配偶者暴力相談支援センターとは?夫や妻のDV暴力を相談する場所

配偶者暴力相談支援センター

配偶者からの暴力について相談する場所として代表的なのが、配偶者暴力相談支援センターです。

配偶者暴力相談支援センターとは

配偶者暴力相談支援センターとは、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下、本文中は「DV防止法」という。)」に基づいて、配偶者からの暴力の防止と被害者の保護を目的として全国の都道府県で開設されている施設です。

配偶者暴力相談支援センターの法的根拠

配偶者暴力相談支援センターは、DV防止法第3条に規定されています。

  1. 都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。
  2. 市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするよう努めるものとする。

(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第3条第1項、第2項)

規定のとおり、都道府県の婦人相談所などが配偶者暴力相談支援センターの機能を果たしている他、市区町村も適切な施設に配偶者暴力相談支援センターの役割を持たせています。

DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)とは

DV防止法とは、配偶者からの暴力に関する相談、通報、保護、自立支援などの体制整備により、配偶者からの暴力の防止と被害者の保護を図るために2001に施行された法律です。

2014年1月3日に改正法が施行され、配偶者だけなく同棲中の交際相手(生活の本拠を共にする交際相手)から暴力を受けた被害者についても対象となり、元々の「「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」から「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」に改められました。

DV防止法における「配偶者」は、男性と女性を問わず、また、事実婚・内縁関係にある人や元配偶者も含まれています。

「暴力」については、身体的暴力だけでなく精神的暴力や性的暴力も含まれますが、保護命令については、身体に対する暴力または生命などに対する脅迫のみを対象とされます。

DV防止法に規定された被害者保護の諸制度

制度 内容(実施機関)
相談 配偶者暴力に関する相談全般を受けつけ、情報提供や支援を行う

(配偶者暴力相談支援センター、警察署など)

一時保護 配偶者からの暴力から被害者を遠ざけて安全を確保する

(婦人相談所など)

自立支援 被害者の自立を促すため、生活支援、就業支援、住宅支援などに関する情報提供などを行う

(配偶者暴力相談支援センター、福祉事務所など)

保護命令 被害者の申立てにより、加害者に被害者との接近禁止などを命じる

(地方裁判所)

通報 配偶者から暴力を受けている人を発見した人は、配偶者暴力相談支援センターや警察に通報するように努める

医師や医療関係者が配偶者からの暴力による怪我などを発見した場合、上記機関に通報できる(被害者の意思は尊重しなければならない)

(医師、医療関係者、一般人など)

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配偶者暴力相談支援センターへの相談件数

内閣府男女共同参画局は、2017年の配偶者暴力相談支援センターへの相談件数を公表しています。

総数
来所 32,049 336 32,385
電話 68,378 1,665 700,43
その他 3,655 27 3,682

※「配偶者暴力相談支援センターにおける配偶者からの暴力が関係する相談件数等の結果について(平成29年度分)|内閣府男女共同参画局」を参考にして離婚ハンドブックが作成

配偶者暴力相談支援センターの業務内容

配偶者暴力相談支援センターの主な業務内容は、以下のとおりです。

  • 相談受付や相談機関の紹介
  • カウンセリング
  • 被害者や被害者が同伴した家族の緊急時における安全確保と一時保護
  • 被害者の自立した生活を促すための就業促進、住宅確保、援護などに関する制度利用についての情報提供など
  • 保護命令の利用に関する情報提供など
  • 被害者を居住させて保護する施設の利用に関する情報提供など

相談受付や相談機関の紹介

配偶者からの暴力に関する相談を広く受けつけ、自ら相談に応じたり、ケースによっては他の相談機関を紹介したりします。

身体的暴力に限らず、精神的暴力(モラハラ)、経済的暴力、性的暴力、社会的隔離などの相談にも応じ、助言や情報提供を行います。

身体的暴力以外の暴力についてイメージがつきにくい人が多いため、主な暴力について例示しておきます。

身体的暴力 殴る、蹴る、首を絞める、紙を掴んで引きずり回す、階段から突き落とす、包丁で切りつける、熱湯をかける、タバコの火を押し付けるなど
精神的暴力 暴言を吐く、脅す、無視をする、人格を否定する、根拠なく浮気を疑う、家から追い出す、私物を壊す、見下す、親せきや友人を馬鹿にするなど
経済的暴力 生活費を渡さない、就労を禁止するのにお金を渡さない、借金を重ねて滞納するなど
性的暴力 性行為を強要する、望まないのにAVを鑑賞させる、無理やり性的玩具を使用する、避妊しない、中絶を強要するなど
社会的隔離 外出を制限する、親族や友人との交流を制限する、スマートフォンをチェックする、GPSで居場所を監視するなど

カウンセリング

配偶者からの暴力は、好きで婚姻した相手から、家庭という密室で傷つけられるという恐怖体験であり、身体の傷以上に心に大きな傷を負う人が多いものです。

そのため、配偶者暴力相談支援センターでは、必要に応じて臨床心理士などによるカウンセリングを受けられる体制を整備しています。

被害者や被害者が同伴した家族の緊急時における安全確保と一時保護

例えば、配偶者が被害者を探し回っているなど、被害者やその家族が一刻を争う状況に置かれている場合、まずは安全確保が急務となります。

一次的に避難できる場所の確保や一時保護など、状況に応じて被害者とその家族の身を守る措置を講じます。

一時保護については、婦人相談所が行う蚊、または、婦人相談所から一定基準を満たす者に委託されます。

被害者の自立した生活を促すための就業促進、住宅確保、援護などに関する制度利用についての情報提供など

被害者が配偶者から自立した生活を送れるよう、必要に応じて就業促進や住宅確保などの各種制度について情報提供、助言、関係機関との連絡調整を行います。

離婚などを考えて弁護士に相談したいと規模すれば、弁護士との法律相談ができるように調整してもらうこともできます。

保護命令に関する情報提供

配偶者からの暴力から身を守るための手段として保護命令がありますが、裁判所の手続きというだけで敷居が高い上、添付書類が多いなど素人が一人で申し立てるのは難しいところがあります。

そこで、配偶者暴力相談支援センターの職員が保護命令について分かりやすく説明し、被害者が申立てを希望する場合には、助言や援助を行います。

弁護士に申し立てを依頼したい場合は、弁護士を紹介してもらうことも可能です。

被害者を居住させて保護する施設の利用に関する情報提供など

被害者の多くは自宅に戻ることができず、中には実家にも帰宅できないなど住む場所が確保できない人もいます。

こうした場合、配偶者暴力相談支援センターでは、関係機関と連絡調整を行い、安全に居住できる施設の情報を被害者に提供することがあります。

配偶者暴力相談支援センターへの相談方法

配偶者暴力相談支援センターの役割を担う施設は、都道府県によって異なります。

そのため、まずは市区町村役場に電話連絡して配偶者暴力相談支援センターの役割を担う機関の名称、電話番号、場所を確認する必要があります。

相談は、電話または訪問による方法で行います。

いきなり訪問すると対応してもらうまでに時間がかかることがあるので、事前に電話連絡した上で訪問するのが確実です。

ただし、配偶者から追われているなど緊急の場合で、警察などに駆け込む時間がない場合は、迷わず訪問して保護を求めてください。

【参考】

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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