新オレンジプランとは?7つの柱の概要と厚生労働省の目標、改定内容は?

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厚生労働省は、65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人が2012年時点で約462万人おり、2025年には700万人を超えるという推計を発表しています。

そして、高齢化に伴う認知症患者の増加への対策として「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を策定し、様々な認知症施策を実行しています。

この記事では、厚生労働省が策定した新オレンジプランの概要、7つの柱の内容、2017年7月の改定について解説します。

認知症患者の推移(推計)

厚生労働省は、65歳以上の高齢者のうち認知症患者数について、以下の推計を発表しています。

  • 2012年時点:約462万人
  • 2025年時点:約700万人

あくまで推計ですが、13年間にほぼ倍増する計算です。

認知症患者数と割合の推移

参考:日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究(平成26年度厚生労働科学研究費特別研究事業 九州大学 二宮教授)による速報値

※グラフは、各年齢の認知症患者数が上昇すると仮定した場合の推計人数と割合

また、将来的に認知症患者になる可能性が高い軽度認知障害(MCI)の高齢者は、2012年時点で約400万人おり、2025年には約600万人になると推計されています。

認知症患者と軽度認知障害(MCI)の高齢者の人数を合計すると、2012年時点で約862万人、2025年時点には約1300万人に達します。

一方で、2012年10月時点で全人口が1億2751万7000人、65歳以上の人口は3079万3000人、2025年時点(推計)には全人口が1億2066万人、65歳以上の3658万人になると推計されています。

つまり、単純に認知症患者や軽度認知障害(MCI)の高齢者の人数が増加するのではなく、全人口や65歳以上の高齢者に占める割合も高くなっていくのです。

新オレンジプランとは

新オレンジプランとは、厚生労働省が高齢化に伴う認知症患者の増加への対策として策定した施策です。

正式名称は、「認知症施策推進総合戦略(~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~)」ですが、一般的には新オレンジプランと呼ばれています。

新オレンジプランは、団塊の世代が75歳に達する2025年に向け、「認知症の人が住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けるために必要としていることに的確に応えていくこと」、つまり、「認知症の人の意思ができる限り尊重される社会の実現」を目指して2015年1月に策定されました。

新オレンジプランの7つの柱

新オレンジプランの7つの柱は、以下のとおりです。

  1. 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
  2. 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
  3. 若年性認知症施策の強化
  4. 認知症の人の介護者への支援
  5. 認知症を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
  6. 認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
  7. 認知症の人やその家族の視点の重視

それぞれの柱について具体的に確認していきます。

新オレンジプランの7つの柱1:認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進

認知症の人を社会全体で支えるために、認知症への理解を深めるための普及や啓発を推進するという内容です。

具体的な内容として、以下の取組みが挙げられています。

  • 認知症の人の視点で、認知症への社会の理解を深めるキャンペーンの実施
  • 認知症サポーターの養成
  • 学校教育における、認知症の人を含む高齢者への理解の推進

認知症サポーターとは

認知症サポーターとは、認知症について正しい知識と理解があり、地域の中で認知症の人やその家族への支援を行う人のことです。

認知症サポーター養成講座を受講することで、年齢、性別、職業などに関わらず認知症サポーターになれます。

養成講座は、各地域で住民講座や学習会などの形式で随時開催されており、住んでいる地域の担当窓口に問い合わせることで受講することができます。

新オレンジプランの7つの柱2:認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供

認知症は、一部の病気によるものを除き、時間の経過とともに症状が進行する病気です。

適切な時期に診断を受け、投薬やリハビリによってある程度は症状の進行を抑えることができますが、根治療法は見つかっていないため、発症後は死ぬまで症状と付き合っていくことになります。

したがって、認知症の予防から本人が亡くなる前まで、医療、介護、地域などが互いに連携しあい、認知症の症状の進行に応じた対応を提供することが、「認知症の人が住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けるために必要としていることに的確に応えていくこと」につながります。

こうした、医療、介護、地域などが有機的に連携し、適時適切なサービスを提供できるし仕組みづくりを目指すのが、7つの柱の2つ目です。

具体的な施策としては、以下の内容が挙げられています。

  • かかりつけ医に対する認知症対応力向上のための研修
  • かかりつけ医などをサポートする医師(認知症サポート医)の養成
  • 認知症疾患医療センターの運営
  • 認知症初期集中支援チームの編成
  • 病院勤務の医療従事者向けの研修
  • 認知症の周辺症状(BPSD)の作成
  • 認知症介護実践者の研修
  • 認知症ケアパス(認知症の人に対応するサービスの基盤を構築し、的確なコーディネートができる体制を作るためのツール)の活用
  • 認知症地域支援促進員

認知症疾患医療センターとは

認知症疾患医療センターとは、専門機関(医療・保健・介護など)が有機的に連携し、各種業務(認知症に関する相談、鑑別診断と初期対応、周辺症状・BPSDや合併症への対応、研修会開催など)を行う認知症専門の医療機関です。

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認知症疾患医療センターとは?厚生労働省が目指すセンターの役割は?

認知症初期集中支援チームとは

認知症初期集中支援チームとは、認知症の可能性が本人やその家族の家庭を訪問することにより、本人の見立てと見立てに基づく支援を行うための、医療や介護などの専門職で構成されるチームです。

認知症を早期に発見して早期に適切な対応につなげるために実践されています。

新オレンジプランの7つの柱3:若年性認知症施策の強化

若年性認知症とは、65歳未満で発症した認知症のことです。

認知症は、65歳以上の高齢者に発症しやすい病気ですが、65歳以下でも発症することがあります。

若い時期に認知症を発症すると、介護する家族の負担、人間関係の悪化、仕事の継続困難、経済的困窮などの問題に直面することになります。

新オレンジプランでは、以下のような施策により、若年性認知症の人の居場所作り、就労や社会参加のサポートなどを行っています。

  • 全国若年性認知症コールセンターの設置
  • 若年性認知症ハンドブック・ガイドブックの作成・配布
  • 若年性認知症施策を推進するための意見交換会の開催

新オレンジプランの7つの柱4:認知症の人の介護者への支援

認知症の支援では、本人だけでなくその家族をはじめとする介護者の支援も欠かせません。

認知症の介護は、想像以上に負担が大きく、また、その負担を周囲に相談したり、助けを求めたりしにくいのが現状です。

新オレンジプランでは、介護者を支援することが本人のクオリティーライフ(QOL)に資するという考えに基づいて、介護者の負担の軽減や生活と介護の両立を支援する取組みを推進しています。

  • 認知症カフェ
  • 介護者支援に関する調査研究等

認知症カフェとは

認知症カフェとは、認知症の人、その家族や関係者、地域住民、認知症の専門家など、認知症に関心のある人が情報交換を行う場です。

各地域の自治体や地域包括支援センターなどが運営しており、誰でも気軽に参加することができます。

新オレンジプランの7つの柱5:認知症を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進

新オレンジプランでは、高齢者が暮らしやすい環境を整えることが、ひいては認知症の人が暮らしやすい環境を作ることになるという考えに基づいて、高齢者にやさしい地域づくりを目指しています。

  • 生活支援(買い物支援、食事支援など)
  • 生活環境の整備(バリアフリーの推進、居住場所の確保など)
  • 社会参加の促進(地域行事への高齢者の参加推進など)
  • 地域で行う高齢者の見守り活動

新オレンジプランの7つの柱6:認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進

新オレンジプランでは、認知症の予防、診断、治療、リハビリモデルなどの研究や開発、その成果の普及の推進を目指しています。

認知症の人や介護者の研究参加を推進する仕組みづくりの他、ICT技術やロボット工学を用いたシステムや介護機器の開発など、最新技術との連携も推進されています。

新オレンジプランの7つの柱7:認知症の人やその家族の視点の重視

「認知症の人が暮らしやすい環境」は、支援者が「これなら認知症の人が暮らしやすいであろう」と考えている環境ではなく、認知症の人が実際に暮らしやすい環境を目指す必要があります。

そのため、認知症の人のニーズの把握をはじめ、認知症の人やその家族の視点に立った取り組みを推進しています。

新オレンジプランの改定

新オレンジプランは、2015年1月に策定された時点で、当面の目標設定年度を2017年度末としていました。

2017年7月5日、新オレンジプランが改定され、2020年度末を新たな目標設定年度とするとともに、数値目標の変更や施策の具体的な提示がなされました。

主な改定内容については、以下の厚生労働省のページで詳しく解説されています。

認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)新旧対比表

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離婚ハンドブック編集部

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家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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