離婚調停の流れ!調停期日の受付から手続説明、次回期日の決定まで

離婚調停 流れ

初めて離婚調停に参加する場合、「どこで何をすれば良いのか分からない。」、「調停の流れが分からない。」などの不安や心配を抱きやすいものです。

離婚紛争下に置かれて強いストレスを感じているところ、調停に参加することにもストレスを感じてしまうことが多いのです。

しかし、離婚調停に抱く不安や心配の多くは、調停の流れを知らないことが原因であり、おおまかな流れを知識として持っておけば、必要以上にストレスを感じず、期日当日も落ち着いて調停に臨むことができます。

離婚調停の調停期日の流れ

離婚調停の調停期日の流れは、以下のとおりです。

  1. 受付(調停期日通知書の提示)
  2. 待合室で待機
  3. 調停室に入室して調停委員から調停の説明を受ける
  4. 調停の話し合い
  5. 次回調停期日の決定

以下、各手続について詳しく解説します。

受付(調停期日通知書の提示)

離婚調停の申立てを受理した家庭裁判所は、担当の裁判官や調停委員を決めて第1回調停期日を指定し、申立人と相手方に調停期日通知書を発送します。

調停期日当日は、調停期日通知書に記載された時間に調停担当窓口へ行き、離婚調停に来たことを伝えて通知書を提示します。

事件番号や氏名を伝えても問題はありませんが、窓口には他の当事者もいるため、調停期日通知書を提示するのが無難です。

調停担当窓口は、離婚調停申立てをした裁判所書記官室であることが多いですが、調停センターなど独自の窓口を設けている家庭裁判所もあります。

通知書を提示すると、職員が期日簿で調停室を確認した上で、待合室まで案内してくれます(自分で待合室へ行くよう指示されることもあります。)。

待合室で待機

通常は、申立人は申立人専用の待合室、相手方は相手方専用の待合室に通され、調停委員が呼びに来る前で待機するよう指示されます。

通常、家庭裁判所の待合室は、長椅子が並べられ、本棚に雑誌や調停制度に関するパンフレットなどが置かれた程度の殺風景な部屋です。

離婚調停や遺産分割調停などの調停事件の当事者だけでなく、離婚訴訟の当事者、成年後見(後見開始の審判など)や特別養子縁組など別表第1事件の当事者なども同じ待合室で待機します。

代理人弁護士も待合室で一緒に待機することが多く、調停が多い日は席がないことも珍しくありません。

また、申立人と相手方という分け方をしているため、例えば、離婚調停を申し立てた妻と、別件で離婚調停を申し立てた夫、離婚調停を申し立てられた妻、子の引渡しや監護者指定の申立人などが同じ待合室で待機することになります。

なお、DV被害を受けている場合など相手方との接触を避ける必要がある場合、事前に申告しておけば、通常とは異なる待合室や個室を準備してもらえることがあります。

調停室に入室して調停委員から調停の説明を受ける

調停開始時刻になると、調停委員の1人が待合室に来て、調停室まで案内されます。

近年は、プライバシー保護の観点から氏名で呼ばれることが減り、事件番号や受付で渡された番号で呼ばれます。

事件番号で呼ばれたときに慌てず対応できるよう、調停期日通知書はすぐ出せる場所にしまっておきましょう。

調停室に入室できる人

調停期日に一人で家庭裁判所へ出頭するのが不安な場合、家族や知人などに付き添ってもらうことができます。

ただし、原則として、調停室に入室して調停に参加できるのは、申立人、相手方、そして双方の代理人弁護士だけです。

家族であっても調停室には入室できず、待合室での待機を求められます。

冒頭説明

調停室へ入室した後は、調停委員から離婚調停の手続説明を受けます。

説明される内容は、以下のとおりです。

  • 調停は、裁判官と調停委員2人で構成される調停委員会が運営すること
  • 調停に関わる人(調停委員、裁判官、裁判所書記官、家庭裁判所調査官など)には守秘義務があり、調停の内容は外部に漏れないこと
  • 調停は、夫婦の合意で紛争解決を目指す手続きであり、裁判所が判断や強制をする手続ではないこと
  • 調停は、申立人と相手方が30分交代で調停室に入室して調停委員に主張や意見を伝え、それを調停委員が相手に伝えることの繰り返しで進行すること
  • 調停の1期日は2~3時間程度で、時間内に合意ができない場合は次回期日を指定すること
  • 夫婦に合意の見込みがないと判断した場合、調停委員会の判断で調停を終了させる場合があること
  • 調停室内の録音録画は禁じられていること

同席調停

近年、第1回調停期日の冒頭説明について、申立人と相手方を調停室に同室させて行う「同席調停」が主流になりつつあります。

しかし、同席調停に関する法律上の規定はなく、実施するか否かは各家庭裁判所や調停委員会の方針によって異なります。

また、DV加害者と被害者の離婚調停、当事者同士が顔を合わせると暴力沙汰になりかねない、当事者の一方が不安定になるおそれがあるなどの場合、事前に申告しておけば、別々に冒頭説明が行われます。

調停室における基本的なマナー

調停室における基本的なマナーについても確認しておくことが大切です。

マナーが悪いと調停委員に良くない印象を与え、「この人のために頑張って調整してあげよう。」という気持ちになってもらえなくなります。

へりくだったりマナーを過剰に意識したりする必要はありませんが、社会人として基本的なマナーは守るべきです。

(挨拶・態度)

  • 入室時は「失礼します。」と挨拶し、ドアを静かに占める
  • 着席時は「よろしくお願いします。」と挨拶する
  • 調停委員の話は、目を見て軽く相槌を打ちながら聞く
  • 話すときは敬語を使う
  • 相手と同席した場合も感情的にならず、平静を装う

(禁止事項)

  • 飲食
  • 録音録画

調停の話し合い

冒頭説明が終わると、調停委員から申立ての動機や経緯について質問されます(同席調停の場合、相手方を退室させた上で質問が始まります。)。

第1回調停期日で質問される内容

質問される内容は、調停委員の力量や申立書などの記載によって異なりますが、以下の内容はほぼ間違いなく聞かれます。

  • 離婚調停申立ての動機・経緯
  • 復縁可能性
  • 離婚条件(子どもの親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割など)
  • 現状(同居・別居、夫婦のやりとり、経済状況、子どもの状態など)

手続きの流れ

調停期日は、申立人と相手方が交互に調停室に呼ばれ、調停委員の質問に答えたり、相手の主張に対する意見を述べたりしながら進行します。

調停1期日が2~3時間程度(午前は午前9時30分~午後0時、午後は午後1時30分~午後4時30分)、一人当たりの1回の持ち時間が約30分なので、申立人と相手方が2~3回ずつ話をすると期日終了の時刻となります。

ただし、時間どおりに進行するか否かは調停委員の力量と当事者次第です。

例えば、話し下手な当事者の話を1時間以上も延々と聞き続けたり、ごねる当事者の説得に時間を費やしたりするケースは珍しくありません。

一方で、相手方が欠席したり、申立人の主張をすべて受け入れて離婚に合意したりして、あっという間に調停が終了することもあります。

タイムリミットがある場合

実務経験上、調停期日は短くなるよりも長くなることが多いため、期日後に予定がある場合は注意が必要です。

子どもの迎えや親の介護などがある場合、調停開始時にあらかじめタイムリミットを調停委員に伝えておくと、伝えた時間までに調停を終わらせてもらえます。

待合室での待機時間

調停室で調停委員と話している以外の時間は、期日前に案内された待合室で待機します。

相手方が調停室に入っている時間に加え、調停委員会が評議(調停委員が裁判官に当事者の主張を伝え、調停の進行を検討する手続き)を行う時間も待ち時間となります。

裁判官は、家庭裁判所の規模や裁判官の人数にもよりますが、1人当たり数百件の家事調停を抱えており、同じ日に10件以上の家事調停が入っていることも多いものです。

また、調停委員が評議を希望しても、他の調停の評議が行われていて順番待ちとなることもあります。

そのため、2~3時間程度の調停期日のうち半分以上は待合室で過ごすことになり、長い場合には1時間以上も待たされることも珍しくありません。

待合室にはテレビもないため、時間を潰すためにスマホや書籍を持っていきましょう。

待ち時間を伝えられないことがある

通常は、待ち時間が長くなりそうな場合、調停委員から説明があり、「○○時までに調停室に戻っておいてください。」と言われるため、時間までは待合室を離れて外の空気を吸いに出たり、一服したりしていられます。

しかし、ただ待合室で待機するよう指示され、長時間待たされるケースも後を絶ちません。

30分以上経過しても調停委員が呼びに来ないようなら、書記官室へ行って担当の裁判所書記官に状況を確認してもらいましょう。

裁判所書記官のところへ行くのは、2つの理由があります。

1つ目は、相手との話が長引いている場合、調停室に入ると相手と鉢合わせしてしまうためです。

2つ目は、調停委員が何の説明もなしに当事者を長時間待たせたということを、家庭裁判所に知らせるためです。

調停委員に確認しても、その場で平謝りされて終わるだけなので、調停を管理する裁判所書記官に伝えることで、暗に調停委員の指導と対応の改善を促すのです。

次回期日の指定

調停期日内に夫婦が合意に至らなかった場合、次回期日を指定して調停期日を終え、次回に持ち越しとなります。

次回期日は、担当裁判官が家事調停を行う曜日と時間帯で、裁判官と調停委員(家庭裁判所調査官が立ち会う場合は調査官)、当事者双方とその代理人の予定が空いていて、調停室も空きがある日時に指定されます。

なお、近年、次回期日指定の前後に、調停期日の振り返りを行う家庭裁判所が増えています。

振り返りの内容は家庭裁判所によって異なりますが、一般的には以下のような内容の確認が行われます。

  • 調停期日の到達点(夫婦が合意した、または合意しなかった内容の概要)
  • 次回期日までの課題(検討事項や提出物など)
  • 留意事項(調停内で合意した内容を除いて当事者間のやりとりを控えるなど)

振り返りについても、冒頭説明と同じく、申立人と相手方を同席させて行う家庭裁判所がありますが、同席できない事情を伝えていれば、個別に行ってもらえます。

弁護士に依頼した場合

弁護士に依頼した場合、次回期日の指定が難航する傾向にあります。

多忙な弁護士ほど予定が空いておらず、弁護士の都合で次回期日が数ヶ月先になることも珍しくありません。

何とか都合をつけようとする弁護士もいますが、自分の予定を優先する弁護士が多いため、あらかじめ期日の間隔が長くなることは覚悟しておかなければなりません。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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