シングルマザー・母子家庭の手当一覧!金額や所得制限、支給日は?

母子家庭 手当

一昔前はタブー視されていてた離婚ですが、近年は、ドラマやマンガの題材となったり、有名人の離婚がテレビや雑誌で大々的に報じられたりするなど、夫婦の選択肢の一つとして社会に浸透しています。

離婚してシングルマザーになることを女性は年々増加し、職場や学校などで母子家庭の親子を見かける機会も多くなりました。

シングルマザーが増加する中で問題となっているのが、母子家庭の経済的な困窮です。

厚生労働省が公表している統計「ひとり親家庭の現状と支援施策の課題について」では、2010年度時点で母子家庭が123.8万世帯あり、平均年間収入(世帯収入)は291万円、平均年間就労収入(世帯収入)は181万円です。

父子世帯の平均年間収入(世帯収入)455万円、平均年間就労収入360万円と比較すると、母子家庭の収入の低さが浮き彫りになります。

シングルマザーの収入の低さとそれに伴う母子家庭の経済的困窮を援助する制度が整備されていますが、制度を知らない、手続が分からないなどの理由で利用できていないシングルマザーは少なくありません。

この記事では、シングルマザーが利用できる母子家庭を対象とした手当について解説します。

なお、シングルマザーが活用できる母子家庭を対象とした助成、減免、割引などは、関連記事で解説しています。

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児童手当

児童手当とは、「家庭等の生活の安定に寄与する」ことと、「時代の社会を担う児童の健やかな成長に資する」ことを目的として、児童を育てている保護者に支給される手当です。

児童手当は、シングルマザーに限らず、日本で子育て中の保護者を対象とした制度です。

児童手当の支給対象

中学校修了までの国内に住所を有する児童(15歳到達後の最初の年度末まで)です。

支給金額

児童手当の支給金額は、子どもの年齢や人数によって異なります。

子どもの年齢 子どもの人数 支給金額(月額)
0歳~3歳未満 一律 15,000円
3歳~小学校修了まで 第1子、第2子 10,000円
第3子以降 15,000円
中学生 一律 10,000円

表に記載しているのは、子ども一人当たりの支給金額です。

所得制限

児童手当には世帯の所得制限が設定されています。

所得制限限度額を超える場合、子どもの年齢や人数に関わらず、子ども一人につき一律5,000円が支給されます。

扶養親族などの人数 所得額 目安の収入額
0人 622万円 833.3万円
1人 660万円 875.6万円
2人 698万円 917.8万円
3人 736万円 960万円
4人 774万円 1002.1万円
5人 812万円 1042.1万円

扶養親族等の人数は、生計を共にする子どもや親きょうだいで年間所得が38万円未満の人(税法上の控除対象配偶者と扶養親族)と、血縁関係がなく扶養義務を負わないが養育している子ども(扶養親族等でない児童)を合計した人数です。

扶養親族等の人数が6人以上の場合、1人につき38万円を加算した額が所得制限限度額となります。

また、目安の収入額は、所得額に給与所得控除額等相当分を加算した額です。

支給時期(支給期月)

2月、6月、10月の年3回です。

各前月までの児童手当がまとめて支給されます。

  • 2月:11月~1月分
  • 6月:2月~5月分
  • 10月:6月~9ヶ月分

支給月の15日前後に指定した口座に振り込まれます。

15日が土日祝日の場合は、その前日の金融機関の営業日に振り込まれます。

なお、児童手当が振り込まれるのは児童を養育する保護者(原則として世帯主)の口座であり、児童自身の口座ではありません。

現況届

児童手当の受給資格の有無は、毎年6月1日に判定されます。

児童手当の支給を受けるには、毎年、住んでいる市区町村役場に現況届を提出し、受給要件を満たしていることを報告する必要があります。

年6月初旬に市区町村役場から郵送されて現況届に必要事項を記入し、添付書類をそろえて期限までに返送する方法により提出します。

児童手当の現況届に必要な添付書類は、以下のとおりです。

  • 会社員などの場合:健康保険被保険者証のコピーなど
  • 1月1日時点で現況届を提出する市区町村に住民登録がなかった場合:前住所地の市区町村が発行する児童手当用所得証明書(前年分)

期限までに提出しなかった場合、6月分以降の児童手当が支給されなくなります。

シングルマザーが再婚して氏が変わった場合や、家庭裁判所で「子の氏の変更」の手続をして子どもの氏が変わった場合は、現況届に記入して戸籍謄本など氏の変更を証明する書類を添付しなければなりません。

参考:児童手当制度の概要-内閣府

児童扶養手当

児童扶養手当とは、「児童を養育するひとり親家庭(母子家庭または父子家庭)の生活の安定や自立の促進に寄与する」ことと、「児童の福祉の増進を図る」ことを目的として、児童を育てている保護者に支給される手当です。

離婚や死別など、ひとり親家庭になった事情は問われません。

また、母子家庭か父子家庭かについても問われませんが、父子家庭の方が受給要件が厳しく設定されています。

平成26年12月以降、公的年金額が児童扶養手当より低い場合、差額分の児童扶養手当が支給されるように改正されています。

支給対象

国籍を問わず日本国内に住所がある、生後0歳から18歳に達する日以降の最初の3月31日までの児童(一定以上の障害の状態にある場合は20歳未満)を育てている父母などです。

児童扶養手当を受給するには、児童が以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 父母が婚姻を解消(事実婚の解消含む)した後、父又は母と生計を同じくしていない児童
  2. 父または母が死亡した児童
  3. 父または母が政令で定める障害の状態にある児童(父の障害の場合、受給資格者は母又は養育者、母障害の場合、受給資格者は父又は養育者)
  4. 父または母の生死が不明である児童
  5. 父または母が母又は父の申し立てにより保護命令を受けた児童
  6. 父または母から引き続き1年以上遺棄されている児童
  7. 父または母が法令により引き続き1年以上拘禁されている児童
  8. 婚姻によらないで生まれた児童
  9. 父母が不明な場合(棄児、孤児など)

また、児童扶養手当の「父母など」とは、児童を監護している母、児童を監護して生計を共にしている父、父母に変わって児童を養育している人です。

支給金額

児童扶養手当の支給金額は、世帯所得によって全額支給、一部支給、不支給という3つに分類され、各支給区分に応じた金額が支給されます。

また、子どもが複数いる場合、1人目の子どもの支給金額が決まり、2人目以降の支給金額は1人目の金額に加算する方式が採用されています。

全額支給

全額支給の場合の支給金額は、以下のとおりです。

子どもの人数 加算額 支給金額(月額)
1人目 42,500円
2人目 10,040円 52,540円
3人目 6,020円 58,560円

3人目以降の加算額は子どもに1人につき6,020円です。

一部支給

一部支給の場合の支給金額は、以下のとおりです。

子どもの人数 加算額 支給金額(月額)
1人目 42,490円~10,030円
2人目 10,030円~5,020円 52,520円~15,050円
3人目 6,010円~3,010円 58,530円~18,060円

支給金額や加算額は所得により10円単位で変動します。

また、3人目以降の加算額は子ども1人につき6,010円から3,010円までの範囲で決まります。

児童扶養手当の計算方法(2018年度)

児童扶養手当の計算式は、以下のとおりです。

  • 児童扶養手当の支給金額:42,490円-(受給者の年間所得額-全額支給の所得制限限度額)×0.0187630+2人目加算額+3人目加算額
  • 2人目の加算額:10,030円ー(年間所得額ー全額支給の所得制限限度額)×0.0028960
  • 3人目以降の加算額:6,010円ー(年間所得額ー全額支給の所得制限限度額)×0.0017341

年間所得額とは、1月~12月の1年間の総収入から給与所得控除等を控除した額です。

児童扶養手当は、年間所得額に養育費の80%-80,000円-諸控除を加えた額を年間所得額として計算します。

物価スライド制

全額支給と一部支給の表の金額は、平成30年度の支給金額と加算額を踏まえたものです。

児童扶養手当の支給金額(1人目の金額と2人目以降の加算額)は、物価スライド制が採用されており、全国消費者物価指数に合わせて毎年改定されます。

改定前の金額が表示されているサイトが散見されるので、注意してください。

所得制限

児童扶養手当には全額支給と一部支給についてそれぞれ所得制限限度額が設定されています。

全額支給の所得制限限度額を超えた場合は所得に応じて「一部支給」され、一部支給の所得制限限度額を超えた場合は「不支給」となります。

扶養人数 全額支給 一部支給 同居する扶養義務者など
0人 49万円未満 192万円未満 236万円未満
1人 87万円未満 230万円未満 274万円未満
2人 125万円未満 268万円未満 312万円未満
3人 163万円未満 306万円未満 350万円未満

扶養人数が1人増えるごとに所得制限限度額に38万円が加算されます。

同居する扶養義務者などとは、実家の親などシングルマザーと同一生計の人のことです。

具体例

シングルマザーが母子家庭で子ども1人を養育している場合について、考えてみましょう。

  • シングルマザーの年間所得が87万円以下:児童扶養手当が全額支給
  • 年間所得が87万円以上230万円以下:所得に応じて児童扶養手当が一部支給
  • 年間所得が230万円以上:不支給

なお、シングルマザーと子どもが実家の親などと同居しており、親に収入がある場合は、親の所得も児童扶養手当の支給に影響します。

例えば、シングルマザーが、子ども1人と子どもの祖父と同居(同一生計)している場合、祖父の年間所得が274万円を超えると児童扶養手当は支給されません。

支給時期

2018年8月時点における支給時期は、4月、8月、12月の年3回です。

各前月までの児童扶養手当がまとめて支給されます。

  • 4月:12月~3月分
  • 8月:4月~7月分
  • 12月:8月~11月分

支給月の11日に指定口座へ銀行振込されます。

支払日が土日祝日の場合、直前の金融機関の営業日に振り込まれます。

なお、2019年11月分からは支給時期が変更され、「奇数月に年6回、各前月までの2ヶ月分の児童扶養手当が支給される。」ようになります。

参考:児童扶養手当について|厚生労働省

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児童扶養手当現況届

児童扶養手当を受給するには、毎年8月31日にまでに児童扶養手当現況届を市区町村役場に提出する必要があります。

児童扶養手当現況届とは、児童扶養手当の受給を継続するために、前年の所得や児童の養育状況を報告する書面です。

8月初旬には市区町村役場から現況届が届くので、必要事項を記入し、添付書類をそろえて担当窓口に提出します。

添付資料は、以下のとおりです。

  • 児童扶養手当の証書(前年度証書の交付を受けていない方は不要)
  • 世帯全員の住民票
  • 受給者の所得証明書
  • 養育費等に関する申告書

その他、一部支給停止適用除外事由届出書や16歳以上19歳未満の控除対象扶養親族に関する申立書の提出を求められることもあります。

期限までに現況届を提出しないと、8月以降の児童扶養手当が受給できなくなります。

特別児童扶養手当

特別児童扶養手当とは、「精神または身体に障害のある児童の福祉の増進を図ること」を目的として支給される手当です。

支給対象

20歳未満で、精神または身体に障害を有する児童を家庭で監護・養育している父母などです。

ただし、以下のいずれかに該当する場合は、支給対象外となります。

  • 受給者や対象児童の住所が日本国内にない
  • 対象児童が、児童福祉施設などに入所している(通園を除く)
  • 対象児童が、障害を事由とする年金を受給できる

支給金額

特別児童扶養手当の支給金額は、障害の等級によって異なります。

障害等級 支給金額
1級 51,700円
2級 34,430円

障害等級の1級と2級は、障害の種類によって異なります。

障害等級 該当判定
1級 精神障害者手帳1級、身体障害者手帳1級、療育手帳A判定など
2級 精神障害者手帳2級、身体障害者手帳2級、療育手帳B判定など

所得制限

特別児童扶養手当には所得制限が設定されています。

扶養親族などの人数 所得額 同居する扶養義務者など
0人 4,596,000円 6,287,000円
1人 4,976,000円 6,536,000円
2人 5,356,000円 6,749,000円
3人 5,736,000円 6,962,000円

4人目以降は、子ども1人につき38万円が加算された額が所得制限限度額となります。

支給時期

支給時期は、4月、8月、12月の年3回です。

各前月までの児童扶養手当がまとめて支給されます。

  • 4月:12月~3月分
  • 8月:4月~7月分
  • 12月:8月~11月分

支給月の11日に指定口座へ銀行振込されます。

支給日が土日祝日の場合、直前の金融機関の営業日に振り込まれます。

特別児童扶養手当現況届

特別児童扶養手当現況届とは、受給者の前年の所得と対象児童の監護状態を報告するための書面です。

8月中旬に市区町村役場から郵送されてくるので、必要事項を記入し、添付書類をそろえて8月31日の期限までに提出しなければなりません。

児童扶養手当より期限が短く設定されているため、注意してください。

期限を過ぎると8月以降の受給ができなくなります。

参考:特別児童扶養手当について|厚生労働省

障害児福祉手当

障害児福祉手当とは、「特別障害児の福祉の向上を図ること」を目的として支給される手当です。

支給対象

20歳未満で、精神または身体に重度の障害によって、日常生活において常に介護を必要とする状態にあり、自宅などで生活している子どもです。

支給金額

一律14,650円(月額)です。

所得制限

障害児福祉手当には所得制限が設けられており、受給者やその配偶者などの年間所得が所得制限限度額を超える場合は支給されません。

扶養親族などの人数 本人の所得額 同居する扶養義務者など
0人 3,604,000円 6,287,000円
1人 3,984,000円 6,536,000円
2人 4,364,000円 6,749,000円
3人 4,744,000円 6,962,000円

支給時期

2月、5月、8月、11月の年4回です。

各前月までの児童扶養手当がまとめて支給されます。

  • 2月:11月~1月
  • 5月:2月~4月
  • 8月:5月~7月
  • 11月:8月~10月分

支給月の10日に指定口座へ銀行振込されます。

支給日が土日祝日の場合、直前の金融機関の営業日に振り込まれます。

参考:障害児福祉手当について|厚生労働省

児童育成手当

児童育成手当とは、「ひとり親家庭の生活の安定」と「児童の福祉の増進」を目的として、ひとり親家庭の児童を養育している人に支給される手当です。

児童育成手当は、他のシングルマザーが利用できる母子家庭向けの制度と異なり、主として東京都などが独自に実施している制度です。

支給対象

東京都内に住所があり、以下のいずれかを満たす、18歳になった最初の3月31日までの児童を養育している父母などです。

  • 父または母が死亡した児童
  • 父または母が重度の障害を有する児童(身体障害者手帳1級・2級程度)
  • 父母が離婚した児童
  • 父または母が生死不明である児童
  • 父または母に1年以上遺棄されている児童
  • 父または母がDV 保護命令を受けている児童
  • 父または母が法令により1年以上拘禁されている児童
  • 婚姻によらないで生まれた児童
  • 父母ともに不明

ただし、児童が児童福祉施設等に入所している、児童が父母やその配偶者とと生計を同じくしている、児童が父や母の配偶者と児童が児童福祉施設等に入所しているときなどの場合は、支給対象外です。

支給金額

児童1人につき、月額13,500円です。

所得制限

児童の父母などの前年の所得が、所得制限限度額を超える場合は、支給されません。

所得制限限度額については、各自治体が設定しているため、住んでいる自治体に確認する必要があります。

問い合わせ先は、住んでいる区市町村の子供担当課(区市町村によって名称が異なる)などです。

支給時期

6月、10月、2月の年3回です。

申請をした翌月から、各前月までの児童育成手当が支給されます。

  • 2月:10月~1月分
  • 6月:2月~5月分
  • 10月:6月~9月分

参考:児童育成手当(育成手当)(東京都制度)|東京の福祉オールガイド|福ナビ

母子家庭の住宅手当(母子家庭家賃補助)

母子家庭の住宅手当(家賃補助)とは、ひとり親家庭の生活の安定や生活の質の向上を図る目的で、20歳未満の子どもがいるひとり親家庭の父母などが、民間の賃貸住宅を借りて生活している場合に、家賃の一部を補助する制度です。

母子家庭の住宅手当(家賃補助)制度は、一部の自治体が独自に実施している制度であり、住んでいる地域の自治体が制度を設けているか否かの確認がまず必要になります。

支給対象

一般的に支給対象となるのは、以下の要件を満たす場合です。

  • シングルマザーが母子家庭で18歳または20歳未満の児童を養育している
  • 民間アパートに住んでおり、居住地に住民票がある
  • 居住地に6ヶ月間以上住み続けている
  • 扶養義務者の前年度の所得が、児童扶養手当の所得制限限度額未満である
  • 生活保護を受給していない
  • 月々の家賃が1万円以上6万円以下である

各自治体によって異なるため、住んでいる地域の自治体に確認してください。

支給金額

各自治体によって異なりますが、5,000円から10,000円程度が平均的な金額です。

  • 東京都武蔵野市:10,000円
  • 東京都厚木市:1,300円~10,000円
  • 東京都東村山市:5,000円
  • 東京都東久留米市:3,500円
  • 東京都国立市:家賃の3分の1の金額を限度として月額1万円まで
  • 神奈川県大和市:~10,000円
  • 神奈川県鎌倉市:8,000円を限度として、家賃月額から15,000円を控除した金額
  • 神奈川県海老名市:3,000円~7,000円
  • 埼玉県蕨市:6,000円~10,000円
  • 山形県遊佐町:~10,000円
  • 千葉県君津市:~5,000円

支給時期

年3回で、各前月までの分が支給されます。

ただし、支払月や支払日は各自治体によって異なるため、事前確認が必要です。

所得制限

母子家庭の住宅手当には所得制限が設定されています。

所得制限限度額は児童扶養手当と同じです。

現況届

住宅手当を継続して受給するには、毎年、現況届を自治体に提出する必要があります。

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離婚ハンドブック編集部

投稿者プロフィール

家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って11年になります。
これまでの実務経験から、当事者自身が離婚に関する知識を得て、自分で考えて判断することが「後悔の少ない離婚」につながるという考えており、その考えに基づいて「離婚ハンドブック」を運営しています。
サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。

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