面会交流拒否の理由は?子供が拒否する・嫌がる場合や再婚は制限事由?

父母が別居や離婚したとしても、子供にとっては父も母も親です。

両親との交流を継続して両親から大切にされる経験をすることは、子供の健全な成長に不可欠だと考えられています。

家庭裁判所も、面会交流が子どもの成長に欠かせないものであるというスタンスで、原則、面会交流を実施する方向で調停や審判が行われています。

しかし、子どもの福祉を害する恐れがある場合には、面会交流の拒否・制限が認められることがあります。

面会交流の拒否・制限理由(禁止制限事由)

家庭裁判所の調停や審判で面会交流を取り決める場合、面会交流の禁止制限事由があると認められるときは、面会交流を拒否・制限することができます。

非監護親が子どもを連れ去るおそれがある

非監護親が、面会交流中に子どもを連れ去るおそれがある場合、面会交流の禁止制限事由となることがあります。

例えば、過去に子どもを連れ去ったことがある、子どもの連れ去りをにおわせる電話やメールを監護親にしているなどの場合、子どもの連れ去りのおそれがあるとして面会交流が制限され、その危険性が高いときには面会交流の拒否が認められます。

ただし、子どもの連れ去りのおそれを理由として面会交流の拒否が認められるのはごく稀です。

通常は、家庭裁判所で面会交流の試行を行う、弁護士などの第三者を介在させて当事者同士で面会交流を行う、FPICなど面会交流を支援する団体を利用するなどして、問題があれば当面の面会交流を控え、問題がなければ面会交流の方法を取り決めるという流れです。

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非監護親が子どもを虐待していた

非監護親による子どもの虐待は、面会交流の禁止制限事由であり、面会交流を拒否する理由になります。

児童虐待には身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト(育児放棄)の4つがあり、いずれも面会交流の拒否理由となり得ます。

ただし、監護親が、非監護親による子どもの虐待を主張するだけでは足りず、虐待を示す証拠を提出する必要があります。

例えば、医師の診断書、虐待で児童相談所に係属したことを示す資料、シェルター利用歴などを提出し、虐待を主張しなければなりません。

また、虐待の資料が提出できたとしても、家庭裁判所調査官による子どもの調査の結果、子どもが非監護親による虐待を否定して面会交流を求めた場合、子どもの年齢や能力などを考慮して面会交流が認められることがあります。

一方で、虐待を示す資料が提出されなくても、子どもの調査の結果、虐待の事実が明らかになった場合には面会交流を拒否する理由となります。

非監護親が監護親に暴力を振るっていた

子どもに対する虐待だけでなく、非監護親から監護親に対する暴力も面会交流の禁止制限事由であり、面会交流を拒否する理由となります。

特に、非監護親が監護親に暴力を振るう場面を子どもが目撃していた場合、子どもが大きな衝撃と傷つきを抱えている可能性が高く、面会交流を拒否する理由として重視される傾向があります。

ただし、虐待の場合と同様、監護親が、医師の診断書、暴力場面の録音録画、保護命令に関する書面、警察などへの相談記録などを提出する方法によって非監護親の暴力を証明しなくてはなりません。

また、家庭裁判所調査官による調査結果などを踏まえ、暴力が子どもに与えた影響を慎重に考慮しつつ、家庭裁判所で試行的面会交流を実施する、第三者立ち会いの下で面会交流を実施する、面会交流支援機関を活用するなどの方法が検討されることもあります。

子どもが面会交流を拒否する、嫌がる場合

監護親が、子どもの拒否を理由に面会交流を拒否したり、嫌がったりすることがあります。

しかし、父母の離婚紛争に巻き込まれた子どもは複雑な思いを抱えているもので、監護親に話した内容が子どもの真意だと判断することはできません。

子どもの年齢・性格・能力、置かれた状況、過去の親子関係、監護親の影響などによって「子どもの拒否」が持つ意味合いが違ってきますし、監護親が嘘をついていたり、子どもが面会交流を拒否せざるを得ない状況を作っていたりすることもあります。

子どもの心情や意向が争点となった場合、家庭裁判所調査官が子どもと面接し、その心情や意向を調査することになりますが、その方法については慎重に検討されることになります。

通常、子どもの調査は子どもとの面接によって行われます。

しかし、子どもの年齢が低い、年齢に比べて言語能力などが低い、監護親の影響を強く受けている可能性が高いなどの場合、子どもの学校や幼稚園・保育所なども調査対象となり、そこから得られた情報と子どもの面接結果を総合して子どもの真意が探られることもあります。

また、離れて暮らす親子を実際に会わせてみて、子どもの反応や非監護親の接し方を確認することも大切になります。

特に、監護親が「子どもが面会交流を拒否しているので、子どもの気持ちを聞いてほしい。」と要求した場合、子どもが監護親に言い含められている可能性が高いものです。

こうした状況で調査が行われても、子どもの気持ちが調停や審判に活かされないだけでなく、監護親の面会拒否の主張を強化するだけになるおそれがあるため、調査するか否かを含めて慎重な判断がなされます。

子どもの気持ちが最大限尊重される場合

子どもの年齢が一定以上であれば、面会交流を拒否する意向を示したとしても、それを尊重して調停や審判の手続きが進みます。

具体的には、15歳以上の子どもについては、自分が置かれた状況を冷静に判断して意向を述べられると考えられており、その以降は最大限尊重されます。

また、15歳未満であっても、子どもの話や周辺情報を総合し、面会交流の拒否が子どもの真意であると認められる場合には、子どもの気持ちに沿った進行がなされます。

子どもの気持ちだけでは判断が難しい場合

乳幼児期から小学校中学年くらいまでの子どもは、子どもの面接だけではその真意が分かりづらいものです。

監護親の言うことを真に受けている、監護親を気遣っている、非監護親を悪者にして心の安定を図っている、まがいなりにも落ち着いた生活を守ろうとしているなど、子どもは様々な理由で面会交流を拒否します。

そのため、言葉で表現された面会交流の拒否を鵜呑みにして面会交流を実施しないことにすると、かえって子どもの福祉を害する結果となることが少なくありません。

したがって、父母や関係機関の調査結果や、実際に面会交流を実施したときの子どもの反応などを考慮し、面会交流を取り決めなくてはなりません。

監護親が再婚(再婚相手と子どもの養子縁組)した場合

監護親が再婚したとしても、非監護親と子どもの親子関係はなくなりません。

監護親の再婚相手が子どもと養子縁組した場合、子どもの扶養義務は第一次的に再婚相手に移りますが、非監護親と子どもの親子関係がなくなるわけではなく、面会交流を求めることができます。

監護親が再婚しても、再婚相手と子どもが養子縁組しても、子どもの健全な成長のために面会交流の継続が望ましいことに変わりはありません。

したがって、監護親の再婚が面会交流の禁止制限事由になることはなく、基本的には面会交流を実施する方向で調停や審判の手続きが進みます。

監護親が「再婚相手をパパと呼ばせたいから、非監護親とは会わせたくない。」、「新しい家庭に馴染ませるために、非監護親との関係を断ちたい。」などと主張しても、原則、認められません。

ただし、子どもが監護親やその再婚相手と新しい家庭を築き、そこに馴染んでいかなくてはならないという現実には目を向けるべきです。

子どもがステップファミリーの一員として暮らさざるを得ない中で、どのような面会交流を続けることが子どもの福祉に資するかについては、父母が慎重に考えてあげる必要があります。

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養育費の未払いと面会交流

「非監護親から養育費をもらっていないので、面会交流に応じない。」と主張する監護親がいます。

しかし、養育費の支払は親の扶養義務に基づくもので、面会交流とは直接関係するものではありません。

したがって、養育費が未払であったとしても、面会交流については子どもの福祉に資するか否かという視点から、調停の中で協議され、審判で判断される必要があります。

なお、養育費の未払いについては、別途、婚姻費用分担調停(離婚前)や養育費調停(離婚後)の申立てを行って請求すれば、面会交流と同時に協議することができます。

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家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
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