ワンオペ育児と離婚!ワンオペ育児で離婚したい時の離婚理由は?

ワンオペ育児 離婚

ワンオペ育児は、家事育児を一手に担うことを余儀なくされ、心身に重い負担がかかります。

そのため、ワンオペ育児が原因で夫婦関係が悪化し、離婚を決意する人が少なからずいます。

ワンオペ育児とは

ワンオペ育児とは、夫婦の一方に家事育児の負担が集中している状態です。

ワンオペはワンオペレーション(one operation)の略語で、元々は店員一人が飲食店を切り盛りする状態を表す言葉です。

しかし近年、家事育児を夫婦の一方だけが担う状態がワンオペ育児(家事)と表現されて流行したのをきっかけに、家事育児の負担が夫婦の一方、主に女性に集中する状態を表現する単語として使用される機会が増えています。

ワンオペ育児を担う人は、家事育児に追われて自分の時間が持てず心身ともに疲弊し、配偶者への不満やストレスを募らせやすいと言われています。

そして、夫婦で協議を重ねても状況が改善されない場合、ワンオペ育児を強いられている側が離婚を考えることもあります。

ワンオペ育児の状況

ワンオペ育児と聞いて多くの人がイメージするのは「専業主婦が家事育児を一手に担っている状態」であり、実際に専業主婦のワンオペが多いのですが、共働き家庭でもワンオペに陥っているところは少なくないのが現状です。

専業主婦(主夫)のワンオペ育児

ワンオペ育児に陥りやすいのが、夫婦の一方が働き、もう一方が専業主婦(主夫)という夫婦の形態です。

ワンオペ育児のきっかけとしては、単身赴任や長期入院など夫婦の一方の不在、仕事の多忙さ、子どもが夫婦の一方にしかなつかないなどを挙げることができます。

また、夫婦の一方だけが働く家庭では、夫婦の両方が「専業主婦(主夫)が家事育児を担うのは当たり前」という考え方になりやすい傾向があることも、ワンオペ育児に陥る一因となっています。

働いている人は「自分が働いて生活を支えているのだから、家のことは相手に任せたい。」と思いますし、専業主婦(主夫)をしている人も「相手の稼ぎで生活できているのだから、家のことは自分がしないといけない。」と思い込んでしまうのです。

しかし、専業主婦であっても、家事育児を一人で全て担うのは相当な負担です。

特に、2人以上の子どもがいる家庭では、子どもの世話をしながら家事をするのは至難の業で、子どもが体調を崩そうものなら家事をしている暇など無くなります。

仕事なら体調不良や怪我を理由に休んだり上司や同僚に代わってもらったりすることができますが、家事育児を休むわけにはいかず、誰かに代わってもらうことも難しいものです。

そのため、「自分が倒れると、家が回らなくなる」という重圧を常に感じながら、自分の身体に鞭打って休む間もなく過ごさなければならず、心身ともに疲弊してしまいます。

なお、パートやアルバイトをしながらワンオペ育児をしている人も一定数います。

家事育児に加えて短時間とはいえ労働までこなすことになり、家庭内でも家庭外でも負担を感じることになります。

「社会とのつながりを持っていたい。」という前向きな事情で働いている場合はともかく、家計の足しにするためなどやむを得ず働いている場合、モチベーションの維持も容易ではありません。

夫婦共働きのワンオペ育児

夫婦共働きにも関わらず夫婦の一方がワンオペ育児をしている場合は、さらに深刻です。

職場では相応の義務や責任を負って仕事に全力を注ぎ、帰宅すると休む間もなく家事育児をこなさなければなりません。

例えば、早く帰宅する夫は家事育児を一切せず、毎日のように残業して帰る妻が家事育児を全て担うのが日常になっている家庭がありました。

妻から家事育児の分担を求めても、夫は「俺は家庭のために働いている。お前は働きたくて働いているんだから、家事育児もして当然だろう。」と取り合わず、妻の方が給料が高い月があると「楽して高い給料もらいやがって」という有様でした。

結局、妻が離婚を決意し、子どもの親権者となって離婚しましたが、夫は最後まで妻にワンオペ育児を強いたことを反省することはありませんでした。

ここまで極端でなくても、夫婦間の家事育児の分担などに不公平感があり、ワンオペ育児に近い状態に陥っている共働き家庭は多いものです。

夫婦共働きであれば、家事育児の負担も半分ずつ分担するのが当たり前のように思えますが、実際は、負担割合に相当な差があったり、夫婦の一方がお手伝い程度にしか家事育児をしなかったりするものです。

ワンオペ育児と離婚

以下、ワンオペ育児で離婚を決意する理由と、ワンオペ育児で離婚する方法について解説します。

ワンオペ育児で離婚を決意する理由

ワンオペ育児で離婚を決意する理由としては、以下のようなものを挙げることができます。

疲弊する

ワンオペ育児は肉体労働です。

ワンオペ育児の期間が長くなるほど体力的にきつくなり、同時に気持ちも疲れていきます。

睡眠時間を確保するのが精一杯で自分の時間は一切なく、湯船につかってゆったり過ごしたり、読書の時間を確保したりすることは困難で、休日に朝寝坊することもできません。

常に目の前のタスクに追われ、体調を崩しても代わってもらうこともできず、心と身体をすり減らしながら動き続けなければならないのです。

その結果、心身ともに疲弊し、現状からの解放を求めて離婚を決意するのです。

夫婦間の温度差

ワンオペ育児の大きな特徴は、家事育児について夫婦間に温度差が生じやすいことです。

夫婦の一方が、家事育児分担の不公平感に不満を抱き、ワンオペ育児に疲弊して状況の改善を再三求めても、もう一方は単なる夫婦喧嘩や「今日は機嫌が悪いな」程度にしか受け止めていないことが多いのです。

その結果、夫婦の一方が不満や負担感を募らせて離婚を決意し、もう一方が改善を試みても後の祭りということになりやすいものです。

キャリア形成に影響する

働きながらワンオペ育児をしている人の場合、思いどおりの勤務やキャリア形成ができない不満から離婚を決意することがあります。

例えば、「バリバリ働いてキャリア形成したい。」、「残業してでも自分の仕事をやり遂げたい」などと思いながら家事育児のために仕事を制限している人が、家事育児を気にせず仕事に打ち込んで順調にキャリア形成する配偶者に不満を募らせて離婚を決意することがあります。

特に女性の場合、出産をするだけでもキャリア形成に影響するため、その後の育児まで全て押し付けられるとなると不満が高まっても不思議ではありません。

離婚後の経済的不安が乏しい

離婚を決意する場合に、離婚後の経済的不安の有無は大きな影響を及ぼします。

子どもを養って生活していけるだけの安定した収入がある場合、「婚姻生活を維持する意味が分からなくなった。」、「何もしない配偶者と過ごす意味がない。」などと考え、離婚を決意しやすい傾向があります。

夫婦共働きの方が高い生活水準を維持できたとしても、フルタイムで仕事をしながら家事育児の大半を担い、仕事しかしない配偶者との不満と苦痛に満ちた生活を維持するよりも、生活水準を多少落としても離婚して穏やかに過ごしたいと願う人は多いものです。

ワンオペ育児を理由に離婚する方法

ワンオペ育児を理由に離婚する方法について、協議離婚、調停離婚、裁判離婚に分けて解説します。

ワンオペ育児で協議離婚する場合

協議離婚の場合、離婚とそれに伴う諸条件について夫婦の合意ができれば離婚することができます。

離婚したい理由としてワンオペ育児を挙げると、たいていの場合、「改善するからやり直したい。」と言われます。

配偶者の主張を受け入れて改善を図るか否かは個人の判断ですが、配偶者が「男は仕事、女は家庭」という古い価値観に基づいてワンオペ育児を当然と思っていた場合、やり直したいは口だけに終わる可能性が高いものです。

また、実際にやり直す場合、配偶者に改善内容を具体的に示させて書面化し、守られなかった場合は離婚することを明示しておくことも大切です。

ワンオペ育児で調停離婚する場合

調停離婚の場合も、理由に関わらず夫婦の合意ができれば離婚することができます。

調停離婚で注意したいのは、調停委員です。

ワンオペ育児で離婚したいと主張すると、調停委員から、「専業主婦なんだから家事育児がつらくて離婚なんて、ワガママではないか。」、「女性なんだから、もう少し夫を支えてあげたらどうか。」など、時代遅れの価値観に基づく的外れな助言を受けることがあります。

また、夫婦双方が離婚に合意しているのに、ワンオペ育児という離婚理由に不満を述べ、「私たちの若い頃は云々」という昔話をして離婚を思いとどまらせようとする調停委員もいます。

基本的には無視をして問題ありませんが、露骨に配偶者の肩を持って助言してくることもあるため、注意が必要です。

ワンオペ育児で裁判離婚する場合

裁判離婚する場合、裁判所に離婚を認めさせるには、以下の5つの法定離婚事由のいずれかが存在することを示さなければなりません。

夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき。
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
  • 配偶者が強度の精神病に罹り、回復の見込みがないとき。
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

(民法第770条第1項)

ワンオペ育児だけを理由に離婚を主張して離婚が認められた判例やケースは見当たらず、一般的には、上記離婚事由にワンオペ育児を関連づけて主張することになります。

例えば、以下のような場合には、ワンオペ育児と離婚事由を関連付けやすいでしょう。

  • 配偶者が不貞相手と同居し、ワンオペ育児となった
  • 配偶者が理由なく家庭に帰って来なくなり、ワンオペ育児を余儀なくされた

ワンオペ育児と慰謝料

ワンオペ育児だけを理由として慰謝料請求をして認められたケースは見当たりません。

ただし、悪意の遺棄の結果としてワンオペ育児を強いられ、悪意の遺棄を理由として慰謝料が認められたケースはあります。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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