離婚相談は誰にする?市役所、弁護士、法テラス、家庭裁判所の相談内容

離婚 相談 誰に

離婚を決意したら、離婚について夫婦で協議する方法、離婚に伴う諸条件、弁護士に依頼するか否か、離婚後の生活の準備などを考えなければなりません。

また、離婚訴訟を見越して離婚手続を進める場合、離婚に関する法律や制度も理解する必要があります。

これらのことを全て一人で行うことは困難であり、誰かに相談しながら手続を進めるのが一般的です。

しかし、誰に相談して良いか分からない、相談相手から的外れな助言を受けて混乱するなど、相談相手を間違えるとかえって離婚というゴールが遠のいたり、不適切な対応をしたりすることになりかねません。

そのため、離婚に関する適切な助言や支援を受けるには、離婚の専門家や専門機関へ相談することが大切です。

離婚の相談窓口

離婚の主な相談窓口は弁護士、法テラス、市役所、家庭裁判所の4つです。

相談機関 相談窓口の名称
弁護士 (法律)相談など
法テラス 無料法律相談
市役所 無料法律相談
家庭裁判所 家事手続案内

法テラスや市役所の相談には当番弁護士が応じるため、実際は弁護士と家庭裁判所ということになりますが、相談場所や費用などが異なるため、別々に解説します。

なお、離婚の相談窓口として離婚カウンセラー、探偵会社、興信所などを挙げるサイトが散見されます。

誰に相談するかは自ら判断すべき事項なので踏み込みませんが、「離婚カウンセラーなどは離婚の専門家か」、「業務内容を考えたときに適切な助言や支援が得られそうか」という観点から、相談するか否かを慎重に検討してください。

弁護士に離婚を相談する

「離婚を誰に相談するか。」と質問すると、多くの人が弁護士と答えるでしょう。

弁護士は、司法試験という日本屈指の難関試験に合格した法律の専門家です。

幅広い法律知識を持ち、犯罪者の弁護、過払い金訴訟、行政訴訟、遺産相続、成年後見など幅広い分野で活躍しています。

従前は、弁護士の花形業務といえば刑事事件と民事事件で、離婚を含む家事事件に関与する機会は多くありませんでした。

しかし最近は、司法制度改革により法曹が急増したことなどの影響で、家事事件を取り扱う弁護士が増加しており、離婚を専門に活躍する弁護士も一定数います。

弁護士に離婚を相談する方法

場所 弁護士事務所の一室
時間 原則として30分または60分単位
費用 5,000円/30分から

15分または60分単位の場合もあり

初回または一定時間無料の場合もあり

担当者 弁護士(原則として、1人)
相談内容 離婚問題全般

相談者の立場で法律知識や利用できる制度を教えてもらうことができる

電話相談 原則として否

予約は電話でも可

依頼 相談担当弁護士または同じ事務所の弁護士

弁護士に相談・依頼する場合のポイント

弁護士に相談または依頼する場合、以下の点に注意してください。

事前に弁護士情報をネットで検索しておく

弁護士は法律の専門家ですが、無数にある法律や手続・制度を全て理解しているわけではありません。

どの弁護士も、広く浅い法律の一般的知識をベースとして、特定分野を掘り下げることで仕事をしています。

そのため、離婚について弁護士に相談する場合、離婚に関する知識や経験が豊富な弁護士に相談しないと、適切な助言を受けることができません。

弁護士に相談する前にネットで離婚に詳しい弁護士を検索し、経歴、離婚事案の取扱い件数、依頼者の評価・評判など分かる範囲の情報を得ておくことが大切です。

弁護士会に弁護士を紹介させる

各都道府県の弁護士会に電話して離婚について相談したいと伝えると、住んでいる地域内で離婚を取り扱っている弁護士事務所を紹介してもらうことができます。

ただし、弁護士会は、「問い合わせ者の住所」に近い「離婚案件を取り扱っている事務所」を機械的に検索して伝えてくるため、事前の情報収集は欠かせません。

弁護士は信頼>経験>知識で選ぶ

依頼した弁護士は、依頼者と受任者というビジネス上の関係ではありますが、離婚紛争を一緒に乗り切るパートナーです。

離婚に関する法律知識や経験が豊富であることは大切ですが、自分の主張を押し通そうとする弁護士とは信頼関係が築きにくく、当初の主張が捻じ曲げられるおそれもあり、離婚するまでに決別するかもしれません。

また、子の違法な連れ去り(子連れ別居)など不適切なことを教示してくる場合も、要注意です。

弁護士を依頼するときは、信頼できそうか否かを重視することが大切です。

話を親身に聞いているか、疑問や悩みに具体的かつ適切な解決策を提案できるか、説明が分かりやすく納得できるか、気が合うかなどを考慮して、依頼するか否かを検討してください。

主観的だと思うかもしれませんが、長く険しい離婚紛争を一緒に乗り切るには、主観的に「この人なら大丈夫」と思える人を選ぶことが大切になるのです。

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離婚調停に弁護士は必要?費用相当のメリットはある?役割と選び方は?

法テラスに離婚を相談する

法テラスとは、法律に関する問題に悩んでいる一般人が、「どこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにしよう」という目的で設立された、法律の総合案内所です。

法テラスは愛称で、正式名称は「日本司法支援センター」です。

法テラスは、法律全般に関する悩みや相談に対応しており、離婚については、「法律や制度、関係機関の窓口に関する情報提供」、「無料法律相談」、「経済的な問題がある人に対して、弁護士費用を立て替えるサービス」を提供しています。

法テラスに離婚を相談する方法

場所 法テラス事務所の相談室
時間 30分程度
費用 無料

ただし、「収入等が一定額以下」、「民事法律扶助の趣旨に適すること」という要件を満たす場合に限る

担当者 弁護士1人
相談内容 離婚問題全般

相談者の立場で法律知識や利用できる制度を教えてもらうことができる

ただし、1つの問題で相談できるのは3回まで

電話相談

電話予約は可

依頼 法テラスが紹介する弁護士

収入が一定額以下などの要件を満たす場合、弁護士費用の立て替え制度(民事法律扶助)も利用可

市区町村役場に離婚を相談する

全国の市区町村役場では、行政サービスの一環として、弁護士による無料法律相談を行っています。

各市区町村役場によって頻度や日時は異なりますが、毎週、平日の日中に実施しているところが多くなっています。

相談には事前予約が必要です。

実施日や予約方法は、市区町村役場の窓口で問合わせてください。

市区町村役場に離婚を相談する方法

場所 市区町村役場の相談室
時間 30分程度
費用 無料
担当者 当番弁護士1人
相談内容 離婚問題全般

相談者の立場で法律知識や利用できる制度を教えてもらうことができる

電話相談

電話予約も不可

依頼 相談を担当した当番弁護士または照会を受けた弁護士

市区町村役場の無料法律相談で注意したいのは、弁護士の当たりはずれが激しいということです。

無料法律相談を担当する弁護士は当番制なので、離婚に詳しくない弁護士の他、法テラスや家庭裁判所に相談するよう促すだけの弁護士や、ろくに話を聞かず適当なことを言って時間を使う弁護士に当たることもあります。

「おかしいな」と思ったら、日を改めて別の弁護士に相談しなおすか、別の相談窓口で相談してください。

家庭裁判所に離婚を相談する

家庭裁判所は、離婚調停や離婚裁判を行う裁判所です。

家庭裁判所には、家事手続案内という、離婚に関して利用できる家庭裁判所の手続き(事件)を案内する窓口が設けられています。

以前は家事相談、家事手続相談などとも呼ばれていましたが、現在は家事手続案内で統一されています。

家庭裁判所に離婚を相談する方法

場所 家庭裁判所の手続案内室
時間 20分程度
費用 無料
担当者 裁判所書記官または家庭裁判所調査官
相談内容 離婚について家庭裁判所が取り扱う手続きに限る
電話相談

電話予約も不可

依頼 不可

弁護士、法テラス、市役所と異なるのは、家庭裁判所で利用できる手続きを案内されるだけで、離婚に関する悩みや相談には答えてもらえないということです。

具体的には、相談者が抱える問題について家庭裁判所の手続きが利用できるか否か、利用できる場合は手続きの説明と必要に応じて申立て書類の交付、手続きの管轄の案内を受けることができます。

また、家庭裁判所の手続きを利用する場合は、申立て書類の作成方法や費用などを説明された後、家事事件の受付窓口へ案内されます。

離婚を相談する場合のポイント

以下の3つは、離婚を誰に相談するかに関わらず、押さえておきたいポイントです。

聞きたいことをまとめておく

どの相談窓口でも、相談できる時間が限られています。

弁護士に相談する場合、時間単位で費用がかかります。

そのため、相談したい内容について事前に整理して優先順位を決め、質問内容を書面にまとめておくことが大切です。

正確に事実を伝える

離婚紛争の渦中にあると、自分のことは甘めに、相手のことは厳しめに伝えてしまう傾向があります。

しかし、適切な助言を得るためには、自分に都合の悪いことも含め、事実を正確に伝える必要があります。

聞きたいことと同じく、事実関係についても事前に整理して書面異まとめておきましょう。

資料を持参する

お金や財産の問題について相談したい場合、給与明細、源泉徴収票、不動産等規模謄本などを持っていくと、より具体的に相談することができます。

離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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