認知届とは?書き方の例とダウンロード方法、必要書類や提出先を解説

法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子ども(非嫡出子)は法律上の父親がいない状態であり、父親を設定するには父親が認知する必要があります。

認知の方法には任意認知と強制認知があり、いずれの方法で認知する場合も認知届を提出しなければなりません。

この記事では、認知届の用紙の入手方法から、認知届の書き方、必要書類、期限、提出先まで解説します。

認知届の入手方法

認知届は、市区町村役場の窓口で交付してもらうか、ネット上でダウンロードして入手します。

市区町村役場の窓口で交付してもらう

認知届は、市区町村役場の戸籍担当課(自治体によって名称が異なる)の窓口で交付してもらうことができます。

「認知届が欲しい」と言えば、認知届の書式と記載例をまとめて交付してもらえます。

ネット上でダウンロードする

自治体によっては、ウェブサイト上に認知届の書式を掲載しているところがあります。

認知届は、戸籍法第60条から第65条や戸籍法施行規則に基づいた全国共通の様式なので、住んでいる地域以外の自治体のウェブサイトからダウンロードした認知届を使用することができます。

注意

認知届に届出先を印字していたり、ネット上には記載例しか掲載していなかったりする自治体が多いので、プリントアウトする前に確認してください。

ここでは、札幌市役所ホームページへのリンクを貼っておきます。

上記リンクに掲載されている認知届は、届出先の印字がなく、そのままプリントアウトして使用することができます。

A4用紙を使用する

認知届はA4サイズです。

離婚届と同じだと思ってA3サイズでプリントアウトする人がいますが、A4サイズにしてください。

コンビニや印刷店でもプリントアウトできる

自宅にプリンターがない場合は、スマートフォンにダウンロードしたりUSBメモリーに保存したりして、コンビニや印刷店でプリントアウトします。

認知届は白黒なので、白黒でプリントアウトしてください。

記載例もプリントアウトする

認知届の書式と一緒に記載例もプリントアウトしておくと、スムースに記載できます。

珠洲市の記載例が分かりやすいので、参考にリンクを貼っておきます。

認知届の書き方

認知届

出典:札幌市役所ホームページ

認知届の書き方は、記載例を参考にしながら記載すれば難しいものではありません。

しかし、留意すべき点もあるため、以下、各項目ごとに解説していきます。

届出日

認知届を市区町村役場に提出する日を記載します。

郵送する場合は、ポストに投函する日を記載してください。

記載した日と届出日が離れている場合は訂正を求められることがあります。

届出先

認知届を提出する市区町村の首長名を記載します。

認知届には「○○○長殿」と印字されているので、市区町村の名前だけを記載することになります。

(大阪府)堺市長殿

赤字部分を記載

都道府県については記載してもしなくても構いません。

氏名(よみかた)、生年月日(認知される子、認知する父)

「認知される子」欄には認知をする子どもの氏名(よみかた)と生年月日を、「認知する父」欄には認知をする父親本人の氏名(よみかた)と生年月日をそれぞれ記載します。

氏名は戸籍謄本に記載されているととおりに記載し、生年月日は和暦(平成、昭和など)で記載してください。

認知される子の「父母との続き柄」欄には、「□男」または「□女」にチェックし、その左側に「長(長男の場合)」、「二(二男の場合)」などと記載します。

  • 長男の場合:長☑
  • 二女の場合:二☑

赤字部分を記載

□にチェックするだけでなく、何番目の子どもなのかも忘れず記入してください。

また、「認知される子」と「認知する父」を反対に記載してしまうケースが多いので、注意が必要です。

住所(住民登録をしているところ)

「認知される子」と「認知する父」の住所と世帯主の氏名を記載します。

「住民登録をしているところ」とは住民票記載の住所のことであり、「〇丁目」、「〇番地」なども住民票の記載のとおり省略せずに記載してください。

本籍地

認知される子と認知する父の本籍地(本籍が置いてあるところ)を記載します。

戸籍謄本などに記載されているとおり、省略せずに記載する必要があります。

認知の種別

当てはまる種別(任意認知、審判、判決、遺言認知)にチェックをします。

審判や判決の場合は確定年月日を、遺言認知の場合は遺言執行者の就職年月日を記載します。

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子の母

認知される子の母親の氏名、生年月日、本籍地、戸籍の筆頭者を記載します。

本籍地と住所を間違えて記載するケースが多いので、注意してください。

その他

「未成年の子を認知する」、「成年の子を認知する」、「死亡した子を認知する」、「胎児を認知する」のうち、当てはまるものにチェックを入れます。

任意認知の場合、原則として、父親の意思で認知をすることができますが、認知される子どもが成年に達している場合は子どもの、胎児認知の場合は子どもの母親の同意が必要です。

成年の子どもや胎児認知の場合の母親の同意が得られた場合、その旨を「その他」欄に記載し、本人に署名押印をしてもらいます。

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届出人

認知届を提出した人にチェックを入れ、その人の住所、本籍地と筆頭者の氏名、生年月日を記載し、署名押印をします。

任意認知の場合は認知する本人、裁判認知の場合は審判の申立人または訴えの提起者が署名押印する必要があります。

連絡先(欄外)

日中に連絡がつく電話番号を記載します。

認知届の提出方法

認知届を作成したら、必要書類を揃えて市区町村役場に提出しますが、認知の種別によって提出方法が異なります。

任意認知の場合

届出人認知する父
届出先
  • 「未成年の子」または「成年の子」の認知:父の本籍地または住所地、認知される子の本籍地
  • 胎児の認知:認知される胎児の母の本籍地
届出期限なし
必要書類
  • 認知届書:父の署名押印が必要
  • 印鑑:認印可
  • 戸籍謄本(全部事項証明書):父及び認知される子(胎児のときは認知される子の母)の戸籍謄本を添付(本籍地以外で届出を行う場合)
  • 承諾書:成年の子を認知する場合は子どもの承諾書、胎児認知の場合は認知される胎児の母の承諾書
  • 届出人の本人確認書類:運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど

審判認知の場合

届出人審判(調停)の申立人
届出先父の本籍地または住所地、認知される子の本籍地
届出期限審判の確定日から10日以内
必要書類
  • 認知届書:審判(調停)の申立人の署名押印が必要
  • 印鑑:認印可
  • 戸籍謄本(全部事項証明書):父または認知される子(胎児のときは認知される子の母)の戸籍謄本を添付(本籍地以外で届出を行う場合)
  • 審判書謄本または確定証明書
  • 届出人の本人確認書類:運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど

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裁判認知(強制認知)の場合

届出人訴えを起こした人
届出先父の本籍地または住所地、認知される子の本籍地
届出期限裁判の確定日から10日以内
必要書類
  • 認知届書:訴えを提起した人の署名押印が必要
  • 印鑑:認印可
  • 戸籍謄本(全部事項証明書):父または認知される子(胎児のときは認知される子の母)の戸籍謄本を添付(本籍地以外で届出を行う場合)
  • 判決書謄本または確定証明書
  • 届出人の本人確認書類:運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど

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遺言認知の場合

届出人遺言執行者
届出先父の本籍地または住所地、認知される子の本籍地
届出期限遺言執行者が就職した日から10日以内
必要書類
  • 認知届書:遺言執行者の署名押印が必要
  • 印鑑:届出に使用した印鑑
  • 戸籍謄本(全部事項証明書):父または認知される子(胎児のときは認知される子の母)の戸籍謄本を添付(本籍地以外で届出を行う場合)
  • 遺言書の謄本
  • 届出人の本人確認書類:運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
また、マイナンバー、国民年金、税金、養子縁組、青年後見など、日常生活の中で利用する制度や手続きを分かりやすく解説する記事も掲載しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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