離婚届は郵送で提出できる!郵送のデメリット2つと提出方法を解説
- 協議離婚
最終更新日: 2019.07.30
協議離婚する場合、原則として、夫婦一緒にまたは夫婦の一方が離婚届を提出する必要があります。
配偶者に離婚届を改ざんされるリスクを考えると、できる限り自分で離婚届を提出しておきたいところですが、仕事や子育てなどで平日の日中に市区町村役場へ行けない人も多いでしょう。
そんな人のために整備されているのが、離婚届を郵送で提出する方法です。
この記事では、離婚届を郵送で提出するメリットとデメリット、郵送で提出する方法と留意点について解説します。
目次
離婚届を郵送で提出するメリット
離婚届を郵送するメリットは、平日の日中に市区町村役場へ行かなくて良いこと、人目を気にしなくて済むこと、戸籍謄本の取り寄せが不要なこと(本籍地の市区町村役場に郵送する場合)です。
平日の日中に市区町村役場に行かなくて良い
離婚届を郵送することにより、平日の日中に市区町村役場へ行かなくて済みます。
仕事や家事育児で忙しい平日の日中に、離婚届を提出するために時間を作る必要がなくなるのは、大きなメリットです。
人目を気にしなくて済む
離婚届を提出するときは、無性に人目が気になるものです。
通常、自分が感じているほど周囲の人は関心を抱いていませんが、どうしても周囲が気になり、強いストレスを感じる人も少なくありません。
離婚することを公にしていない場合、知人や友人、会社の人などにばったり会って気まずい思いをする可能性もあります。
離婚届を郵送すれば市区町村役場に行く必要がないので、人目を気にしなくて済みます。
戸籍謄本の取り寄せが不要(本籍地の市区町村役場に郵送する場合)
詳細は後で書きますが、離婚届を郵送する場合のあて先は、本籍地のある市区町村役場です。
そして、本籍地のある市区町村役場に離婚届を提出する場合、窓口提出でも郵送提出でも、戸籍謄本を添付する必要がありません。
そのため、本籍地のある市区町村役場が遠方の場合、窓口提出をすると時間・手間・費用がかかりますが、郵送提出であれば郵便切手代だけで済みます。
離婚届を郵送で提出するデメリット
離婚届を郵送するデメリットは、離婚届に不備不足があると受理されないことと、時間がかかることです。
離婚届に不備不足があると受理されない
郵送した離婚届の記載などに不備があったり、添付書類が不足していたりすると離婚届は受理されません。
担当職員から提出者に電話が入り、離婚届が不受理になった理由が伝えられるとともに、役場の開庁時間(平日の日中)に窓口へ来て訂正するよう求められます。
提出にかかる時間と手間を省くために郵送を選択したのに、結局、平日の日中に役場へ行くことになるのです。
時間がかかる
窓口提出の場合、作成した当日に提出することが可能です。
一方で、郵送提出の場合は、離婚届が役場に届くまでに少なくとも1~2日かかります。
土日祝日前だと、処理が翌営業日となって、さらに時間がかかってしまいます。
離婚届を郵送で提出する方法
離婚届を郵送で提出する具体的な方法について解説していきます。
離婚届を郵送する人
原則として、夫または妻です。
事実上、夫婦が作成した離婚届を家族や親族が郵送することもできます(役所側で判別できない)が、送り主は夫または妻の氏名にしておくのが原則です。
使用する離婚届
窓口提出する場合と同じ離婚届です。
市区町村役場の戸籍担当課(名称は自治体によって異なる)で交付してもらうか、役場のウェブサイトからダウンロードして入手します。
離婚届の様式は、戸籍法第76条、第77条(第63条を準用)、第77条の2や戸籍法施行規則に基づく全国共通の様式(色や文言、枠外などは多少の違いがあります)であり、他地域の役場のウェブサイトからダウンロードした離婚届出も使用することができます。
ダウンロードする場合は、以下の点に留意してください。
|
関連記事
郵送による提出先
原則として、本籍地である市区町村役場の戸籍担当課です。
届出人の所在地やその他の市区町村役場に提出することも認められていますが、戸籍謄本を取り寄せて添付する必要があるため、手間がかかります。
郵送による必要書類
離婚届を郵送で提出する場合、以下の書類を添付しなければなりません。
|
協議離婚以外(調停離婚、審判離婚、判決離婚、和解離婚、認諾離婚)の場合も離婚届を提出する必要があります(報告的届出)が、それぞれ上記に加えて添付する書類があります。
|
離婚届を郵送で提出した場合の離婚成立日
離婚届を受理した日です。
窓口提出の場合、不備不足がなければ離婚届の提出日=受理日=離婚成立日となります。
しかし、郵送提出の場合は、郵送日(発送日)と受理日(離婚成立日)は一致しません。
離婚届が不受理になった場合
「離婚届を郵送するデメリット」でも書きましたが、郵送した離婚届の記載に不備があったり、添付書類が不足していたりすると、不受理となります。
離婚届の不備で不受理になった場合、原則として、役場に出向いて訂正しなければならず、郵送のメリットが失われてしまいます。
捨印を活用する
役場に出向く手間を避けるには、離婚届の欄外に捨印をしておく方法があります。
捨印とは、書類の記載の誤りを訂正するために、書類の欄外に捺印しておくことです。
捨印をした離婚届の記載に不備があった場合、担当職員が提出者に確認した上で捨印で訂正作業を行うので、役場に出向かずに済みます(重大な不備の場合はこの限りではありません。)。
なお、添付資料の不足により離婚届が不受理となった場合、不足する資料を追加で郵送することになります。
離婚届が不受理にならないためのチェックポイント
郵送提出した離婚届が不受理になると余計な時間と手間がかかるので、提出前に不備不足の確認をしておくことが重要になります。
捨印をしておく
書き損じや誤字脱字は捨印で対応できます。
欄外に捨印枠があれば枠内に、なければ適当な場所に捨印をしておきます。
黒色ボールペンを使用する
離婚届の作成には、黒色ボールペンまたはサインペンを使用します。
鉛筆、シャープペンシル、フリクション(消えるボールペン)など、書き換えが可能な筆記用具の使用は認められません。
修正は2重線と訂正印
日常生活の中では、書き損じの修正に修正ペンや修正テープを使うことがありますが、離婚届には使用できません。
離婚届に記載した内容を訂正する場合、訂正箇所に2重線を引き、線の上に訂正印を押します。
朱肉を使用する印鑑
離婚届に押印する印鑑は、認印でもかまいませんが、朱肉を使用する印鑑にしてください。
シャチハタ(本体内部にインクが入っているハンコ)やゴム印は認められません。
証人
離婚届には、離婚する夫婦以外の証人2人が生年月日、住所、本籍を記載して署名押印しなければなりません。
成年に達していれば第三者でも問題ありませんが、成年擬制がはたらく人や外国籍の人が証人になる場合は、成年擬制を証明する資料や本国法で成年に達する年齢であることを証明する資料などを添付する必要があり、手間がかかります。
離婚届は休日や夜間でも提出できる
離婚届は、休日や夜間に提出することも認められています。
郵送提出と同じく、平日の日中に役場へ行くことが困難な場合に利用することができます。
離婚届を休日や夜間に提出する方法については、関連記事で詳しく解説しています。
関連記事