認知症の周辺症状「睡眠障害」とは?不眠、昼夜逆転の原因と対応は?

加齢に伴って眠りが浅くなり、中途覚醒や不眠がちになる傾向がありますが、認知症を発症すると睡眠や生活リズムの問題がより一層ひどくなることがあります。

不眠などの睡眠障害が起こって生活リズムが昼夜逆転すると、本人の健康状態が悪くなるだけでなく、介護する人の負担も増してしまいます。

この記事では、認知症による睡眠障害(不眠など)、生活リズムの昼夜逆転の原因と対策について解説します。

睡眠障害とは

睡眠障害とは、睡眠に関する障害の総称です。

米国睡眠医学界が発刊する睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)では、睡眠障害が以下のカテゴリーに分類されています。

  • 不眠症(インソムニア)
  • 睡眠関連呼吸障害群
  • 中枢性過眠症群
  • 概日リズム睡眠・覚醒障害群
  • 睡眠時随伴症群
  • 睡眠関連運動障害群

不眠症(インソムニア)

不眠症とは、夜間に睡眠のための時間や場所が確保されているにも関わらず、布団やベッドに横たわっても眠ることができず、日中の生活の質が低下する病気です。

仕事が多忙などの理由で、布団やベッドなどで過ごす時間が不足している状態は「睡眠不足」または「断眠」といい、不眠症とは区別されています。

不眠症は、入眠困難(眠りにつけない)、中途覚醒(睡眠中に目を覚ます)、熟眠困難(熟睡できない)に分類されています。

不眠が継続すると、集中力の低下、やる気の低下、常にイライラしている、疲れやすくなる、頭痛、筋肉痛などの症状が現れてきます。

睡眠関連呼吸障害群

睡眠関連呼吸障害とは、睡眠中の呼吸障害が原因で睡眠の質が低下する睡眠障害です。

睡眠関連呼吸障害群には、閉塞性睡眠時無呼吸障害群、中枢性睡眠時無呼吸障害群、睡眠関連低換気障害群、睡眠関連低酸素血障害の4つあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症障害群は、睡眠中に舌が喉を塞いで空気の通りが悪くなることにより、いびきや呼吸停止などの症状が現れます。

また、中枢性睡眠時無呼吸障害群は、呼吸運動を司る神経機構の機能が低下し、睡眠中に呼吸が困難になります。

睡眠関連呼吸障害群になると、睡眠が浅くなり、日中の生活の質が低下することに加え、高血圧、脳血管障害、心疾患などのリスクが高くなるため、早急に治療する必要があります。

中枢性過眠症群

中枢性過眠症とは、覚醒状態を維持するための神経機構の機能が低下することにより、夜間に十分な睡眠をとっても日中に強い眠気に襲われる睡眠障害です。

代表的なのがナルコレプシーです。

ナルコレプシーは、日中に強い眠気に襲われることに加え、情動の変化によって全身の力が入らなくなったり(情動脱力発作)、眠る前に身体を動かせなくなったりする症状も現れます(睡眠麻痺)。

概日リズム睡眠・覚醒障害群

概日リズム睡眠・覚醒障害とは、睡眠のタイミングに関する睡眠障害です。

例えば、痔さの大きい地域への移住、日勤から夜勤への変更など内因性生活リズム(睡眠リズム)に反する生活を送ったり、内因性生活リズムが変動して適当な睡眠と覚醒の時間帯がずれたりすることで起こります。

睡眠時随伴症群

睡眠時随伴症とは、正常な状態では起こることのない、睡眠中に起こる望ましくない身体症状のことです。

睡眠時随伴症は、ノンレム閉連睡眠時随伴症群とレム閉連睡眠時随伴症に分類されます。

ノンレム関連睡眠時随伴症群には、1~2時間熟睡した後に覚醒して歩き回る夢中遊行(睡眠時遊行症)などがあります。

レム関連睡眠時随伴症には、夢の内容と一致することを大声で叫んだり、粗暴な行動を伴ったりする症状があります。

睡眠関連運動障害群

睡眠関連運動障害とは、睡眠中に必要のない余計な運動をして、それが刺激になって睡眠が妨げられる睡眠障害です。

代表的な障害には、むずむず脚症候群と、周期性四肢運動障害があります。

むずむず脚症候群とは、下肢にむずむずした異常な感覚が生じ、足を動かし続けたいという欲求にかられた状態です。

周期性四肢運動障害とは、不随意運動が周期的に反復して起こり、睡眠が浅くなったり分断されたりする障害です。

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睡眠障害の原因

睡眠障害の主な原因は、以下のとおりです。

  • 心理的な要因
  • 身体的な要因
  • 薬理学的な要因
  • 生理学的な要因

心理的な要因

強いストレスや不安などが原因で睡眠障害になることがあります。

認知症高齢者の場合、家族や親しい友人が亡くなった、以前で出来たことが出来なくなった、周囲の人と話がかみ合わなくなった、物事を理解したり判断したりするのが困難になったなど、認知症の症状に伴う不安や焦り、身近な人の死亡などが原因で睡眠障害になりやすいものです。

身体的な要因

病気やケガなども睡眠障害の原因となります。

例えば、徘徊中にケガをして後遺症が残った、関節リウマチによる痛み、湿疹などによる痒み、呼吸発作などが続くと睡眠障害になることがあります。

薬理学的な要因

薬の副作用で睡眠障害になることもあります。

認知症の治療薬や持病の薬などの影響で睡眠障害になる人は少なくありません。

また、服薬中の薬を医師に無断で中断した結果、睡眠障害になってしまうケースも少なくありません。

生理学的な要因

加齢によって、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌量が減少し、その影響で睡眠時間が短くなったり、中途覚醒や早朝覚醒が多くなったりすると考えられています。

また、時差が大きい地域への移住や日勤から夜勤へのシフトチェンジなどによって体内時計が狂い、眠るための機能が低下してしまうこともあります。

認知症を発症すると、時間の見当識障害によって寝る時間の感覚が失われ、睡眠障害の一因になると考えられています。

また、体内時計を司る脳の部位が障害され、体内時計の調節がうまくいかなくなるとも言われています。

アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の睡眠障害

同じ認知症でも、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症では睡眠障害の現れ方が異なります。

アルツハイマー型認知症の睡眠障害

アルツハイマー型認知症を発症すると、初期から体内時計を司る脳の部位が障害され、睡眠と覚醒のリズムが崩れ、夜起きて朝寝るという昼夜逆転になりやすい傾向があります。

レビー小体型認知症の睡眠障害

レビー小体型認知症を発症すると、初期から悪夢を見て叫ぶ、寝ぼけて暴れるなどレム関連睡眠時随伴症が現れます。

ただし、症状が進行するにつれてレム関連睡眠時随伴症は見られなくなっていきます。

認知症による睡眠障害の対応

認知症による睡眠障害への対応方法は、以下のとおりです。

  • 生活リズムを整える
  • 生活環境を整える
  • 日中に適度な運動をする
  • 就寝前にトイレへ行く
  • 不安を和らげる
  • 薬の副作用を確認する

睡眠障害の対応:生活リズムを整える

睡眠障害を改善するには、まず、朝起きて夜眠るという規則正しい生活リズム(睡眠リズム)を整えることが何より大切です。

そのためには、日中に太陽の光を浴びて覚醒水準を上げる、毎日決まった時間に食事をする、夜は決まった時間に布団に入るなど、生活リズムを一つひとつ改善していきましょう。

睡眠障害の対応:生活環境を整える

生活リズムが整っても、生活環境が乱れていると睡眠障害は改善しにくいものです。

例えば、朝は決まった時間に起こす、カーテンを開けて太陽の光を入れる、夜は照明を落として静かな環境を整えるなどの方法が考えられます。

睡眠障害の対応:日中に適度な運動をする

無理のない範囲で運動をすることも大切です。

運動により適度にエネルギーを使って身体を疲れさせることで、夜に眠りやすくなります。

毎日、決まった時間に決まった運動をすることを習慣化しておくと良いでしょう。

睡眠障害の対応:就寝前にトイレへ行く

年を重ねるにつれて、腎臓の尿濃縮機能が低下して夜間にトイレへ行く回数が増え、トイレの度に睡眠が分断されてしまいます。

また、尿意に気づかず夜間失禁を繰り返すと、「今日も失禁してしまうのではないか。」と不安になって眠れなくなることもあります。

尿意を感じて覚醒したり、夜間失禁の不安を和らげたりするため、就寝前にはトイレに連れて行ってあげましょう。

睡眠障害の対応:不安を和らげる

認知症の人は、常に不安や焦りを感じて生活しており、不安や焦りが原因で睡眠障害になってしまうことも珍しくありません。

色々なことが出来なくなる不安や周囲の人と話がかみ合わない不安など、本人が感じている不安を察知し、不安を和らげる関わりをしてあげることで、安心して眠ることが出来るようになります。

睡眠障害の対応:薬の副作用を確認する

本人が何らかの薬を服用している場合は、薬が原因で睡眠障害になっている可能性を考え、医師に相談して必要な対応を教えてもらってください。

薬が原因だと決めつけて無断で薬を中断させると、中断したことで思わぬ影響が出てしまうことがあるため、必ず医師に相談した上で対応してください。

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家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。
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サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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