セックスレス夫婦の離婚!セックスレスが原因で離婚や慰謝料請求する方法!

セックスレス 離婚

セックスレスが原因で離婚を考える夫婦は一定数います。

しかし、同じ性に関する離婚原因でも、不貞(浮気)の場合は離婚裁判でも離婚が認められやすいですが、セックスレスの場合は定義が曖昧で証明も難しいため、セックスレスだけで離婚を主張することは困難です。

セックスレスを主な理由として離婚を希望する場合、証拠資料の収集など事前準備をしておくことが大切になります。

セックスレスとは

セックスレスとは、病気や障害などの原因がないにも関わらず、夫婦間で性交渉や性的関係がほとんどない状態のことです。

セックスレスの夫婦は、セックスレス夫婦やセックスレスカップルと呼ばれています。

夫婦間に性交渉や性的関係をする義務が課されているわけではなく、夫婦の両方がセックスレスを受け入れていれば問題はありません。

夫婦のいずれも性的欲求がない場合や、加齢により性交渉が自然になくなった場合などは、セックスレスが離婚の原因となることはないでしょう。

しかし、夫婦の一方が性交渉を望んでいるのにもう一方が性交渉に消極的な場合、セックスレスが続くことで夫婦関係が悪化していきます。

その結果、夫婦の一方または両方が、セックスレスまたは性交渉を求められることへの苦痛から離婚を希望することがあります。

セックスレスが離婚と結びつく理由

セックスレスが原因で離婚を考える夫婦が一定数いる理由を見ておきましょう。

性的欲求が満たされない

性欲は、人にとって食欲や睡眠欲などと同程度に重要な欲求です。

食欲や睡眠欲などと異なり、我慢しても死ぬことはありませんが、性欲が満たされないと徐々にストレスが蓄積し、それとともにパートナーとの心の距離も離れてしまう傾向があります。

不倫に結びつきやすい

人の心と身体は互いにリンクしています。

セックスレスによって身体の距離が離れると、心の距離も離れていく傾向があります。

多くの人は、誰かと精神的に繋がりたいと考えているため、夫婦間で繋がりが感じられなくなると他人との関係の中で繋がりを求めるようになります。

分かりやすいのが不貞(浮気)です。

夫婦関係で「満たされない。」、「寂しい。」などと感じているときに他人から優しくされると、頭ではダメだと分かっていても、誘惑に乗ってしまう可能性が高くなります。

実際のところ、「配偶者に性交渉を拒まれるようになった後に不貞をした。」という人は男女ともに少なくありません。

当然、不貞は社会通念上許されることではなく、通常は自制心が働くものですが、セックスレス夫婦の場合は、性交渉のある夫婦よりも自制心が弱まる傾向があると指摘されています。

不貞は、夫婦の信頼関係を根幹から裏切る行為なので、離婚に直結することが少なくありません。

セックスレスの原因

セックスレスの原因は一人ひとり異なりますが、一般的な原因を確認しておきましょう。

  • 相手と関係がマンネリ化し、性的欲求を感じなくなった
  • 仕事や家事育児で疲れている
  • 同居する両親への気兼ね
  • 長い別居生活で男女の関係を意識できなくなった
  • 出産に立ち会った後、妻を女性として見られなくなった
  • 精力の減退
  • 不妊
  • 性的欲求の解消はマスターベーションで足りるようになった

通常は、複数の原因が複雑に絡み合うことでセックスレスになっているため、「セックスレスの原因は何か。」と質問されても、明確に応えることはできません。

性交渉は、お互いの愛情を確かめ合うために大切な行為であり、夫婦の関係性を良好に保つための大切な要素の一つです。

その分、非常にデリケートであり、性交渉を望んで無下に拒絶された経験や、姓交渉中のため息や気のない返事、理由の分からない中断、生理中の性交渉の強要などの配偶者の態度が原因で、性交渉への意欲が減退してしまう人もいます。

セックスレスで離婚を希望する夫婦の数

司法統計では、婚姻関係事件の申立て動機別の事件件数を確認することができます。

申立ての動機 申立人
性格が合わない 11,030件 18,846件
異性関係 2,547件 7,987件
暴力を振るう 1,500件 10,311件
酒を飲み過ぎる 435件 2,964件
性的不調和 2,316件 3,500件
浪費する 2,218件 5,000件
病気 705件 890件
総数 17,918件 47,807件

出典:裁判所|平成29年度司法統計年報|婚姻関係事件数―申立て動機別

※婚姻関係事件とは、夫婦関係調整(離婚・円満)、同居協力扶助、婚姻費用分担事件をまとめたものです。

※申立ての動機は、申立人が挙げた主な動機3個までが集計されています。

家庭裁判所の事件の申立て動機に限定した数値ですが、離婚動機の大まかな傾向を把握することができると考え、掲載しています。

セックスレスは、申立て動機の「性的不調和」に当てはまります。

性的不調和は、夫の申立て動機の第3位、妻の申立て動機の第5位となっており、その全てがセックスレスではないとしても、一定数はセックスレスを理由に離婚を主張していると考えられます。

また、申立て動機総数に占める性的不調和の割合(夫:19.2%、妻:7.3%)から、妻よりも夫の方が性的不調和を理由に離婚を希望する傾向があることが分かります。

セックスレスで夫婦が離婚できるか

セックスレスが原因で夫婦が離婚できるか否かは、離婚の方法によって異なります。

協議離婚

協議離婚とは、夫婦間に離婚の合意があり、市区町村役場で離婚届が受理されることで成立する離婚です。

協議離婚の場合、理由が何であれ夫婦間で離婚の合意ができれば、離婚することができます。

セックスレスが離婚を希望する主な原因だとしても、配偶者が離婚に合意すれば離婚できるのです。

調停離婚(審判離婚)

調停離婚とは、家庭裁判所の調停を利用して夫婦で離婚について協議して離婚する方法です。

調停離婚の場合も、どのような理由であっても夫婦の合意があれば調停が成立し、離婚することができます。

また、離婚やその条件について夫婦間で大筋の合意ができたにも関わらず、夫婦の一方が調停に出頭できない場合や、些細な条件で折り合わない場合などには、家庭裁判所が審判で離婚を決定することがあります(審判離婚)。

審判離婚は、調停における夫婦の合意内容に基づいて離婚の決定を出すため、離婚原因がセックスレスであっても夫婦の合意があれば離婚が認められます。

裁判離婚

裁判離婚とは、家庭裁判所の離婚訴訟を利用して離婚する方法です。

裁判離婚には、認諾離婚、和解離婚、判決離婚の3種類があります。

  • 認諾離婚:被告が原告の請求を全面的に受け入れて離婚する
  • 和解離婚:訴訟手続きの中で夫婦が和解して離婚する
  • 判決離婚:家庭裁判所が判決で夫婦を離婚させるか否かを決める

認諾離婚や和解離婚の場合は、離婚を希望する原因に関わらず、請求の認諾または和解があった時点で離婚が成立します。

一方で、判決離婚の場合、法定離婚事由が存在するか否かが問題となり、存在しないと認定された場合は離婚できません。

法定離婚事由とは、民法第770条第1項に規定された、不貞、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、開腹が困難な重度の精神病、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときの5つです。

セックスレスを主な原因で離婚を主張する場合、セックスレスが「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当てはまるか否かが焦点となります。

つまり、夫婦にとってセックスレスが婚姻を破たんさせるほどに重大な事由であると、家庭裁判所に認定される必要があるのです。

ただし、セックスレスだけでは重大な事由に当てはまらなくても、他の事情と合わせて夫婦関係の破たんが認定されることでも離婚することは可能です。

セックスレスで離婚が認められやすいケースと認められにくいケース

セックスレスを主な原因として離婚を希望する場合、離婚が認められやすいケースと認められにくいケースがあります。

セックスレスで離婚が認められやすいケース

セックスレスを原因とする離婚が認められやすいケースとしては、セックスレスの背景に不貞(浮気)がある場合や、セックスレスが夫婦関係を破たんさせたことを明らかにするだけの証拠資料が揃っている場合です。

セックスレスの背景に不貞(浮気)がある場合

不貞は、法定離婚事由の1つなので、配偶者の不貞を明らかにすることで離婚が認められやすくなります。

実際、セックスレス夫婦の中には、不貞をしている夫または妻が家庭で性交渉を拒否するケースが一定数あります。

セックスレスの背景に不貞がある場合、離婚を決めた理由がセックスレスであっても、不貞を主な理由として離婚訴訟を提起することになります。

証拠資料が揃っている場合

セックスレスが夫婦関係を破たんさせたことを証明する証拠資料が揃っている場合も、離婚が認められやすくなります。

証拠資料としては、以下のような物を挙げることができます。

  • 夫婦の一方が性交渉を拒否し続けていることが分かるメールなどのデータ
  • 性交渉を拒否されたことが原因で夫婦喧嘩を繰り返してきたことが分かる音声やメールのデータ
  • 性交渉を求めて拒絶されたり、性交渉について夫婦で話し合ったりした日を記録したデータまたは紙
  • セックスレスの辛さを綴った日記

証拠資料は、セックスレスが夫婦関係を破たんさせたことが客観的に分かるものである必要があります。

なお、セックスレスの期間が少なくとも1年間以上ないと、いくら証拠資料を揃えても離婚原因としては認められにくいでしょう。

セックスレスで離婚が認められにくいケース

やむを得ない事情でセックスレスになった、夫婦の両方が性交渉を望んでいない、夫婦の時間が確保できない場合は、セックスレスを理由に離婚を請求しても認められにくいものです。

やむを得ない事情でセックスレスになった場合

加齢による身体機能の低下、病気・ケガ・障害などが原因で性交渉が不能または制限されるようになった場合は、いくらセックスレスの辛さを主張しても離婚が認められる可能性は低くなります。

例えば、病気が原因で勃起不全になった、事故が原因で下半身不随になった、心臓の持病が原因で激しい運動が制限されているなどが、やむを得ない事情として考えられます。

夫婦の両方が性交渉を望んでいない場合

夫婦の両方が性交渉を望んでいない場合も、セックスレスを離婚原因として主張することは困難です。

お互いに性的欲求が乏しく性交渉に関心が薄い場合は、そもそもセックスレスが離婚原因となることがないでしょう。

夫婦の時間が確保できない場合

仕事が多忙で帰宅後は寝るだけの生活や、共働きな上に勤務時間が違って夫婦がすれ違う生活を送ることでセックスレスになった場合も、離婚原因として認められる可能性は低いものです。

なお、別の勤務形態を選択したり、早めに帰宅したりすることが可能であるにも関わらず、家庭を避けた生活を送っていることが証明できたとしても、それだけで離婚が認められることはありません。

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セックスレスが原因で離婚する場合の慰謝料

慰謝料とは、不法行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償です。

セックスレス自体は不法行為ではないため、慰謝料請求の対象とはなりません。

セックスレスを原因として離婚を請求する場合、セックスレスが夫婦関係を破たんさせた原因であると主張し、それを証明する必要があります。

しかし、すでに書いたとおり、セックスレスだけが夫婦関係を破たんさせたと証明することは非常に難しく、慰謝料を請求しても認められるケースはごく稀です。

少なくとも私の知る限りセックスレスで慰謝料が得られたケースはありません。

セックスレスの慰謝料の相場を掲載しているサイトがありますが、根拠が示されていないため確認することができません。

セックスレスの背景に不貞がある場合

不貞が原因のセックスレスの場合、配偶者の不貞が婚姻を破たんさせたと主張して慰謝料を請求することができます。

「不貞=婚姻外の異性と性交渉を持つこと」とする判例が多いですが、性交渉をした証拠がなくても慰謝料が認められることがあります。

不貞の慰謝料の相場は、50万円~300万円の範囲がいっぱんてきですが、不貞の期間や頻度、婚姻期間、子どもの有無、不貞をした配偶者の収入などによって変動します。

また、配偶者の不貞相手に対しても、別途、慰謝料請求することができます。

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