離婚後の手続き一覧リスト!子供の扶養などやること32個の順番は?

離婚後は、「離婚後の生活に必要」または「必要ではないがしておきたい」手続きがたくさんあります。

例えば、苗字を旧姓に戻すか婚姻中のままにするか、子供の扶養・姓と戸籍、健康保険と年金、運転免許証、児童扶養手当などがあり、いずれも大切な手続きばかりです。

とにかく手続きの数が多く、通知が来ないものもあるので、思いつくままに手続きをしていると漏れや期限超過といったミスにつながります。

そのため、離婚後の手続き一覧表やリストを確認し、優先順位をつけて一つひとつ確実に手続きを済ませることが重要になります。

この記事では、離婚後の手続きの一覧表リストを表示するとともに、個々の手続きについて「手続きをする時期」「手続きをする人」、「必要書類」、「提出先」を解説します。

特定の手続きについて知りたい場合は、目次から目当ての項目まで移動してください。

離婚後の手続一覧表(リスト形式)

離婚後の手続きは、4つの手続きに分類することができます。

離婚後の手続きの4分類
  • 戸籍や住所の手続き
  • 年金や保険の手続き
  • 日常生活に必要な手続き
  • 離婚後の生活支援の手続き

まずは、各手続きの種類と手続きをする時期について一覧表リストで確認しておきましょう。

離婚後に必須の手続きについては、手続きの名称の後に「」印をつけています。

離婚後の手続一覧表(リスト):戸籍や住所の手続き

子供の戸籍や氏(苗字)、住民票に関する手続きです。

手続きの種類手続きをする時期
子の氏の変更許可の審判の申立て★※離婚後に別の姓になった親子の姓を同じにしたいとき
子供の入籍届★※離婚後に別の戸籍に入った親子の戸籍を同じにしたいとき
住民異動の届出(転居・転入・転出、世帯主変更届)住所や世帯主が変わるとき

※婚姻時に相手の戸籍に入って苗字が変わった人(多くは妻)が子供を引き取る場合は必須

子の氏の変更許可の審判と子供の入籍届はセットの手続きであり、片方だけ手続きをしただけでは子供の氏も戸籍も変動しません。

離婚後の手続一覧表(リスト):年金や保険の手続き

年金や保険の手続きに関する手続きです。

手続きの種類手続きをする時期
国民健康保険の加入手続き★※元夫または元妻の扶養家族でなくなったときから14日以内
国民年金の変更手続き★※元夫または元妻の扶養家族でなくなったとき
社会保険の変更手続き★※扶養家族に変更があったとき
厚生年金の変更手続き★※扶養家族に変更があったとき

※婚姻中に加入していた保険や年金、離婚後の職業の有無や職種によって必要な手続きが異なる

離婚後の手続一覧表:日常生活に必要な手続き

日常生活で使用する運転免許証などの苗字や住所の変更、離婚に伴って子供が転校した場合の手続きなどが含まれています。

手続きの種類手続きをする時期
運転免許証本籍、住所、苗字を変更したとき
クレジットカード苗字や住所を変更したとき
預貯金通帳苗字や住所を変更したとき
パスポート本籍、苗字、住所を変更したとき
印鑑登録印鑑、苗字、住所を変更したとき
子供の転校、入学離婚後に子供が転校するとき
婚氏続称の届出★※離婚の日から3ヶ月以内

※婚姻中の氏を使用する場合のみ

※離婚後も婚姻中の苗字を名乗りたい場合は必須

離婚後の手続一覧表(リスト):離婚後の生活支援の手続き

手続きの種類手続きをする時期
児童扶養手当母子(父子)家庭になり、収入など一定の条件を満たすとき
母子家庭の住宅手当・家賃補助母子家庭になり、収入など一定の条件を満たすとき
母子生活支援施設一定の入所要件を満たすとき
ひとり親家庭医療費助成母子家(父子)家庭になり、収入など一定の条件を満たすとき
国民健康保険料の減免収入など一定の要件を満たすとき
国民年金保険料の免除収入など一定の要件を満たすとき
住民税の免除(非課税)収入など一定の要件を満たすとき
所得税の免除収入など一定の要件を満たすとき
保育料の減免収入など一定の要件を満たすとき
公共交通機関の割引収入など一定の要件を満たすとき
幼稚園の補助金収入など一定の要件を満たすとき
就学援助制度(小・中学校)収入など一定の要件を満たすとき
就学支援金制度(高校)収入など一定の要件を満たすとき
高校生等奨学給付金制度収入など一定の要件を満たすとき
母子家庭自立支援給付金制度収入など一定の要件を満たすとき
上下水道料金の減免収入など一定の要件を満たすとき
粗大ごみの手数料の減免収入など一定の要件を満たすとき
寡婦控除収入など一定の要件を満たし、年末調整・確定申告をするとき

離婚後の生活支援の手続きは、国が実施しているものと自治体が独自に実施しているものがあります。

上記一覧リストに表示した以外にも、各自治体が独自に離婚後の生活支援制度を設けていることがあるので、住んでいる地域の市区町村役場で確認してみてください。

離婚後の手続:戸籍や住所の手続き

では、離婚後の手続きについて一つひとつ解説していきます。

まずは、子供の戸籍や住所の手続きです。

戸籍や住所の手続き
  • 子の氏の変更許可審判の申立て
  • 子供の入籍届
  • 住民異動の届出(転居・転入・転出、世帯主変更届)

子の氏の変更許可の審判

手続きをする時期離婚後に別の姓になった親子の姓を同じにしたいとき
申立てをする人
  • 子供が15歳未満:親権者など法定代理人
  • 子供が15歳以上:子供本人
必要書類
  • 申立書
  • 子供の戸籍謄本(父母の離婚や親権者の記載があるもの)
  • 子供が入籍を希望する戸籍の謄本(父母の離婚の記載があるもの)
  • 同意書(子供が入籍を希望する戸籍に父母が異なる15歳以上の人がいる場合)
  • 印鑑(認印)
  • 顔写真付きの身分証明書
申立て先子供の住所地を管轄する家庭裁判所

子の氏の変更許可の審判とは、親の離婚などで子供の氏(苗字)と父または母の氏が別になった場合に、子供の氏を父または母の氏に変更することの許可を求める手続です。

親の戸籍については、協議離婚の場合は、離婚届が受理されて離婚が成立すると自動的に変動し、その他(調停離婚、審判離婚、裁判離婚)の場合は、離婚が成立したことを市区町村役場に届け出ることで変動します。

原則として、婚姻時に氏(苗字)を改めた人が婚姻中の戸籍から出て復籍または新戸籍を編成することになります。

しかし、子供の戸籍については、離婚が成立しただけでは自動的に変動せず、子の氏の変更許可の審判と入籍届の手続きを行う必要があります。

子供の入籍届

手続きをする時期離婚後に別の戸籍に入った親子の戸籍を同じにしたいとき
届け出をする人
  • 子供が15歳未満:親権者など法定代理人
  • 子供が15歳以上:子供本人
必要書類
  • 入籍届
  • 「子の氏の変更許可」の審判の審判書謄本
  • 子供の戸籍謄本
  • 子供が入籍を希望する戸籍の謄本
  • 印鑑(認印)
  • 顔写真付きの身分証明書
届出先子供の本籍地または届出人の所在地の市区町村役場

入籍届とは、ある人をある戸籍に入籍させるための手続きです。

「子の氏の変更許可」の審判は、家庭裁判所が子供の氏(苗字)の変更を許可する手続きであり、戸籍は変動しません。

許可の審判が確定した後(審判書謄本が届いた日の翌日から2週間が経過した後)、市区町村役場で子供の入籍届を行うことで、子供の戸籍が変動し、と氏(苗字)が変更されます。

なお、審判書を作成せず、申立書の余白に申立てを許可する旨の主文を入れて押印する運用をする家庭裁判所があります。

その場合は、審判書謄本の代わりに「申立てを許可する旨の主文と家庭裁判所の押印がある申立書」を提出してください。

住民異動の届出(転居・転入・転出、世帯主変更届)

手続きをする時期住所や世帯主が変わるとき
届け出をする人
  • 住所が変わる人(同じ市区町村内の転居または違う市区町村への転居)
  • 世帯主になる人
必要書類
  • 転居届:同じ市区町村内への転居の場合
  • 転出届、転入届:違う市区町村への転居の場合
  • 世帯主変更届:世帯主が変わった場合
  • 国民変更保険証:世帯主が変わった場合
  • 印鑑(認印)
  • 顔写真付きの身分証明書
届出先子供の本籍地または届出人の所在地の市区町村役場

住民異動の届出とは、離婚後に転居したり世帯主になったりした場合に行う手続きです。

転居届、転出届・転入届

転居届、転出届・転入届とは、離婚後などに転居した場合に行う届出です。

同じ市区町村内への転居の場合は、住んでいる地域の市区町村役場に転居届を提出します。

違う市区町村への転居の場合は、住んでいた地域の市区町村役場に転出届を、転居先の地域の市区町村役場に転入届を提出します。

世帯主変更届

世帯主変更届とは、離婚後などに世帯主が変わった場合に行う届出です。

離婚して母子家庭(または父子家庭)のシングルマザー(またはシングルファザー)になった場合、住んでいる地域の市区町村役場に世帯主変更届を提出します。

一方で、離婚後に実家で生活を始めた場合は、実家の父または父母が世帯主になることが多いものです。

離婚後の手続:年金や保険の手続き

離婚後は、年金や保険の手続きが必要になります。

年金や保険の手続き
  • 国民健康保険の加入手続き
  • 国民年金の変更手続き
  • 社会保険の変更手続き
  • 厚生年金の変更手続き

国民健康保険の加入手続き

手続きをする時期元夫または元妻の扶養家族でなくなったとき

※離婚後14日以内

届け出をする人
  • 扶養家族でなくなった人
  • 別の国民健康保険世帯に入った人
必要書類
  • 国民健康保険被保険者取得届
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 離婚届受理証明書
  • 健康保険証
  • 印鑑(認印)
  • 顔写真付きの身分証明書
届出先住んでいる地域の市区町村役場

婚姻中に夫または妻の健康保険の扶養に入っており、離婚後に会社の健康保険に加入しない場合は、国民健康保険の加入手続きを行わなければなりません。

例えば、自営業を営んでいる、無職、別の国民健康保険世帯に入ったなど、他の健康保険に加入しない場合に手続きを行う必要があります。

必要書類のうち健康保険資格喪失証明書は、元夫または元妻の勤務先の健康保険組合などで発行される書類で、離婚後、元夫または元妻に頼んで取得してもらう必要があります。

婚姻中から国民健康保険に加入していた場合

婚姻中から国民健康保険に加入しており、離婚後も継続する場合は、世帯変更届を行います。

自分を世帯主として、子供を引き取った場合は子供を被保険者として手続きをします。

離婚後に転居した場合

国民健康保険の管轄は、地域の市区町村役場です。

したがって、離婚後に違う市区町村へ転居した場合、転居前の地域の市区町村役場で脱会手続きをした上で、転居先の市区町村役場で改めて加入手続きをしなければなりません。

注意したいのは、保険料の二重払いです。

転居前に脱会手続きをせず、転居先で加入手続きをした場合、健康保険料を二重に支払うことになりかねません。

離婚後に勤務先の健康保険に加入する場合

婚姻中は元夫または元妻の勤務先の健康保険の扶養に入っていて、離婚後は自分の勤務先の健康保険に加入する場合は、国民健康保険の脱会手続きと勤務先の健康保険への加入手続きが必要です。

勤務先の健康保険の加入手続きは、担当部署に依頼すれば、提出書類や添付資料などを教えてもらうことができます。

一方で、国民健康保険の脱会手続きは、国民健康保険の資格を喪失してから14日以内に、自ら手続きを行う必要があります。

以下の資料を準備した上で、住んでいる地域の市区町村役場で手続を行ってください。

必要書類
  • 国民健康保険被保険者資格喪失届
  • 国民健康保険証
  • 勤務先の健康保険の健康保険証または資格取得証明書

国民年金の変更手続き

手続きをする時期元夫または元妻の扶養家族でなくなったとき
届け出をする人国民年金の種別が変わる人
必要書類
  • 年金手帳
  • 離婚届受理証明書
  • 印鑑(認印)
  • 顔写真付きの身分証明書
届出先住んでいる地域の市区町村役場

婚姻中は元夫または元妻の扶養家族(第3号被保険者)で、離婚後に厚生年金の適用事業所で勤務しない場合(第1号被保険者)、国民年金の種別変更の手続きが必要になります。

被保険者の種類
  • 第1号被保険者:第2号被保険者と第3号被保険者を除く全ての人
  • 第2号被保険者:厚生年金に加入している人
  • 第3号被保険者:第2号被保険者の配偶者で収入が一定基準以下の人

被保険者の種別と職業、加入年金についてまとめると、以下のとおりです。

被保険者の種別概要職業
第1号自ら国民年金保険料を納付している、第2号被保険者と第3号被保険者以外の国民年金加入者
  • 自営業
  • 学生
  • 無職など
第2号厚生年金の加入者
  • 会社員
  • 公務員など
第3号20歳以上60歳未満で第2号被保険者に扶養される配偶者
  • 専業主夫
  • 専業主夫など

離婚後に厚生年金の適用事業所で勤務する場合

厚生年金の適用事業所で勤務する場合、勤務先の厚生年金に加入することになります。

勤務先の担当部署から提出書類と添付資料について説明されるので、それに従って提出すれば勤務先が手続きを行ってくれます。

社会保険の扶養変更

手続きをする時期扶養家族に変更があったとき
届け出をする人社会保険の加入者のうち、以下に当てはまる人

※婚姻中に配偶者を扶養に入れていた

※離婚後に子供を引き取るなどして扶養親族ができた

必要書類
  • 戸籍謄本(離婚の記載があるもの)
  • 健康保険証
  • 印鑑(認印)
届出先勤務先

会社に勤務し、健康保険や労災保険などの社会保険に加入していて、離婚により扶養家族に変更が生じた場合は、勤務先の上司や担当部署にその旨を報告する必要があります。

原則として、手続き自体は勤務先が行い、離婚した人は担当部署の指示に従って書類を作成し添付資料を提出します。

厚生年金の扶養変更

手続きをする時期扶養家族に変更があったとき
届け出をする人厚生年金の加入者のうち、以下に当てはまる人

※婚姻中に配偶者を扶養に入れていた

※離婚後に子供を引き取るなどして扶養親族ができた

必要書類
  • 戸籍謄本(離婚の記載があるもの)
  • 年金手帳
  • 印鑑(認印)
届出先勤務先または年金事務所

勤務先で厚生年金に加入していて、離婚により扶養親族に変更が生じた場合は、勤務先の上司や担当部署に報告し、手続を行ってもらう必要があります。

通常は、社会保険の扶養変更と一緒に勤務先が手続きを行ってくれます。

離婚後の手続:日常生活に必要な手続き

期限がない手続きが多いですが、日常生活への影響が大きいため、離婚後できる限り早い時期に手続きをしておきたいものです。

離婚届を提出して受理された当日に離婚の記載がある住民票を取得し、その日のうちに手続きを済ませると効率的です。

日常生活に必要な手続き
  • 運転免許証
  • クレジットカード
  • 預貯金通帳
  • パスポート
  • 印鑑登録
  • 子供の転校、入学
  • 婚氏続称の届出

運転免許証

手続きをする時期本籍、住所、苗字を変更したとき
届け出をする人本籍、住所、苗字が変わった人
必要書類
  • 住民票(本籍が記載されているもの)
  • 運転免許証
  • 写真(他の都道府県へ転居した場合)
  • 印鑑(認印)
届出先住所地を管轄する警察署、運転免許センター

離婚により本籍、住所、苗字が変わった場合、運転免許証の記載変更を行う必要があります。

住所地を管轄する警察署や運転免許センターで、「運転免許証記載届変更届」に必要事項を記入して必要書類と一緒に提出すると、職員がチェックし、問題がなければ運転免許証の裏面に変更事項が記載されます。

原則として、離婚しても運転免許証の表面の記載は変更されず、次回の更新まで待つことになります。

ただし、離婚後に他の都道府県へ転居した場合は、表面も変更された運転免許証が交付されます。

クレジットカード

手続きをする時期住所や苗字を変更したとき
届け出をする人住所や苗字が変わった人
必要書類カード会社によって異なる
届出先カード会社

離婚後は、クレジットカード会社に住所や苗字が変わったことを届け出て、新しいカードを発行してもらう必要があります。

必要書類はカード会社によって異なるため、事前に確認してください。

届出を忘れるとカードが使用不可になったり、クレジットカード会社からの郵便が届かなくなったりすることがあります。

預貯金通帳

手続きをする時期住所や苗字を変更したとき
届け出をする人住所や苗字が変わった人
必要書類金融機関によって異なる
届出先金融機関

離婚によって住所や苗字が変わった場合、預貯金口座を開設している金融機関にも届出を行わなければなりません。

届出をしないと、金融機関からの郵便が届かなくなるおそれがあります。

パスポート

手続きをする時期本籍、住所、苗字を変更したとき
届け出をする人本籍、住所、苗字が変わった人
必要書類
  • 戸籍謄本(離婚の記載があるもの)
  • パスポート
  • 印鑑(認印)
届出先住んでいる地域のパスポートセンター(旅券申請窓口)または出張所

離婚後は、パスポートの記載事項を変更する手続も必要です。

変更しないままだと、海外旅行へ出かけることができなくなります。

印鑑登録

手続きをする時期印鑑、住所、苗字を変更したとき
届け出をする人印鑑、住所、苗字が変わった人
必要書類
  • 印鑑登録カード
  • 新しく登録する印鑑
  • 顔写真付きの身分証明書
届出先住んでいる地域の市区町村役場

婚姻中に印鑑登録をしていた場合、離婚によって使用する印鑑などが変わると、印鑑登録の変更が必要になります。

印鑑登録の変更を行わないままだと、車や家の購入などの法律行為ができません。

子供の転校、入学

手続きをする時期離婚後に子供が転校するとき
届け出をする人
  • 親権者などの法定代理人
  • 子供本人(15歳以上の場合)
必要書類
  • 新しい住所地の住民票
  • 在学・就学証明書
  • 教科書受給証明書
届出先
  • 転校前の学校
  • 転校後の学校
  • 市区町村役場

離婚後、婚姻中に住んでいた家を出て他地域へ転居する場合、子供を転校させなければならないことがあります。

しかし、転校をさせるか否かは、子供の希望を踏まえて慎重に判断しなければなりません。

親の離婚を経験した子供は、強い不安やストレスを抱えます。

そうした状態でさらに学校まで変わって生活環境が一変すると、子供の精神的な負担は計り知れません。

そのため、離婚後に子供を転校させようと考えている場合は、まず、子供と十分に話し合い、子供の希望を聞いてあげましょう。

子供が転校を嫌がり、親の離婚後も通い慣れた学校への通学を希望した場合、学校の先生に相談して校区外通学などを検討してください。

どうしても転校が必要な場合、せめて転校のタイミングや転校先の学校については、子供の希望を尊重してあげましょう。

婚氏続称の届出

手続きをする時期離婚の日から3ヶ月以内

※婚姻中の氏を使用する場合のみ

届け出をする人離婚後に婚姻前の氏(旧姓)に復した人
必要書類
  • 戸籍謄本(離婚の記載があるもの)
  • 印鑑(認印)
  • 顔写真付きの身分証明書
届出先届出人の本籍地または所在地を管轄する市区町村役場

婚氏続称とは、離婚により旧姓に戻った人が、離婚後も婚姻中の氏(婚氏)を使い続けるための手続きです。

婚姻時に氏を変更した人は、離婚すると原則として旧姓に戻ります(復氏)。

しかし、勤務先や子供の学校の都合などにより、婚姻中の氏を使い続けたいと希望する親が一定数いることから、婚氏続称の届出という制度が設けられています。

婚氏続称の届出は、必ず離婚の日から3ヶ月以内にしなければならない

婚氏続称の申出は、離婚の日から3ヶ月以内に届出を行う必要があります。

離婚の日から3ヶ月を過ぎると、どのような理由があっても婚氏続称の届出は受け付けてもらえません。

期間経過後に氏の変更を希望する場合は、家庭裁判所に「氏の変更許可」の審判を申し立てる必要があります。

氏の変更が認められるのは「やむを得ない事情」がある場合のみで、婚氏続称の届出と比較すると氏を変更するためのハードルが高くなります。

婚氏続称後の戸籍

婚氏続称の届出が受理されると、届出人を筆頭者とした新戸籍が編成されます。

届出人の戸籍事項欄には、婚氏続称(戸籍法77条の2の届出)をした事実と届出年月日が記載されることになります。

他の市区町村への転籍や戸籍の改製があった場合、戸籍の身分事項欄に記載される離婚の年月日や方法などは新しい戸籍に記載されませんが、婚氏続称は記載されます。

したがって、転籍や改製をしても、婚氏続称の記載から離婚の事実が分かります。

離婚後の手続:離婚後の生活支援の手続き

離婚後の生活支援制度には、児童扶養手当(母子手当)をはじめ手当金などの収入が得られるものと、税金の減免など支出を抑えることができるものがあります。

種類が多い上に、国の制度だけでなく各自治体が独自で実施している制度もあるため、住んでいる地域の自治体に事前確認をしてください。

この記事では、全国的に実施されていて、母子家庭のシングルマザーの多くが手続きを行っている児童扶養手当、ひとり親家庭医療費助成、寡婦控除について解説します。

離婚後の生活支援の手続き
  • 児童扶養手当
  • 母子生活支援施設
  • ひとり親家庭医療費助成
  • 国民健康保険料の減免
  • 国民年金保険料の免除
  • 住民税の免除(非課税)
  • 所得税の免除
  • 保育料の減免
  • 公共交通機関の割引
  • 幼稚園の補助金
  • 就学援助制度(小・中学校)
  • 就学支援制度(高校)
  • 高校生等奨学給付金制度
  • 母子家庭自立支援給付金制度
  • 上下水道料金の減免
  • 粗大ごみの手数料の減免
  • 寡婦控除

児童扶養手当

手続きをする時期母子家庭(父子家庭)になったとき
届け出をする人所得制限などの要件を満たす母または父
必要書類
  • 戸籍謄本(離婚の記載があるもの)
  • 住民票(世帯全員の記載、本籍、続柄、世帯主の氏名の表示があるもの)
  • 請求者名義の預貯金口座番号
  • 課税・所得証明書
  • 印鑑(認印)
  • 年金手帳
  • 健康保険証
  • マイナンバー
届出先住んでいる地域の市区町村役場

児童扶養手当とは、自立促進寄与と児童福祉の増進のために、ひとり親家庭で子育て中の所得が低い養育者に支給される手当です。

児童扶養手当の支給要件

国籍を問わず日本国内に住所があり、以下のいずれかの要件に当てはまる子供(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)を養育している人です。

児童扶養手当の支給要件
  1. 父母が離婚した(婚姻を解消した)子供
  2. 父または母が死亡した子供
  3. 父または母に一定基準以上の障害がある子供
  4. 父または母の生死が不明な子供
  5. 父または母から1年以上遺棄されている子供
  6. 父または母が裁判所から保護命令を受けている子供
  7. 父または母が1年以上拘禁されている子供
  8. 法律上の婚姻関係にない(婚姻届を提出・受理していない)父母から生まれた子供
  9. 孤児など父母が不明な子供

子供が里親委託された、施設に措置入所したなどの事情により、実際に子供を養育していない場合は支給対象外です。

児童扶養手当の支給金額(2019年度、令和元年度)

児童扶養手当の支給金額は、養育する「子供の人数」と「父母などの前年の所得(収入)」によって変動します。

父母などの前年所得(収入)で支給区分(全額支給、一部支給、不支給)が、子供の人数で支給金額が決定されます。

2019年度(令和元年度)の支給金額は、以下のとおりです。

子供の人数全額支給(月額)一部支給(月額)
1人42,910円42,900円~10,120円
2人53,050円53,030円~15,190円
3人59,130円59,100円~18,230円

児童扶養手当の所得制限

児童扶養手当には所得制限があります。

扶養親族の人数全額支給一部支給同居する扶養義務者など
0人49万円未満192万円未満236万円未満
1人87万円未満230万円未満274万円未満
2人125万円未満268万円未満312万円未満
3人163万円未満306万円未満350万円未満

扶養人数が1人増えるごとに所得制限限度額が38万円ずつ増額されます。

児童扶養手当の支給金額は、前年度または前前年度の所得と扶養状況で決定されます。

そのため、前年度は夫が子供を扶養し、今年度は夫婦が離婚して妻が子供を扶養する場合、前年度を基準として所得制限限度額を確認します。

児童扶養手当の所得年度

児童扶養手当の審査対象となる所得年度は、申請する時期によって異なります。

申請時期所得年度
1月~6月前前年度の所得
7月~12月前年度の所得

申請する時期によって提出する課税・所得証明書の年度が異なるため、注意してください。

支給時期

支給期対象期間支給日
4月期12月~3月分4月11日
8月期4月~7月分8月11日
12月期8月~11月分12月11日

指定口座への銀行振込により支払われます。

2019年11月分の児童扶養手当からは、支払回数が2ヶ月分ずつ年6回に変更されます。

ひとり親家庭医療費助成

手続きをする時期母子家庭(父子家庭)になったとき
届け出をする人所得制限などの要件を満たす母または父
必要書類
  • 申請者と子供の戸籍謄本
  • 申請者と子供のマイナンバー通知カードまたは個人番号カード
  • 申請者と子供の保険証
  • 顔写真付きの身分証明書
  • 申請者の住民税課税証明書・住民税非課税証明書
  • 児童扶養手当証書
  • 印鑑(認印)
届出先住んでいる地域の市区町村役場

ひとり親家庭医療費助成制度とは、ひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)の親や子供、父母がいない子供の医療費について、自己負担部分の一部または全部が助成される制度です。

ひとり親医療費助成制度の対象

助成対象になるのは、健康保険に加入していて、所得が各市区町村の定める限度額以下であることに加え、以下のいずれかに当てはまる人です。

ひとり親医療費助成制度の対象者
  • 子供を監護しているひとり親家庭(母子家庭、父子家庭)などの母または父
  • 両親がいない子供(孤児、棄児)などを育てている養育者
  • ひとり親家庭等の子供
  • 養育者に養育されている子供

助成対象となる子供は、「18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)まで」の子供です。

所得制限を超える世帯や生活保護世帯、子供が施設へ措置入所または里親委託されているなどの場合、対象外となります。

助成の範囲

一般的な助成の範囲(金額)は、以下のとおりです。

ひとり親医療費助成制度の助成の範囲
  • 各種医療保険(国民健康保険や健康保険など)の自己負担分から一部負担金を差し引いた金額
  • 医療費の自己負担分の全額
  • 医療費の自己負担分の一部
  • 市区町村が設定する上限額を超えた医療費の自己負担分の全額

市区町村によって異なることがあります。

助成の対象

医療費のうち助成の対象となるものとならないものをまとめると、以下のとおりです。

助成の対象となる
  • 医療保険の対象となる医療費
  • 薬剤費など
助成の対象とならない
  • 健康診断の費用
  • 予防接種の費用
  • 薬の容器代
  • 入院時の食事代
  • 入院時の差額ベッド代
  • 紹介状を持たず受診した200床以上の病院の初診料
  • 高額医療費・付加給付に該当する医療費
  • 他の公費医療で助成される医療費など

所得制限

ひとり親家庭医療費助成には所得制限が設けられています。

扶養人員所得制限額【収入額(目安額)】
母もしくは父または養育者孤児などの養育者、扶養義務者など
0人192万円未満【約311.4万円未満】236万円未満【約372.5万円未満】
1人230万円未満【約365万円未満】274万円未満【約420万円未満】
2人268万円未満【約412.5万円未満】312万円未満【約467.5万円未満】
3人306万円未満【約460万円未満】350万円未満【約515万円未満】
4人以上の場合1人増加ごとに38万円を加算した額未満

助成の開始日

原則として担当窓口で申請が受理された日です。

児童扶養手当を受けている、1月2日以降に転入した、世帯の構成員が変わって所得制限を超えないなどの場合は、変更があった日が助成の開始日です。

寡婦控除

手続きをする時期確定申告をするとき
届け出をする人所得制限などの要件を満たす母または父
必要書類確定申告書
届出先住んでいる地域の税務署

寡婦控除とは、一般の寡婦が納税するときに、所得から一定の金額を差し引くことができる制度です。

寡婦とは、「法律上の婚姻をした夫と死別や離婚をした後に再婚をせず、または夫が生死不明で、子供や扶養親族を養う女性、」または「夫と死別した後に再婚せず、または夫が生死不明で、合計所得金額が500万円以下の女性」のことです。

寡婦控除の種類

寡婦控除には、3つの種類があります。

寡婦控除の種類
  • 寡婦控除
  • 寡婦控除(特別の寡婦)
  • 寡夫控除

寡婦控除の控除額

寡婦控除は、所得税と住民税に適用され、それぞれ差し引くことができる金額が異なります。

区分所得税住民税
寡婦控除27万円26万円
寡婦控除(特別の寡婦)35万円30万円
寡夫控除27万円26万円

離婚後の手続きの順番

離婚後の手続きを行う順番には特に規定はありません。

しかし、離婚後の手続き一覧表に「★」印を付けた「離婚後に必須の手続き」は、離婚後すぐに手続きをしておかないと、離婚後の生活に支障が出る可能性があります。

また、国民健康保険の加入や婚氏続称の届出など期限がある手続きは、期限内に行わないと離婚後の生活に不利益が及ぶため、意識して早めに手続きすることが大切です。

子供を扶養に入れる手続きなどお金に関する手続きについても、手続きしないままだと不正受給になるおそれがあるので、やはり離婚してから時間が経たないうちに手続きを済ませておきたいところです。

といっても、「自分の場合は何から手を付ければ良いのか分からない」という人も多いと思うので、モデルケースを示しておきます。

モデルケース:専業主婦だった妻が子供を引き取った場合
  • 性別:女性
  • 苗字:婚姻中は夫の氏を名乗り、離婚後も継続
  • 仕事:婚姻中は専業主婦、離婚後はパート
  • 子供:親権者になって引き取る
  • 住居:実家に戻る
  • 保険:婚姻中は夫の扶養、離婚後は国民健康保険
  • 年金:婚姻中は夫の扶養、離婚後は国民年金

離婚して母子家庭(シングルマザー)になった女性に多いケースです。

戸籍や住所の手続き

離婚して実家に戻っているので、住民異動の届出(同じ市区町村内なら転居届、違うなら転出・転入届)が必要です。

また、女性自身は離婚して夫の戸籍から出ますが、子供は夫の戸籍に残ったままなので、家庭裁判所で子の氏の変更許可審判をして、市区町村役場で子供の入籍届を提出することになります。

【必要な手続き】

  • 住民異動の届出
  • 子の氏の変更許可審判
  • 子供の入籍届

年金や保険の手続き

婚姻中は専業主婦で夫の扶養に入っていたので、離婚して扶養から出た後は、自分で保険に加入しなおし、国民年金の変更手続きする必要があります。

離婚後にパート勤務を始めているので国民健康保険に加入することになります(正社員として会社に勤めた場合は社会保険に加入する)。

夫の扶養家族でなくなったときから14日以内に手続する必要があるので、離婚後すぐに着手したい手続きです。

国民年金については、被保険者の種別や住所などを変更します。

  • 国民健康保険の加入手続き
  • 国民年金の変更手続き

日常生活に必要な手続き

離婚後も婚姻中の苗字を名乗り続ける場合、市区町村役場で婚氏続称の手続きをする必要があります。

婚氏続称の手続きをすると新しく戸籍が編成され、そこに子供を入れることになるので、子供の入籍手続きと一緒にできると手間が省けます。

ただし、婚氏続称は3ヶ月以内にする必要がある(期限を過ぎると事情に関わらず手続きできない)ので、期限を意識しておく必要があります。

婚姻中の苗字を名乗り続けるなら、運転免許証、クレジットカード、預貯金通帳、パスポート、印鑑登録の苗字変更は不要ですが、実家に戻っているので住所変更が必要です。

離婚に伴って子供を転校させた場合は、天候の手続きが必要になります。

  • 運転免許証の住所変更
  • クレジットカードの住所変更
  • 預貯金通帳の住所変更
  • パスポートの住所変更
  • 印鑑登録の住所変更
  • 子供の転校手続き
  • 婚氏続称の届出

離婚後の生活支援の手続き

実家に戻って父母の援助が得られる状態ですが、所得などの要件を満たす場合は児童扶養手当やひとり親家庭医療費助成の手続きをします。

また、保険や年金、税金、保育料、授業料、上下水道料金などの減免措置を受けられることも多いので、住んでいる地域の市区町村役場に問い合わせ、必要な手続きをすることになります。

  • 児童扶養手当
  • ひとり親家庭医療費助成

まとめ

離婚後は、離婚紛争で傷ついた心を抱えながら新しい生活を軌道に乗せるために頑張らなければなりません。

そんな中でいくつも手続きをこなすのは、正直なところ、とてもしんどいことです。

しかし、離婚後にする手続きの多くは、その後の生活のために必要なもので、手続きをしないままだと日常生活に支障が出たり、受けられるはずの支援が受けられなくなったりします。

そのため、離婚後の優先事項の一つに位置付け、早めに済ませてしまうことが大切です。

この記事では、離婚後に必要な手続きを網羅的に解説しましたが、一人ひとり必要な手続きが異なるので、会社や役場の窓口で「離婚したんですが、どんな手続きが必要ですか」と聞いてみる必要があります。

ポイントは、複数の窓口で確認することです。

というのも、各窓口は担当する業務しか把握できていないことが多いからです。

そのため、仕事をしていれば会社の総務課、会計課、人事課には確認が必要ですし、役場でも戸籍担当課、子育て福祉課、年金担当課などを訪ねることになるはずです。

まずは、この記事の「離婚後の手続き一覧リスト」で必要そうな手続きを確認し、担当の窓口に確認してみてください。

この記事が、離婚後の慌ただしさを和らげる一助になれば幸いです。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
また、マイナンバー、国民年金、税金、養子縁組、青年後見など、日常生活の中で利用する制度や手続きを分かりやすく解説する記事も掲載しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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