離婚は後悔する?後悔の内容は男女や子供の有無で違う?

離婚 後悔

離婚するまでは、「離婚すれば苦しい気持ちやストレスから解放されて明るい未来が待っているはず。」と考えている人が多いものです。

離婚が成立すると、婚姻によって生じた夫婦間の権利や義務が消滅し、相手の借金や不貞(浮気)、暴言や暴力、嫁姑関係など夫婦関係から生じるストレスから解放されます。

一方で、家事育児と仕事の両立に疲弊したり、安定した収入が得られる仕事に就けず経済的に困窮したりして、離婚を後悔するケースは後を絶ちません。

また、「離婚したいと思っていたはずなのに、離婚後は心に穴が空いたような空虚な気持ちになった。」など気持ちが追いつかなくなったり、離婚に伴う子どもや周囲の変化に悩まされたりする人もいます。

個人差はあるものの、何らかのかたちで離婚を後悔するシングルマザーやシングルファザーは多いのが現状です。

そのため、離婚したいと思ったら、離婚後のメリットばかりイメージするのではなく、離婚によってどのような後悔をする可能性があるのかも具体的にイメージし、対応を考えておくことが大切です。

離婚を後悔する理由

離婚経験者が離婚後に後悔したことについて、具体的に見ていきましょう。

離婚を後悔する理由:経済的に困窮した

離婚後の後悔で最も多いのが、経済的な困窮です。

離婚後は、原則として自分の力で生活費を稼いで生活しなければなりません。

養育費や実家の援助、児童扶養手当などの公的支援が得られるとしても、それだけで生活することは困難ですし、中断されるおそれもあるため、安定した収入を得る手段を確保しておくことは何より大切です。

しかし、婚姻中に専業主婦(主夫)やパート・アルバイト勤務をしていた期間が長く、就職に役立つ資格や経験も有していない場合、離婚後に安定した収入が得られる仕事に就くことは難しいものです。

特に、子育て中の場合は勤務時間や勤務内容の制限もあるため、さらにハードルが上がります。

また、協議離婚では養育費を取り決めず離婚してしまう男女が多く、離婚調停や離婚裁判で養育費を取り決めても50%以上が支払われなくなるなど、養育費不払いの問題も経済的困窮に拍車をかけます。

離婚後の男女の経済格差

離婚後に経済的困窮に陥りやすいのは、圧倒的に女性です。

厚生労働省が公表している「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」では、離婚後の母と父の平均収入が掲載されています。

父母の別 2015年の平均収入
自身の収入

(就労収入)

世帯の収入
243万円

(200万円)

348万円
420万円

(398万円)

573万円

参考:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告|厚生労働省

  • 平均収入:就労収入、生活保護費、児童扶養手当(母子手当)などの社会保障給付金、養育費、実家の経済的支援、家賃や地代などを合計した収入
  • 自身の収入:父または母自身が得た収入
  • 就労収入:自身の収入のうち、就労によって得た収入
  • 世帯の収入:同居家族がいる場合における世帯全員の収入

女性が困窮しやすい原因としては、正規雇用者全体の平均収入に男女格差があること、世帯主としての自覚が乏しく「お金を稼ぐことよりも子どもとの時間を優先する傾向」があること、男性に比べて実家を頼る割合が低いことが挙げられます。

離婚を後悔する理由:離婚後の子どもの変化

親の離婚の一番の被害者は子どもであり、離婚によって一番傷つくのも子どもです。

離婚紛争に強制的に巻き込まれた上に父母の一方と離れて暮らすことを余儀なくされ、場合によっては転居や転校もして住み慣れた環境からも引き離されます。

子どもには何の責任もないにも関わらず、愛情を持って守り育ててくれるはずの親から、想像を絶するストレスを与えられてしまうのです。

しかも、子どもの傷をケアするべき父母は、離婚後の生活を軌道に乗せるために精一杯になっていることが多く、子どもに目を向ける余裕がありません。

そのため、抱えきれないストレスに押しつぶされて精神的に不安定になったり、新しい環境に馴染めず不適応を起こしたりするなど、子どもの心身に様々な影響が現れてしまいます。

親の離婚が子どもに与える主な影響は、以下のとおりです。

  • 見捨てられ不安(非監護親に見捨てられたと感じ、監護親にも見捨てられる不安を感じる)
  • 自己肯定感の低下
  • 他人への不信感が強まる
  • 精神的トラブルを抱えやすくなる
  • 片親引き離し症候群(片親疎外)
  • 学業成績の低下
  • 反社会的行動(非行など)や非社会的行動(引きこもりなど)
  • 過熟現象(離婚で落ち込んだ親の代わりに無理をして頑張り、疲弊する)
  • 将来への影響(成人後の社会的地位が低くなる、未婚の母になる確率、失業率や貧困率、実刑判決を受ける確率が高くなるなど)

こうした離婚前には想像もしていなかった子どもの変貌ぶりに困惑し、子どもへの申し訳なさとともに離婚への後悔の念を抱く親が多いものです。

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離婚を後悔する理由:離婚したこと自体

通常、悩み抜き、考え抜いて離婚を決意しているはずです。

しかし、どれだけ悩んだり考えたりして離婚したとしても、離婚後、離婚したこと自体に後悔することがあります。

例えば、離婚して気持ちが落ち着いた後にふと、「その場の感情に流され過ぎたかもしれない。」、「もう少し冷静になっていれば、離婚以外の選択肢もあったかもしれない。」などと後悔の念が湧いてくることがあるのです。

「離婚しなければ良かった。」、「関係を修復したい。」とまで考える人も一定数います。

特に、離婚後の生活がいつまでも軌道に乗らず、婚姻中よりもストレスが多い状況に陥っていると、離婚したことを後悔しやすい傾向があります。

離婚を後悔する理由:周囲の偏見や好奇の目にさらされた

日本では3組に1組の夫婦が離婚しており、もはや離婚は社会のタブーではなくなっています。

しかし、離婚に対する世間の偏見は根強く残っていますし、「他人の不幸は蜜の味」と言います。

通常、夫婦が離婚を選択する背景には、不貞、DVやモラハラ、借金など夫婦関係を継続することが困難な事情がありますが、周囲の人からは離婚した事実しか見えません。

そのため、「浮気をされた(した)んじゃないか。」、「我慢が足りない。」などと偏見に基づいて心無い発言をしたり、好奇の目を向けたりする人が多いものです。

周囲の偏見や好奇の目は、たとえ事実と異なっていたとしても心に刺さりますし、精神的に不安定になってしまうこともあります。

そして、「こんなに生きづらい状況に立たされるのであれば、離婚なんてしなければ良かった。」と後悔することになります。

離婚を後悔する理由:精神的に追い詰められた

婚姻相手の暴言や暴力、不倫、婚姻相手が家庭を顧みない、嫁姑関係の悪化などが積み重なって精神的に不安定になり、「離婚すれば今の辛さから解放される。」と考えて離婚を選択する人は少なくありません。

しかし、離婚によって婚姻相手やその家族によるストレスから解放されても、経済的困窮、子どもの変化、周囲の偏見などによるストレスを抱えることになり、婚姻中よりも精神的に追い詰められてしまうことがあります。

離婚まではストレスに耐えて気丈に振る舞っていた人が、離婚後に不安定になることも珍しくありません。

離婚後に気が抜けた、離婚前後の生活の変化に適応できなくなった、憎しみすら抱いていた相手でも別れると孤独感に襲われた、周囲の好奇の目や偏見に耐えられなくなったなど、事情は一人ひとり違いますが、離婚後は心のバランスを崩してしまいやすいのです。

離婚前であれば、周囲の人が声をかけて助けてくれることもありますが、離婚後の心身の変化は周囲から気づいてもらいにくいものです。

また、離婚した人自身も、「離婚して新しい生活を始めたのだから頑張らないといけない。」という気持ちがあり、自分の不調に気づきにくく、気づいても頑張ってしまい、より一層追い詰められてしまいがちです。

離婚を後悔しやすい理由は男女や子どもの有無で異なる?

離婚を後悔する理由について一般的な理由を見てきましたが、性別や子どもの有無によって後悔しやすい内容が異なります。

男性が離婚を後悔しやすい理由

男性が離婚を後悔しやすいのは、離婚後に家事育児と仕事を両立することの大変さに直面した場面です。

特に、婚姻中に家事育児を元妻に任せきりで仕事中心の生活を送っていた場合、家事育児にかかる時間や手間の多さに衝撃を受けやすいものです。

そして、帰宅すれば部屋に明かりがついており、温かい夕食が準備され、室内が綺麗に整理整頓が行き届き、子どもたちが楽しそうに遊んでいた婚姻中の家庭を思い出し、元妻の頑張りに気づいて離婚を後悔します。

しかし、離婚後に後悔しても後の祭りで、家事育児と仕事の両立を早々に諦めて実家に頼ったり、開き直って家事育児を放置したりしがちです。

離婚前には、「離婚したら独身時代の勝手気ままな生活に戻れる。」と感じている男性がいますが、家庭を持った後で独身生活に戻ると「自由時間は増えたが、家族がいなくて寂しく、むなしい。」と感じやすいものです。

女性が離婚を後悔しやすい理由

女性が離婚を後悔しやすいのは、経済的な困窮です。

「離婚を後悔する理由:経済的に困窮した」の項目で書きましたが、離婚後に経済的に困窮しやすいのは男性よりも女性です。

離婚後の男女の平均収入の差を見ても、その傾向は明らかです。

日本では、女性の社会進出が進んだとはいえ、未だ女性が専業主婦になったり、共働きでも女性が仕事を制限して家事育児を担ったりする家庭が多いのが現状です。

また、離婚後に子どもを引き取る割合も女性が圧倒的に多くなっています。

そのため、離婚後に安定した収入を得る仕事に就きにくく、仕事に就けても育児のために勤務を制限せざるを得ないことが多いものです。

離婚前は「それなりの仕事が見つかれば、公的支援を受けながら何とかやっていけるだろう。」と楽観視しがちですが、いざ離婚して家計を担う立場になると、想像以上に日々の生活費がかかり、経済的に困窮してしまうケースが少なくありません。

そして、「元夫との関係が多少悪くても、我慢していれば良かった。」などと離婚を後悔することがあります。

子どもがいる場合に離婚を後悔しやすい理由

子どもがいる場合に離婚を後悔しやすい理由は、監護親と非監護親で異なります。

監護親が離婚を後悔しやすいのは、「離婚を後悔する理由:離婚後の子どもの変化」の項目で書いた子どもの変化への対応に疲弊した場合です。

婚姻中であれば、子どもの問題を夫婦で話し合いながら協力して解決することができますが、離婚後は元夫または元妻に頼りにくく、子どもの問題を一人で抱え込んでしまう傾向があります。

一方で、非監護親が離婚を後悔しやすいのは、子どもとの面会交流が円滑に行うことができない場合です。

近年、離れて暮らす親子の面会交流の重要性が指摘されるようになってきましたが、離婚後に継続して面会交流が実施できている親子は決して多くありません。

「夫婦は破たんしても、親子関係は良好に保ちたい。」と思っていても、面会交流の調整は元夫婦間で行わなければならず、調整がうまくいかずに面会交流が中断してしまうケースが多いのが現実です。

また、監護親が子どもを洗脳し、子どもが面会交流を拒否するようになってしまう片親引き離し症候群・片親疎外の問題も注目されるようになっています。

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子どもがいない場合に離婚を後悔する理由

「子なしだったから、ためらいなく離婚できた。」という意見はよく聞きますが、一方で、「子どもがいれば、離婚を思いとどまったかもしれない。」という後悔を口にする人もいます。

「子は鎹(かすがい)」というように、夫婦間に子どもがいれば離婚を抑止する要因になってくれたかもしれないと後悔することがあるのです。

離婚を後悔しないために

離婚による後悔を最小限に抑えるためには、離婚前の準備と離婚後の対応が大切になります。

離婚を後悔しないための離婚前の準備

まず、離婚前にできる準備について確認していきます。

離婚後の生活の準備をしておく

離婚後の後悔を少なくするには、離婚前から離婚後の生活の準備をしておくことが重要です。

離婚後の経済的困窮を避けるため、離婚後の生活の収支をできるだけ具体的に計算しておきましょう。

ポイントは、中断するおそれがある実家の支援と養育費を収入に含めないことと、市区町村役場で離婚後に利用できる公的支援制度を確認して手続の準備を進めておくことです。

また、最低限、離婚後の仕事と住まいの目途を立てておかないと、離婚後すぐ路頭に迷うおそれがあります。

仕事は内定を得ておき、住まいは契約まで済ませておく、また、離婚から半年程度は生活できる預貯金を確保しておくのが理想的です。

離婚後の生活をイメージしておく

離婚後の生活の準備と同時に、離婚後の生活を具体的にイメージしておくことも大切です。

どこでどのように生活するのか、周囲の偏見や好奇の目に耐えられるか、親の離婚で傷ついた子どもをどのようにケアできるかなど、離婚後の生活について具体的にイメージし、うまくいかなそうなことがある場合は対応を考えておきましょう。

金銭関係の取り決めをしておく

離婚時には、子どもの養育費、夫婦の財産分与、DVや浮気などの慰謝料、年金分割など、金銭関係の取り決めをしておくことが大切です。

離婚前は、「早く離婚したい。」という気持ちが強く、金銭関係の取り決めをしないまま離婚してしまう夫婦が少なくありません。

協議離婚という安易な離婚を助長する制度を設けている法律上の問題も看過できませんが、離婚したい人自身も、離婚後の生活を見越して、金銭関係の取り決めを十分に行っておくことを意識する必要がります。

なお、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割は、離婚後も請求できますし、元夫婦間で話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所の調停や審判を利用して取り決めることもできます。

しかし、離婚して他人になった元夫婦が金銭関係の協議をするのは現実問題として困難ですし、家庭裁判所の手続きを利用する場合は期限があります。

したがって、できる限り離婚前に取り決めておきましょう。

金銭関係の離婚条件 期限(家庭裁判所に請求できる期限)
養育費 子どもが自立するまで
財産分与 離婚のときから2年以内
慰謝料 離婚の日から3年以内
年金分割 離婚した日の翌日から2年以内

離婚について子どもに説明する

親の離婚による子どもの傷つきを最小限に抑えるためには、離婚することを子どもに説明し、子どもの気持ちを聴いてあげることが大切です。

父母が離婚すること、誰が親権者になるか、離婚後に住む場所、転校の有無など父母が考えていることを子どもの年齢や発達に応じた言葉で伝えてください。

その上で、子どもの意見を聴き、住む場所や学校などできる限り子どもの意見を尊重することを忘れないでください。

また、離婚しても子どものことを大切に思っていることや、離れて暮らす親と会うことができることを伝えて子どもを安心させてあげましょう。

子どもに説明するときのポイントは、以下のとおりです。

  • 夫婦そろって説明する
  • 嘘やごまかしを言わない
  • 子どもは悪くない(親の離婚に責任を感じる必要は全くない)ことを伝える
  • 離婚する相手の悪口を言わない
  • 離れて暮らす親とも会えることを伝える

離婚を後悔しないための離婚後の対応

離婚後は、離婚後の生活にストレスを感じたら一人で抱え込まず、すぐ周囲に相談して吐き出すことが大切です。

周囲の偏見や好奇の目は簡単にはなくなりませんし、親の離婚を経験した子どもには少なからず変化が生じます。

どれだけ準備をしても経済的に苦しくなることはありますし、婚姻中は嫌悪感を抱いていた相手でもいないと寂しさを感じることもあるでしょう。

これらの離婚後の変化は、離婚した人にストレスとして重くのしかかり、見えにくいですが確実に心と身体の健康を阻害します。

「気にしなければ良い。」という人もいますが、自分一人で開き直って笑い飛ばせる問題ではなく、離婚を後悔することにもつながります。

そのため、家族でも友人・知人でも周囲の信頼できる人に相談し、一人で抱え込まないことが大切なのです。

相談しても目の前の問題が解決するわけではありませんが、気持ちは少し楽になり、幾分かでも冷静さも取り戻すことができます。

心療内科や精神科の受診も検討する

何をしても気持ちの落ち込みが改善しない、家事育児や仕事が手につかないなど日常生活に支障が出てしまう場合、早めに心療内科や精神科を受診することを検討してください。

心療内科や精神科に抵抗がある場合、まずはかかりつけの病院に相談してもかまいません。

離婚を原因とする心の傷は、早期発見と早期治療を徹底することで改善しますが、放置してこじらせるほど治療が難しくなり、回復までに相当な時間と労力がかかります。

なお、市販の頭痛薬や睡眠薬で済ませようとする人もいますが、危険です。

市販の薬は、症状を一時的に緩和できるだけで心の傷を癒すことはできませんし、受診したときに医師が誤った診断をする要因にもなりかねません。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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