第1回調停期日と裁判官・調停委員の決め方!調査官の立会は誰が決める?

初回調停期日 決め方

家庭裁判所は、離婚調停の申立てを受理すると、事件番号を付し、担当者を決め、調停期日を指定するなど、初回調停期日に向けた準備を始めます。

離婚調停の申立てが受理された後の流れ

離婚調停の申立てを受理した後の家庭裁判所の手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 事件番号を付す
  2. 担当書記官の決定
  3. 担当裁判官の決定
  4. 担当調停委員2人(男女各1にん)の決定
  5. 第1回調停期日の指定
  6. 申立人と相手方に第1回調停期日を通知

通常、離婚調停を申し立ててから調停期日通知書が届くまでに1~2週間かかりますが、その間、家庭裁判所では上記のような手続きが粛々と進められているのです。

以下、各手続について解説します。

事件番号を付す

家庭裁判所の家事事件には一つひとつ事件番号が付されます。

離婚調停を含む家事調停事件の場合は、以下のルールで事件番号が付されています。

家庭裁判所名+和暦+符号+番号

例:大阪家庭裁判所堺支部平成30年(家イ)第9999号

  • 家庭裁判所名:本庁・支部・出張所を区別
  • 和暦:昭和、平成など
  • 符号:家事調停事件は(家イ)
  • 番号:受付順の通し番号

符号は、「家庭事件記録符号規程」に規定されています。

また、番号については、各家庭裁判所が、毎年1月1日から受け付けた順番に第1号から通しで番号を付していきます。

原則として、家事調停事件であれば、一般調停や別表第2調停などの区別をせず、受付順に番号が付されます。

ただし、都市部の家庭裁判所では、事件種別ごとに受付窓口を分け、それぞれ異なる番号を付す取り扱いをしているところがあります。

例えば、第1号から番号を付す窓口と第1001号から番号を付す窓口を分けている家庭裁判所があります。

事件番号の確認方法

事件番号は、調停期日通知書の左上に事件名と一緒に印字されています。

また、初回調停期日後に交付される連絡カード(次回調停期日の日時などを記載する書面)にも調停委員が書き込むことになっています。

調停期日通知書や連絡カードを紛失した場合、調停をする家庭裁判所に電話し、自分と相手の名前・生年月日・住所・事件名などを伝えると回答してもらえます。

担当裁判所書記官の決定

受付担当者が事件番号を付した後は、担当の裁判所書記官が決められます。

原則として、事件が家事調停を担当する裁判所書記官の組(主任裁判所書記官1人と非管理職3~4人で構成されるグループ)に分配され、主任裁判所書記官が個別の担当を決定します。

担当裁判所書記官の重要性

離婚調停の進行に影響を与える存在として注意が向けられやすいのは裁判官と調停委員ですが、実は、担当の裁判所書記官が与える影響も小さくありません。

裁判所書記官は、記録の管理、調停期日の調整、当事者からの連絡・相談・苦情の対応、調停案の調整、調停終了時の手続きなど、離婚調停の重要な部分に関与する存在であり、担当者の人格や力量によって手続き全体が大きな影響を受けます。

例えば、調停期日の変更を申し出たときに、裁判所や相手方の都合を調整して期日変更に尽力してくれる書記官もいれば、「期日の変更は難しいですね。」と無下に断ってくる書記官もいます。

また、書記官の力量によって、調停委員の示した調停案がより夫婦の希望に沿う形にブラッシュアップされたり、反対に必要な条項を盛り込み忘れたりすることもあります。

このように裁判所書記官が誰になるかは離婚調停の重要な要素の一つであり、問題の大きい担当者に当たった場合は、必要に応じて苦情申出や変更(忌避)請求も検討することになります。

担当裁判官の決定

離婚調停を含む家事調停事件は、家事調停を担当する裁判官に分配されます。

都市部の家庭裁判所では家事事件専門の裁判官や家事調停官が調停事件を担当しますが、地方や支部では家事事件専門の裁判官がおらず、同じ裁判官が家事事件だけでなく人事訴訟事件や少年事件を担当することもあります。

裁判官への事件配点は順番を決めて機械的に行われるのが原則ですが、夏季休廷の時期などは順番が調整されます。

裁判官の除斥

除斥とは、一定の要件に当てはまり、ある手続きの公平さを失わせるおそれがある職員を、手続きの職務執行から当然に排除することです。

例えば、ある裁判官に配転された離婚調停の当事者が裁判官の子どもである場合、当然に他の裁判官へ配転替えが行われます。

家事調停官

家庭裁判所によっては、家事調停官が家事調停を担当することがあります。

家事調停官とは、弁護士の身分を有したまま、週1日だけ非常勤の裁判官として家事調停の手続きを行う人です。

弁護士から常勤裁判官への任用を促すためのルート作りと、調停手続きの充実と活性化を目的として創設された制度です。

家事調停官は、家事調停に関してのみではありますが、常勤裁判官と同等の権限を有し、家事調停の成立に向けて尽力することとされています。

担当調停委員の決定

担当裁判官が決まると、次は、担当の調停委員を決める手続きです。

家事調停事件では、裁判官1人と男女各1人の家事調停委員の合計3人で調停委員会を構成します。

担当の調停委員は、裁判官と裁判所書記官が協議し、調停委員の経験や専門性、調停委員が希望する年間件数、受け持ち事件数、過去の実績や職員の評価などを踏まえて決定します。

そのため、特定の調停委員に事件が集中するという事態が容易に起こり得ます。

また、過去に調停をしたことがある場合、「事情が分かっている」という理由で新しく申し立てた調停でも同じ調停委員が担当となることがあります。

ただし、過去の調停で当事者と調停委員の関係性に問題があった場合、意図的に担当者を変えることもあるようです。

第1回調停期日の決定

離婚調停の第1回調停期日は、申立てから1ヶ月~1ヶ月半程度後に決まります。

第1回調停期日の決定で考慮される事情

家庭裁判所は、以下のような事情を考慮して、第1回調停期日を決定します。

  • 担当裁判官が家事調停を行う曜日
  • 担当調停委員の予定
  • 調停室の空き状況
  • 申立人の希望
  • 代理人弁護士がいる場合は、その予定
  • 家庭裁判所調査官が立ち会う場合は、その予定

申立て時に仕事や子どもの都合を伝え、希望の日時や曜日を伝えておけば、配慮してもらえることがあります。

ただし、担当裁判官が調停をしていない曜日への変更を希望しても認められませんし、申立てから1週間後の期日を希望しても受け入れてはもらえません。

あくまで配慮してもらえる「ことがある」程度に考えておくべきです。

期日指定段階では相手方の予定は考慮されない

通常、相手方が離婚調停が申し立てられたことを知るのは、調停期日通知書を見た時点です。

つまり、第1回調停期日を決める段階では申し立てがあったことすら知らない状態なのです。

調停期日通知書に記載された日時に出頭できない場合は、担当の裁判所書記官に電話し、期日変更を求めることができますが、必ず変更してもらえるとは限りません。

家庭裁判所調査官の立会の決定

離婚調停には、家庭裁判所調査官が立ち会うことがあります。

家庭裁判所調査官(以下「家裁調査官」という。)とは、全国の家庭裁判所と高等裁判所に置かれ、裁判官の名を受けて、家事事件、少年事件、人事訴訟事件、裁判所法以外に規定された事務などを行う裁判所職員です。

引用:離婚ハンドブック

家庭裁判所調査官が離婚調停に立ち会うのは、主に、子の福祉(子の利益)に関する問題がある場合です。

  • 夫婦が子どもの親権を取り合っている
  • 親の紛争に子どもが巻き込まれて不安定になっている様子がうかがえる
  • 監護親が画面会交流を拒否している
  • 子どもの違法な連れ去りがある

上記は一例ですが、子どもに関する問題が大きい場合に立ち会い、必要に応じて調査を行うというケースが多くなっています。

また、当事者が精神的に不安定、相手方が欠席見込みなど、心理的な調整や出頭勧告が求められる場合にも立ち会うことがあります。

家庭裁判所調査官の立会いの決定

家庭裁判所調査官が調停に立ち会うか否かは、裁判官が決定します。

裁判官が、調停期日前に書記官や調査官と協議し、立会いが必要だと判断した場合は、調査官に立会いを命令します。

【参考】

  • 家庭事件記録符号規程(昭二六最高裁判所規程8、昭26・10・1施行)

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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