめて申し立てることができます。

申立書と必要書類・費用を提出して受理されると、家庭裁判所が審理して変更の許否を判断します。

子が親と同じ氏を称することは、民法第791条で認められた権利であり、子どもが親権者の父または母と同居または同居予定であれば、許可されることが多くなっています。

審理期間は10日程度で、審判結果は申立人宛に審判書謄本が郵送される方法により告知されます。

標準的な審理期間10日間と郵送にかかる日数を考慮すると、申立てが受理されてからおおむね2週間で審判結果が届きます。

ただし、申立書の不備や必要書類の不足などがある場合、訂正や追完をした時期によって結果が届く時期が変わります。

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子どもを引き取った非親権者が子の姓の変更を希望する場合

「子の氏の変更許可」の審判を申し立てることができるのは、子ども本人、または、親権者など子どもの法定代理人です。

子どもを引き取って監護養育していたとしても、非親権者は申し立てることはできないのです。

非親権者が子の姓の変更を希望するには、以下の方法があります。

  • 親権者に「子の氏の変更許可」の審判の申立てを依頼する
  • 子どもが15歳以上になるのを待ち、子ども自身に申し立てさせる
  • 調停や審判で子どもの親権者になった上で審判を申し立てる

なお、調停や審判で子どもの親権者を変更するには、変更することが子の利益(子どもの福祉)に資する必要があり、家庭裁判所が父や母、子ども、その親族などの調査をした上で判断します。

数ヶ月単位の時間と関係者の労力がかかる手続であり、調査の結果、変更が認められないことも少なくありません。

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市区町村役場に「入籍届」を提出する

「子の氏の変更許可」の審判が許可された場合、告知された日の翌日から2週間で審判が確定します。

審判確定後、市区町村役場で子どもを親権者(同居者)の戸籍に入籍させるための「入籍届」を行います。

子どもが15歳未満であれば子どもの親権者や未成年後見人などの法定代理人、15歳以上であれば子ども本人が届け出ます。

届出を行うのは、子どもの本籍地または届出人の所在地(住所地または一時滞在地)の市区町村役場です。

子どもの本籍地に届け出る場合、市区町村役場に備え置かれた入籍届に必要事項を記載し、審判書の謄本、子どもが入籍予定の戸籍の謄本、認印、身分証明書を持参して届出します。

子どもの本籍地以外に届け出る場合、上記に加えて子どもの戸籍謄本を提出する必要があります。

なお、審判書を作成せず、申立書の余白に申立てを許可する旨の主文を記載して押印する運用をする家庭裁判所もありますが、入籍届を行う場合は審判書の謄本と同じものとして取り扱われています。

複数の子どもを入籍させる場合、子ども一人につき1枚の入籍届を行わなければなりません。

入籍届が受理されると、1週間~10日程度で親権者(同居者)の戸籍に子どもが入籍し、子どもの姓も変更されます。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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