離婚調停申立ての必要書類と費用!戸籍、収入印紙、切手等の入手方法!

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離婚調停を申し立てるには、家庭裁判所が作成している申立書やそれに附属する書類に加え、必要書類と費用を準備しなければなりません。

離婚調停申立ての必要書類と費用一覧

まず、離婚調停の申立てに必要な書類と費用を一覧形式を示しておきます。

必要書類
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 年金分割のための情報通知書(年金分割を主張する場合)
  • 住民票(または戸籍附票)
  • 収入を証明する資料(源泉徴収票や所得証明書など、婚姻費用分担や養育費を主張する場合)
費用
  • 収入印紙:1200円分
  • 郵便切手:各家庭裁判所による
  • 資料収集にかかる費用

裁判所ウェブサイトでは、標準的な申立添付書類として戸籍謄本と年金分割のための情報通知書、費用として収入印紙と郵便切手が記載されています。

しかし、実際に離婚調停を申し立てる場合、住民票や収入を証明する書類の添付を求められますし、それらを入手するための費用もかかります。

以下、離婚調停申立て時に提出を求められる必要書類と費用について、一つひとつ解説します。

戸籍謄本

戸籍謄本とは、戸籍(日本国民の身分関係を公にする公文書)の原本の全部を転写したものです。

離婚調停の申立てでは、夫婦の戸籍謄本を提出する必要があります。

日本の戸籍は、夫婦と未婚の子どもを1つの単位として作成されるため、離婚前の夫婦と子どもについては1つの戸籍を取得すれば足ります。

戸籍謄本と戸籍抄本

戸籍謄本と混同しやすい書類に戸籍抄本があります。

戸籍抄本とは、戸籍の原本のうち、請求者が指定した部分だけを転写したものです。

戸籍を証明書として使用する場合に、同じ戸籍に入っている全員の記載が必要ない場合、戸籍原本の全部が転写された戸籍謄本ではなく、指定した部分だけが転写された戸籍抄本の交付を請求することができます。

離婚調停の必要書類は「戸籍謄本」で、「戸籍抄本」ではありません。

申立て時に戸籍抄本を提出しても受け取ってもらえず、戸籍謄本を提出するよう求められます。

戸籍の電子化

戸籍は、長期にわたって戸籍簿という紙媒体で管理されていましたが、近年は、電子データで管理する自治体が増えています。

戸籍の電子データ化が完了している場合、戸籍謄本は「戸籍全部事項証明書」、戸籍抄本は「戸籍個人事項証明書」と呼ばれます。

戸籍謄本や戸籍抄本と言っても担当職員には伝わりますが、請求書面の記載が変わっていることがあるため、注意してください。

戸籍謄本の請求

戸籍謄本の取得には、本籍と筆頭者の特定が必要です。

本籍 戸籍のある場所

調べ方:市区町村役場で住民票の写し(本籍欄の記載のあるもの)を取得

※現在、運転免許証には本籍が記載されません。

筆頭者 戸籍の最初に記載されている人(婚姻時に苗字を変えなかった人)

請求先

戸籍謄本の請求先は本籍地の市区町村役場です。

請求できる人

戸籍の記載内容は個人情報であり、個人情報保護と不正利用防止の観点から、戸籍謄本を請求できる人は以下のとおり限定されています。

  • 戸籍に記載のある人(本人)
  • 戸籍に記載のある人の配偶者
  • 直系尊属(父母、祖父母)
  • 直系卑属(子ども、孫)
  • 代理人(任意代理人、法定代理人)

任意代理人とは、戸籍に記載のある人から請求を委任された人です。

また、法定代理人とは、子どもの親、未成年後見人、後見人(成年後見人、保佐人、補助人、任意後見人など)、法律上、自ら請求できない本人の代わりに請求することが認められた人です。

必要書類

(本人の場合)

  • 戸籍証明請求書(市区町村役場によって名称が異なる)
  • 手数料:450円/通
  • 本人確認書類:(運転免許証、住民基本台帳カード、パスポート、マイナンバーカードなど)

(代理の場合、追加で以下の書類などを提出または提示)

  • 法定代理人:代理人の資格を証明する書類(戸籍謄本、登記事項証明書など)
  • 任意代理人:委任状
  • 戸籍記載のない直系親族:直系親族であることを証明できるもの(戸籍謄本など)

郵送で請求する場合

(本人の場合)

  • 戸籍証明請求書
  • 手数料:450円分の定額小為替(1枚につき100円の手数料がかかる)
  • 本人確認書類のコピー
  • 返信用封筒(郵便番号・住所・氏名を記入し、切手を貼り付けたもの)

(代理の場合)

  • 法定代理人:代理人の資格を証明する書類
  • 任意代理人:委任状
  • 戸籍記載のない直系親族:直系親族であることを証明できるもののコピー

戸籍証明請求書は、本籍地の市区町村役場のウェブサイトからダウンロードし、プリントアウトして使用します。

定額小為替は郵便局で購入することができます。

本人確認書類は、表と裏の両方をコピーして郵送する必要があります。

交付時期

即日交付されます。

戸籍謄本は2通取得しておく

離婚調停で年金分割を主張する場合、戸籍謄本を2通取得しておきます。

1通は離婚調停の申立て時に提出し、もう1通は年金分割のための情報通知書の請求時に提出します。

年金分割のための情報通知書

年金分割のための情報通知書とは、離婚時の年金分割の按分割合を決めるのに必要な情報が記載された書面です。

年金分割の対象期間、対象期間の標準報酬総額、按分割合の範囲などが記載されており、夫婦のどちらからどちらへ分割することになるかも分かるようになっています。

年金分割のための情報通知書の請求

離婚調停で年金分割を主張する場合、申立て前に年金分割のための情報通知書を請求しておくと、初回調停期日から年金分割の話し合いができます。

請求先

請求先は、会社員と公務員で異なります。

会社員 地域の年金事務所や年金相談センター
公務員
  • 国家公務員:国家公務員共済組合、共済組合連合会本部
  • 地方公務員:共済組合、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会

なお、厚生年金と旧共済年金は厚生年金に一元化されましたが、公務員の請求先は共済組合のままとなっています。

請求できる人

夫または妻です。

離婚前の夫婦の場合、年金分割のための情報通知書は請求した人にのみ送付されます。

請求時期 請求者 送付先
離婚前 夫または妻 夫または妻
夫及び妻 夫及び妻

また、夫婦同居中で、配偶者に知られずに年金分割のための情報通知書を取得したい場合、請求時に受取方法や送付先を指定しておくことで、窓口受取りや送付先を指定することもできます。

必要書類

  • 年金分割のための情報提供請求書
  • 国民年金手帳、基礎年金番号通知書
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 国民年金第3号被保険者加入期間証明書
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど)
  • 印鑑

(事実婚期間がある場合)

  • 事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料

年金分割のための情報提供請求書は、記載例を見ても書き方が複雑かつ分かりにくいため、個人で作成すると時間がかかります。

分かる部分だけ記入して請求窓口に持参し、担当職員に教えてもらいながら作成するのが確実です。

戸籍謄本は原本を提出する必要があり、提出後は返却されないため、離婚調停の申立てに添付する戸籍謄本とは別に準備しておかなければなりません。

また、事実婚(内縁)期間の年金分割を主張する場合、事実婚(内縁)関係にあった時期を証明する資料の提出を求められます。

例えば、同一世帯で「夫(未届)」や「妻(未届)」の記載がある住民票のコピー、事実婚関係にある人を扶養した実が分かる資料などを提出します。

交付時期

請求から交付までにかかる期間は、会社員と公務員(公務員であった時期がある人)で異なります。

会社員 約1週間
公務員 約1ヶ月

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年金分割のための情報通知書とは?どこで入手する?通知書の見方は?

住民票

住民票とは、市区町村で作成される、住民に関する事項を記載する公的記録です。

住民の氏名、生年月日、性別、世帯主との続柄、住所、本籍などが記載され、各種手続きで提出を求められます。

裁判所ウェブサイトや申立書式の必要書類には記載されていませんが、実際に離婚調停の申立て時には窓口で世帯全員分の住民票の提出を求められるため、事前に準備しておくことが大切です。

家庭裁判所が住民票の提出を求めるのは当事者の住所確認のためであり、住民票の代わりに戸籍附票(戸籍とともに本籍地で作成される、住民登録をしている住所や定住日などが記載されたもの)を提出することもできます。

住民票の請求

住民票は、世帯主・続柄・本籍地・筆頭者が省略されていないものを請求する必要があります。

請求時に指定しないと省略された住民票が交付され、家庭裁判所から再提出を求められます。

請求先

住んでいる地域の市区町村役場です。

近年、市区町村役場やその支所・出張所だけでなく、行政サービスコーナーやコンビニ(マイナンバーカードや住民基本台帳カードが必要)で取得することもできるようになっています。

請求できる人

請求者本人または本人と同一世帯の人です。

それ以外の人が請求する場合、本人や同一世帯の人の委任状が必要です。

相手や子どもの住民票も取得しておきます。

別居中でも、住民基本台帳法第12条の3第1項第1号に規定された「自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者」と認められれば、相手や子どもの住民票を取得することができます。

ただし、実際のところ、戸籍謄本で夫婦だと証明しても住民票の発行を拒否されるケースも少なくありません。

また、相手からDV等支援措置の申出書が市区町村役場に提出されている場合、相手方や子どもの住民票は取得できません。

DV等支援措置とは、総務省が、DV被害者保護を目的として規定し、全国の自治体に通知している措置です。

被害者の申出によって措置が適用されると、加害者とされた人は、被害者の住民基本台帳の一部の閲覧などができなくなります。

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必要書類

(本人が請求)

  • 請求書
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど)
  • 手数料:300円/通

(本人または本人と同一世帯の人以外が請求)

  • 特別な事情により代理で請求する場合:委任状
  • 住民基本台帳法第12条の3の「正当な理由」により請求する場合:請求理由などを確認できる資料(借用証書など)

交付時期

即日交付されます。

収入を証明する資料

離婚調停で婚姻費用分担や養育費を主張する場合、夫婦の収入に関する資料を提出することになります。

裁判所ウェブサイトには添付書類として明示されていませんが、調停期日で金銭面の主張をすれば必ず提出を求められることになるため、あらかじめ準備しておきたいものです。

初回調停期日に提出しても問題はありませんが、申立て時に提出しておくことで、裁判官や調停委員が期日前に金銭面について検討できるため、より早く具体的な金銭面の協議に入ることができます。

提出する資料

離婚調停で金銭面の取り決めをする場合、ベースになるのは月収ではなく「年収(総収入)」です。

そのため、給与明細書ではなく、年収が分かる源泉徴収票や所得証明書などを提出する必要があります。

源泉徴収票 毎年12月に勤務先から配布

  • 直近2年分の提出が基本
所得証明書 市区町村役場で交付

  • その年の証明書が取得できるようになるのは毎年5~6月頃
  • 「平成30年度の所得証明書」は平成29年1月1日~12月31日の所得証明
  • 直近2年分の提出が基本

原則として、夫婦の年収と子どもの人数から婚姻費用や養育費を算出するため、可能であれば相手の収入に関する資料も取得して提出します。

ただし、家計管理を任されていない場合は相手の源泉徴収票を入手することは難しく、別居すると所得証明書の取得も難しくなります。

算定表の活用

離婚調停では、算定表を用いて婚姻費用や養育費を算出します。

算定表は裁判所ウェブサイトで公開されているため、夫婦の収入に関する資料が入手できた場合は、あらかじめ算定表に当てはめて金額を出しておくと、調停での主張がしやすくなります。

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婚姻費用の算定表の見方と算定方法は?新しい算定表は裁判所でも有効?

収入印紙

収入印紙とは、租税、手数料、その他の収納金など国庫収入となるものの徴収のために、日本政府が発効する証票(伝票)です。

購入額

離婚調停(夫婦関係調整(離婚)調停)を申し立てる場合、申立て費用として1200円分の収入印紙が必要になります。

調停事件は、1件につき1200円分の収入印紙が必要になるため、離婚調停と婚姻費用分担を同時に申し立てる場合は2400円(1200円+1200円)分の収入印紙を準備しなければなりません。

また、面会交流も申し立てる場合、子どもの1200円×人数分の収入印紙がかかります。

  • 離婚調停のみ:1200円分
  • 離婚調停+婚姻費用分担:2400円分(1200円+1200円)
  • 離婚調停+婚姻費用分担+面会交流(子ども2人):4800円分(1200円+1200円+1200円×2)

申し立てる事件数が多い場合、事前に家庭裁判所の担当窓口に問い合わせてから購入するのが無難です。

購入先

郵便局です。

近年、コンビニでも購入できることがあります。

なお、大都市の家庭裁判所には収入印紙を販売する売店がありますが、地方や支部にはありません。

「裁判所内に売店があると思っていたらなかった。」ということがないよう、あらかじめ売店の有無を確認するか、郵便局などで購入しておくことが大切です。

郵便切手

離婚調停の申立て時には、調停期日通知書の郵送などで使用する郵便切手を予納する必要があります。

購入額

郵便切手の予納額や切手の枚数は、各家庭裁判所が独自に設定しているため、事前に申立てを予定している家庭裁判所に確認しなければなりません。

裁判所ウェブサイトに予納郵便切手の金額を掲載している家庭裁判所もありますが、サイト内検索に手間がかかる上、古い情報が掲載されたままになっていることもあるため、直に確認するのが確実です。

購入先

郵便局です。

コンビニなどでも購入できます。

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収入印紙と同じく、家庭裁判所内では購入できないことが多いため、事前に準備しておきたいところです。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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