認知症カフェとは?目的と内容、運営は?厚生労働省が主管?補助金は?

認知症を発症すると、日常生活の様々な場面で支障が出て不安や焦りが募り、孤立しがちです。

また、認知症の人の家族は、日常的な介護やケアの負担が重くのしかかり、それを家族だけで抱え込んで疲れはててしまう傾向があります。

認知症カフェは、認知症の人やその家族を支援するための場です。

この記事では、認知症カフェの概要(目的、運営、設置の背景)、内容、認知症カフェの利用方法について解説します。

認知症カフェとは

認知症カフェとは、認知症の人やその家族をはじめ認知症に関心のある人が集まり、情報交換や交流をする中で認知症と向き合うための場です。

認知症の人は、記憶障害や見当識障害などが進行するにつれ、はっきりした病識はなくても「何となくおかしい」と感じるようになり、不安や焦りを募らせます。

また、周囲と話がかみ合わない、以前できていたことができなくなる、他人の態度が冷たくなったように感じるなどして円滑な人間関係が送りにくくなり、気力や自信も喪失して、引きこもって孤立してしまいがちです。

一方で、認知症の人の家族は、介護やケアの負担が重くのしかかる上、徘徊や事故・事件を心配したり、本人から心無い言葉を浴びせられたりするなど、日常的に相当なストレスを抱えています。

認知症カフェは、こうした認知症の人やその家族が日頃のストレスを吐き出し、認知症と前向きに付き合っていくパワーを充電する場所になっています。

認知症カフェの設置の背景

認知症カフェは、1980年に京都市で発足した「認知症の人と家族の会」や、ヨーロッパ諸国のアルツハイマーカフェ、メモリーカフェ、オデンセハウスなどが起源とされています。

日本において認知症カフェが設置され始めるのは、厚生労働省が2012年に策定したオレンジプラン(日本が認知症対策として取り組む総合戦略)において、「認知症の人やその家族等に対する支援として、認知症カフェの普及などにより、認知症の人やその家族等に対する支援を推進する。」と言及された後です。

その後、2015年に新オレンジプランが策定され、「認知症の人が住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けるために必要としていることに的確に応えていく」という目標に沿って、認知症カフェ設置の動きは全国で活性化しています。

認知症カフェの目的

認知症カフェの目的は、「認知症の人やその家族が、地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解し合う場」を提供することです。

認知症カフェの設置・運営主体と設置数

認知症カフェの設置・運営主体は、地域包括支援センターや介護サービス施設・事業所が多くなっていますが、市町村、社会福祉法人、NPO団体などが運営するところもあります。

また、認知症の人が主催し、その家族や支援者が運営を手伝っている認知症カフェもあります。

厚生労働省の発表によると、2014年時点で、日本全国の41都道府県280市町村に655箇所の認知症カフェが設置されています。

認知症カフェの内容

認知症カフェは、運営主体や場所、スタッフなどによって内容が大きく異なります。

ここでは、一般的な認知症カフェの内容について解説します。

認知症カフェの特徴

認知症カフェの主な特徴は、以下のとおりです。

  • 認知症の人が、家族以外の人と交流する(社会とつながる)ことができる
  • 認知症の人が、残された認知機能に応じた役割を担い、趣味などに取り組むことができる
  • 認知症の人やその家族が安心安全に過ごすことができる
  • 認知症の人やその家族が、日常生活の中で抱いたストレスや悩みをいつでも気軽に相談できる
  • 認知症の人やその家族が、意見や要望を自由に発信できる
  • 認知症やその家族と地域の住民が交流できる
  • 地域の住民が、認知症の知識や介護・ケアについて知ることができる
  • 地域の住民が、「認知症になっても認知症カフェがある。」と安心できる
  • 認知症の専門職が、認知症の人やその家族について、医療や介護の現場とは違う側面を見ることができる

認知症の人は、他人(社会)とのつながりができて、その中で役割を持って活躍したり、理解されたりして心の安定を得ることで、日々の生活が潤い、楽しくなっていきます。

認知症の人を介護する人は、介護の負担やストレスを共有できる人と出会うことができ、心が軽くなります。

また、介護で息詰まった時に助言を求めたり、愚痴を言ったりすることもでき、介護や制度の知識を得ることもできます。

認知症カフェのスタッフ

認知症カフェのスタッフは、認知症サポーター、地域のボランティア、民生委員など、認知症に関心がありサポートしたいと考えている人です。

また、認知症の専門医、医療従事者、介護職、福祉関係の行政職員、教職員、学生などがスタッフとして参加することも多く、参加スタッフによって各カフェの雰囲気が大きく異なります。

認知症カフェの参加費用

カフェによって、無料~1000円くらいまで差があります。

認知症カフェの多くは、たくさんの人が参加できるよう、数百円程度の参加費用を設定しています。

認知症カフェの活動内容

認知症カフェの主な活動内容は、認知症の情報交換、相談、勉強会・教室・講座、イベント・レクリエーションです。

認知症の情報交換

認知症カフェは、あくまで自由参加のカフェです。

普通のカフェのように落ち着いた雰囲気で、多くのカフェではお茶とお菓子が提供されます。

また、介護施設や老人ホーム、デイケアセンターのように決まったプログラムはなく、参加者が好きな時間にカフェを訪問し、自由に過ごすことができます。

そして、スタッフや他の参加者と雑談や相談をする中で、自然なかたちで認知症について情報交換ができるようになっています。

相談

認知症カフェには、認知症の専門医や医療や介護の仕事をしている専門職がたくさん参加しています。

日常生活の悩み、介護のこと、認知症の制度についてなど、気軽におしゃべりする中で相談することができます。

おしゃべりの中で解決できることもあれば、問題の解決に必要な専門機関などを紹介してもらえることもあります。

勉強会・教室・講座

認知症の人やその家族に役立つ勉強会や教室、講座などが随時開催されています。

例えば、様々なお店の店長、弁護士、警察官、行政職員、医師、介護職などが講師となって勉強会などを行います。

難しい内容ではなく、認知症の人やその家族が日常生活の中で思い出したり活用したりできる内容が多くなっています。

イベント・レクリエーション

各カフェが、参加者の傾向を見ながら、スタッフの経験やノウハウを生かして様々なイベントやレクリエーションを開催しています。

認知症に関する映画の上映、カラオケ大会、ビンゴ大会、パソコン教室、園芸、体幹トレーニングなど、参加者が楽しめる多種多様なイベントなどが行われます。

認知症カフェの探し方

認知症カフェは、公民館や民家など一見するとそれと分かりにくい場所で開催されていることが多く、また、認知症カフェと分かってもいきなり入るのは気兼ねする人も多いものです。

地域包括支援センターへ問い合わせる

地域包括支援センターとは、市区町村やそれらから委託された法人が運営する、高齢者への包括的な生活支援を行う機関です。

認知症カフェを探したい場合は、住んでいる地域の地域包括支援センターに問い合わせて情報を収集しましょう。

ニーズを伝えると、認知症カフェ以外にも様々な制度や機関を紹介してもらえることもあります。

関連記事

地域包括支援センターとは?配置される職員、業務の内容、利用方法は?

ネット検索

現在は、ネット検索によって簡単に認知症に関する情報を収集することができます。

「○○(住んでいる都道府県や市区町村など) 認知症」などと入力すれば、近くの認知症カフェを見つけることができます。

ただし、ネット上に掲載されている情報だけでは、カフェの雰囲気やスタッフなどが分からないことも多いので、まずは電話などで問い合わせてみましょう。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
また、マイナンバー、国民年金、税金、養子縁組、青年後見など、日常生活の中で利用する制度や手続きを分かりやすく解説する記事も掲載しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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