面会交流調停の流れと回数・期間は?欠席すると不成立で審判移行?

離れて暮らす親子の面会交流は、まずは父母の協議で回数、頻度、時間、場所、子どもの送迎などを取り決めるべきです。

しかし、父母の紛争性が高く協議できない、協議しても合意に至らない場合には、家庭裁判所の調停や審判で面会交流を取り決めることができます。

ただし、面会交流実現のためには、父母が面会交流に納得して協力しあうことが欠かせないため、通常、調停を経ずに審判の申立てがなされても、家庭裁判所が職権で調停手続に付します。

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面会交流調停の申立て

別居後または離婚後の面会交流について父母の協議では合意できない場合、家庭裁判所に面会交流調停の申立てを行い、家庭裁判所の調停室で、調停委員会を交えて取り決めることができます。

申立権者

父または母です。

面会交流調停は、父母の離婚前でも離婚後でも申し立てることができます。

離婚前に面会交流を求める場合、夫婦関係調整(離婚)調停で離婚条件の一つとして主張する方法と、面会交流調停を申し立てる方法があります。

夫婦関係調整(離婚)調停は、面会交流だけでなく、離婚や離婚条件についても取り決めることができます。

ただし、原則、離婚または別居と離婚・別居条件について夫婦の合意がないと調停を成立させることができません。

一方で、面会交流調停は、離婚や離婚条件について取り決めることはできませんが、面会交流の合意ができれば調停を成立させることができ、また、調停不成立の場合は自動的に審判移行します。

つまり、調停が不成立で終了しても、家庭裁判所が面会交流の可否や方法などを判断する審判手続きに移るのです。

したがって、離婚よりもまず面会交流を取り決めたい場合は面会交流調停を申し立てることになります。

なお、夫婦関係調整(離婚)調停と面会交流調停を同時に申し立てることも可能です。

申立先(管轄の家庭裁判所)

相手方の住所地の家庭裁判所または父母が合意で定める家庭裁判所です。

家事調停の管轄は、家事事件手続法第245条第1項に規定されています。

家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。

(家事事件手続法第245条第1項)

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所以外で調停を行うことに父母が合意した場合、父母が合意した家庭裁判所で調停を行うことができます(合意管轄)。

夫婦が管轄に合意したことは、申立て時に管轄合意書を提出することで家庭裁判所に知らせます。

申立ての必要書類

面会交流調停の申立ての必要書類は、以下のとおりです。

  • 申立書:原本1通とコピー2通(裁判所用1通、相手方送付用1通、申立人用1通)
  • 申立事情説明書:原本1通
  • 連絡先等の届出書:1通
  • 進行に関する照会回答書:1通
  • 面会交流を請求する子どもの戸籍謄本(全部事項証明書):1通

戸籍謄本以外の書類は、家庭裁判所の窓口で交付してもらうか、裁判所ウェブサイトからダウンロードします。

調停開始後、調停委員会から追加で資料提出を求められることがあります。

申立てにかかる費用

面会交流調停の申立てにかかる費用は、以下のとおりです。

  • 収入印紙:子ども1人につき1200円分
  • 郵便切手:各家庭裁判所による

子ども1人につき1件の申立てを行う必要があり、それぞれ収入印紙1200円分がかかります。

郵便切手の額は各家庭裁判所で決められており、事前確認が必要です。

申立ての窓口

面会交流調停の申立て窓口は、家庭裁判所の家事部または家事係です。

家庭裁判所によって名称が異なるため、総合受付で確認した上で窓口へ行きます。

父または母が、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または合意管轄の家庭裁判所に必要書類と費用を持参する方法により、申立てを行います。

窓口では、担当者による書面審査や費用の確認が行われ、不備や不足がなければ申立てが受理されます。

申立て後の流れ

面会交流調停の申立てが受理されると、家庭裁判所が調停委員会のメンバー(担当裁判官1人、調停委員2人)を決め、調停の初回期日を指定します。

申立てが受理されてから2週間くらいで、申立人と相手方に調停期日通知書が郵送されてきます。

なお、家事事件手続法施行後は、相手方に対しては、調停期日通知書の他に申立書などのコピーや進行に関する照会回答書が送付されるようになっています。

申立人は、申立て時に申立書などを提出することにより、主張や申立ての事情を家庭裁判所に伝えることができ、調停までに準備を整えることもできます。

一方の相手方は、調停期日通知書が届いて初めて調停が申し立てられたことを知ることが多く、申立人の主張や申立ての事情が分からないまま初回の調停期日に臨むことになってしまいます。

こうした当事者双方の不公平さを解消するために、相手方に申立ての内容を知らせて意見を述べる機会を与える目的で、調停期日通知書と一緒に申立書のコピーや進行に関する照会回答書が郵送されています。

調停期日の変更

指定された調停期日では都合が悪い場合、担当の裁判所書記官に電話連絡して期日の変更を申し出ます。

必ず希望の日に変更してもらえるわけではありませんが、候補日を複数挙げておけば、その中で調整してもらうことができます。

面会交流調停の流れ、回数、期間

面会交流調停では、調停委員が申立人と相手方の主張を交互に聴き取って、それを相手に伝えてさらに意見を聴くかたちで進行します。

通常、調停を申し立てた申立人がまず調停室に入室し、主張や事情を説明します。

その後、申立人と入れ替わりで相手方が調停室に入室し、主張や事情を説明します。

調停委員は、申立人と相手方から聞き取った話を相手に伝え、それに対する意見を聴き取って再び相手に返します。

これを繰り返す中で主張のすり合わせを行ったり、調停案を示したりしながら、父母の合意を目指すのが調停です。

したがって、原則、申立人と相手方は同じ期日に同じ家庭裁判所に出頭しなければなりません。

出頭時間を30分ずらす、待合室を分ける、待合室から調停室までの動線を工夫するなど、当事者双方が鉢合わせないよう配慮はされていますが、なお不安があるときは、担当の裁判所書記官に連絡して具体的な事情を伝えておきましょう。

調停を行う家庭裁判所のマンパワーにもよりますが、職員による警備、待合室から調停室までの同行など、安全面に配慮してもらえる可能性があります。

ただし、父が母に暴力を振るうおそれが高い、母が父の顔を見ると過呼吸を起こすなど調停の進行に影響を及ぼす特別な事情がない限り、別の期日が指定されることはありません。

面会交流調停の流れは、以下のとおりです。

調停の初回期日に出頭

調停期日通知書記載の日時に家庭裁判所へ出頭し、窓口で受付を済ませて、案内に従って待合室で待機します。

当事者双方の待合室は別々に設けられていますが、同じ階の端と端に設置されていることもあり、トイレ、階段、エレベーターなどで鉢合わせるおそれがあります。

自分と相手の待合室と調停室の場所を確認し、調停委員に呼ばれるまではできるだけ待合室で待機するようにしましょう。

調停委員から調停の説明を受ける

調停開始時刻になると、調停委員が待合室に呼びに来るので、後について調停室に入室します。

面会交流調停の初回期日には、調停委員から以下の内容について説明を受けます。

  • 家事調停は、裁判官1人と調停委員2人(男女各1人)で構成される調停委員会が運営すること
  • 調停は非公開で行われること
  • 調停委員、裁判官、調停手続に関わる裁判所の職員には守秘義務が課せられていること
  • 調停は、申立人と相手方が交互に調停室に入室して主張や事情を口頭で説明し、それを調停委員が相手に伝える方法により進行すること
  • 面会交流の性質
  • 子どもの福祉(子の利益)を最優先すること
  • 面会交流調停は申立人と相手方の話し合いの場であり、調停委員会が判断することはなく、お互いの合意により解決する必要があること
  • 面会交流の調停には家庭裁判所調査官が同席し、必要に応じて子どもの調査を行うことがあること
  • 面会交流について調停で合意した内容は法的な効力を持つこと
  • 合意できないときは調停不成立で終了し、審判移行すること

冒頭説明は、調停委員が申立人と相手方を交代で調停室へ呼んで行います。

当事者双方を調停室に同席させて説明を行う家庭裁判所もあるので、事前に確認し、同席を避けたいときはその旨を伝えておきましょう。

面会交流の調停は調停委員2人が進行し、裁判官が調停に同席するのは調停の話し合いが難航したときや調停の終了時など限られた場面だけです。

一方で、家庭裁判所調査官が調停に同席し、子どもの生活や心身の状態について聞いてきたり、調停の進行によって調査を打診してきたりすることがあります。

調停委員に主張や事情を説明する(面会交流調停で聞かれること)

面会交流調停の初回期日では、まず、申立人が、面会交流を求める動機や事情を調停委員に説明します。

説明が終わると調停室を退室して待合室に戻ります。

その後、相手方が調停室に入室して、面会交流を求められたことに対して主張や事情の説明を行います。

調停委員に説明を求められる主な内容は、以下のとおりです。

  • 調停申立ての動機・経緯(調停を申し立てられたことに対する意見や主張、申立人の主張に対する反論)
  • 現在の生活状況(子どもの監護状況、子どもの状況、従前の面会交流の実績など)
  • 同居時の親子関係
  • 別居や離婚の経緯と状況(子どもへの影響)
  • 面会交流についての子どもの希望や意向
  • 希望する面会交流の方法
  • 面会交流の障害となること

面会交流は、離れて暮らす親子が交流することであり、子どもの生活状況や心身の状態、離れて暮らす親に対する気持ち、これまでの面会交流状況などは詳細に聞かれます。

当事者双方の説明が1回ずつ終わると、その後は30分を目安に交互に調停室へ入室し、調停委員から相手の主張を聞いて反論することを繰り返します。

1回の調停は午前または午後の2~3時間と決まっているため、申立人と相手方が各2~3回ずつ調停委員と話すと終了時間となります。

次回調停期日の指定

1回の調停期日で父母が合意に至らない場合、次回の調停期日が約1ヶ月後に指定されます。

次回期日指定に合わせて、初回期日の到達点と、次回期日までの課題の確認が行われます。

また、調停の話し合いの中で子どもの心情・意向や子どもの状態、子どもが離れて暮らす親と楽しく面会交流できるか否かなどが争点となったときは、期日間に家庭裁判所調査官が子どもの調査を行う方針となることがあり、その場合、調査についての説明が行われます。

家庭裁判所調査官による調査

面会交流調停で行われる調査は、面会交流に対する子どもの心情・意向、試行的面会交流、親子交流場面の観察などです。

  • 面会交流に対する子どもの心情・意向:家庭裁判所調査官が、子どもと面接して面会交流に対する心情・意向を確認する
  • 試行的面会交流:家庭裁判所のプレイルームで離れて暮らす親子が面会交流を行う
  • 親子交流場面の観察:家庭裁判所のプレイルームで離れて暮らす親子が面会交流を行い、その場面を観察して面会交流の方法を検討する材料を集める

その他、子どもの状況や監護状況などが調査されることもあります。

調査の対象や内容はケースによって異なっています。

家庭裁判所調査官の調査結果は、報告書にまとめられて当事者双方が閲覧謄写できるようになっており、また、調査後の調停期日でも説明されます。

家庭裁判所調査官による調査が行われた場合、調査結果を踏まえて調停が進行されることになります。

例えば、調査時に子どもが面会交流を希望した場合、子どもの気持ちを尊重して面会交流を実施する方向で調停が進められます。

調停の終了まで期日が繰り返される

第2回期日以降の調停期日の主な流れは、以下のとおりです。

  • 前回期日の到達点を確認する
  • 期日間の事情・主張の変更の有無とその内容を確認する
  • 調査結果の報告(調査が実施された場合)
  • 調停進行(父と母が調停委員に主張を説明する、調停委員が収入に関する資料を算定表に当てはめて調停案を示すなど)
  • 次回期日の指定(期日の到達点や次回期日までの課題の確認)

面会交流調停は、父母の合意により調停が成立する、申立人が申立てを取り下げる、調停が不成立となるまで繰り返されます。

面会交流調停の回数と期間

面会交流調停の回数や期間は、父母の合意ができる時期によって大きく異なります。

申立ての段階で概ね夫婦の合意ができていれば、第1回期日で細かい条件面を調整して調停成立となることもあります。

申立てから第1回期日までの期間が1ヶ月程度なので、1ヶ月程度で終了するということです。

一方で、面会交流を実施するか否かで父母が真っ向から対立しているケースでは、6ヶ月~1年程度の期間を要することも珍しくありません。

例えば、夫婦の主張整理に2期日、家庭裁判所調査官の調査、調査後に1期日、試行的面会交流(家庭裁判所のプレイルームなどで親子の交流を試しにやってみる手続き)の調整と実施、試行後に1期日、調停成立に1期日という流れで調停が進行した場合、調停期日の回数が5回、期間は約7~8ヶ月程度はかかります。

近年の面会交流調停は父母が激しく対立しているケースが多いため、期日を重ねて調査まで行ったとしても、最終的に不成立で終了し、裁判官が面会交流を判断するというケースも少なくありません。

面会交流調停に欠席した場合

面会交流調停では、調停期日への出頭を強制する手段がありません。

相手方が調停期日を無断で欠席した場合、申立人のみから主張や事情を聴取した上で次回期日が指定されます。

次回期日も欠席の可能性が高いときは、家庭裁判所調査官が出頭勧告(相手方に調停期日への出頭を促す手続き)を行うこともありますが、出頭を促すだけで強制力はありません。

出頭勧告を経ても相手方が欠席を続け、調停手続の継続が難しいと調停委員会が判断すると、調停は不成立で終了して自動的に審判へ移行します。

欠席する連絡が相手方からあった場合、調停期日まで日があれば期日が変更され、調停期日が迫っていれば期日を維持して申立人だけから主張や事情を聴取し、当事者双方が出頭できる日に第2回期日が指定されます。

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面会交流調停が不成立になると審判移行

面会交流調停は別表第2事件です。

別表第2事件とは、家事事件手続法別表第2に掲示された事件で、当事者間に対立や紛争があり、まずは当事者の話し合いによる解決が望ましいものの、解決が困難なときは放置せず家庭裁判所が判断すべき事件です。

事件の性質上、当事者の協議で問題解決を目指す「調停」と、家庭裁判所が判断を下す「審判」の両方を利用することができ、調停が不成立になると自動的に審判に移行します。

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面会交流調停が不成立になった場合

面会交流調停が不成立で終了した場合、自動的に面会交流審判の手続きに移行します。

面会交流審判では、裁判官が父母から面会交流について主張や事情を聴取するとともに、家庭裁判所調査官に必要な子どもの調査を命じ、家庭裁判所調査官が、裁判官から命じられた調査を実施して、調査結果を報告書にまとめて報告します。

家庭裁判所は、父母の主張や提出資料、家庭裁判所調査官の調査結果などを精査し、面会交流の方法について判断を示します。

審判結果に不服がある場合(即時抗告)

審判結果に不服がある場合、不服申立て(即時抗告)を行うことができます。

即時抗告をすると、高等裁判所が面会交流について再審理し、即時抗告を却下、家庭裁判所に差し戻す、自ら判断を示すなどします。

審判が確定した場合

審判結果が当事者双方に告知された日から2週間が経過すると、審判が確定します。

審判確定後は、その内容に基づいて面会交流の履行を促す履行勧告、履行を命令する履行命令、履行を強制する強制執行の手続きが利用できるようになります。

ただし、面会交流については、婚姻費用分担や養育費などの金銭と異なり、離れて暮らす親子が交流するというものであるため、強制執行(直接強制)には馴染まないとされています。

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家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
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サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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