認知症で障害者手帳を取得!精神障害者保健福祉手帳のメリット、申請と等級は?

障害者手帳
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認知症の人は、障害者手帳を取得することができます。

障害者手帳を取得していると、税金の控除・減免、公共交通機関や公共施設の料金の割引などを受けることができるなどのメリットがあります。

通常、認知症の人が取得できるのは精神障害者保健福祉手帳です(身体の障害が大きい場合は身体障害者手帳を取得できることもあります。)。

この記事では、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の概要、等級と判定基準、取得するメリット、申請方法について解説します。

障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)とは

精神障害者保健福祉手帳とは、都道府県知事が、一定の精神障害の状態にあると認定された人に交付する障害者手帳です。

精神障害のある人が、自立した生活を送るとともに積極的に社会参加できるよう、各種サービスや制度を利用しやすくする目的で、1995年の「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」改正時に創設されました。

精神障害者保健福祉手帳の交付対象となる疾患

精神障害者保健福祉手帳が交付されるのは、精神疾患により日常生活や社会生活に支障が出ている状態が継続している場合です。

交付対象となる精神疾患は、以下のとおりです。

  • 統合失調症
  • 気分(感情)障害(うつ病、躁うつ病など)
  • 非定型精神病
  • てんかん
  • 中毒精神病(アルコール、薬物など)
  • 器質性精神障害(高次脳機能障害を含む)
  • 発達障害(精神神経症状を伴う)
  • その他の精神疾患

認知症は、対象疾患のうち器質性精神障害に該当します。

初老期、老年期に発症する認知症も器質性精神症状として理解される。これらのうち代表的なアルツハイマー型認知症と血管性認知症を例にとると、血管性認知症は、様々な原因でAOS(せん妄等)を起こし、そのたびにCOSの一症状としての認知症が段階的に進行する。アルツハイマー型認知症では、急性に器質性変化が起こることはないので、AOSを見る頻度は比較的尐なく、COSとしての認知症が潜在的に発現し、スロープを降りるように徐々に進行する。

引用:精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準

障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の等級と判定基準

精神障害者保健福祉手帳には3つの等級があり、厚生労働省が定めた判定基準によって、どの等級に該当するかが判定されます。

精神障害者保健福祉手帳の等級

精神障害者保健福祉手帳の等級は、1級、2級、3級があり、それぞれ以下のとおり定義されています。

  • 1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  • 2級:精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
  • 3級:精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活を制限を加えることを必要とする程度のもの

引用:精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

大まかに言うと、精神障害により「自力で日常生活を送ることができない状態」が1級、「日常生活や社会生活に大きな支障が出ている状態」が2級、「日常生活や社会生活に支障が出ている状態」が3級です。

精神障害者保健福祉手帳の判定基準

精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定は、以下の順番で行われます。

  1. 精神疾患の存在の確認
  2. 精神疾患(機能障害)の状態の確認
  3. 能力障害の状態の確認
  4. 精神障害の程度の総合判定

各障害等級ごとの認知症(器質性精神障害)の判定基準の目安は、以下のとおりです。

1級:認知症その他の精神神経症状が高度なもの(機能障害)で、身辺の安全を保持したり、危機的状況に適切に対応できない(能力障害)。

2級:認知症その他の精神神経症状があるもの(機能障害)で、身辺の安全保持や危機的状況での適切な対応は援助なしにはできない(能力障害)。

3級:認知症は著しくないが、その他の精神神経症状があるもの(機能障害)で、身辺の安全保持や危機的状況での対応は概ね適切であるが、なお援助を必要とする(能力障害)。

引用:精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

あくまで目安であり、家族などの当事者から見ると本人の状態が1級の状態に該当しても、必ず1級と判定されるわけではありません。

障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得するメリット

認知症の人が精神障害者保健福祉手帳を取得するメリットは、3つあります。

障害者手帳のメリット1:求職活動の援助が得やすくなる

  • 障害者雇用枠への応募ができる
  • 就労移行支援を利用しやすくなる(利用申請時に、障害を証明する資料として提示できる)

就労移行支援とは、障害者統合支援法に基づく障害者福祉サービスの一つです。

職業訓練、就活支援、定着支援の3つを柱として、就労前から就労後まで一貫して支援を受けることができます。

障害者手帳のメリット2:各種サービス・制度が利用しやすくなる

障害者手帳を取得する、各種料金が免除・減額されたり、災害時の支援を受けたりできるようになります。

  • 各種料金の割引・減免(NHK料金、公共交通機関の運賃割引・減免、携帯電話の割引など)
  • 公共施設等の利用料の割引・優先利用(映画館、レジャー施設、プールなど)
  • 公営住宅の優先入居・家賃割引
  • 医療費の助成(障害等級により、医療費の一部が助成対象となるなど)
  • 災害時の支援(災害時要援護者支援制度を実施している自治体で、要援護対象になることができるなど)

いずれも、住んでいる地域によって受けられるサービスや制度が異なるため、事前確認が必要です。

障害者手帳のメリット3:税金が控除・減免される

  • 所得税控除(控除額:27万円(特別障害者の場合は40万円))
  • 住民税控除(控除額:26万円(特別障害者の場合は30万円))
  • 相続税の障害者控除
  • 自動車税・軽自動車税の減免、自動車取得税の減免
  • 預貯金の一部が非課税対象になる

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障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の申請

認知症の人が精神障害者保健福祉手帳を申請する方法について見ていきます。

申請時期

認知症について、初めて病院を受診した日(初診日)から6ヶ月が経過した後が目安です。

申請場所

住んでいる地域の市区町村の担当課、保健所、保健センターなどに申請します。

地域によって異なるため、役場のインフォメーションなどで確認してください。

必要な書類

  • 障害者手帳申請書
  • 医師の診断書(障害者手帳用のもので、初診日から6ヶ月経過後に作成され、作成日が申請日から3ヶ月以内のもの)
  • 障害年金などを受給していることを証明する資料(年金証書等)
  • 本人の写真(申請から1年以内に撮影し、裏面に氏名と生年月日を記入したもの)
  • マイナンバー
  • 認印
  • 宛名を記入したはがき(交付予定日の通知を希望する場合)

障害者手帳申請書や医師の診断書の書式は、申請場所で交付してもらいます。

自治体のサイト上でデータをダウンロードできる自治体もあります。

本人が書類等を作成するのが難しい場合は、家族が代理で申請することができます。

また、2016年1月1日に「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が施行されたことを受け、申請にはマイナンバーの提示が必要になっています。

医師の診断書の重要性について

精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定では、医師の診断書の記載内容が大きな影響力を持ちます。

本人の状態が1級相当であったとしても、医師がより軽い内容の診断書を作成すると、それに基づいて等級が判定されてしまうことがあります。

医師は、本人の問診、家族からの聞き取り、各種検査の結果などを総合して診断書を作成するため、本人の状態について正確かつ適切に医師に伝えることがとても重要です。

言葉で説明することが難しい場合は、書面化するなどして伝え方を工夫しましょう。

申請から障害者手帳が交付されるまでの期間

住んでいる地域によりますが、おおむね2~3ヶ月で手帳が交付されます。

ただし、書類の不備など問題があると、交付までの時間が長くかかります。

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家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
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